新車の納期が長期化し、欲しいクルマがすぐ手に入らない……。そんなストレスから解放されるには、即納できる中古車を買うのが一番。つなぎで乗るもよし、長く乗るもよし、欲しいクルマの代わりになる代用カーで幸せになろう。【画像ギャラリー】待たなくても大満足の「代用カー」(12枚)文:木内一行/写真:スズキ、スバル、ダイハツ、トヨタ、日産、ホンダ、CarsWp.com「すぐに手に入るハイブリッドSUVはこれ」スバル・フォレスター → 日産・エクストレイル(先代)初代からの「ガンガン使い倒す道具」としての力強さを継承しつつ先進的なモチーフを取り入れ、「進化したギア」へと昇華。2017年のマイナーチェンジで前後の意匠が変更された ワゴンとSUVのクロスオーバーモデルとしてデビューし、代を重ねるごとに本格SUVの色を強めてきたフォレスター。2025年7月に登場した現行モデルは、これまでの高い走破性に加えてラインナップのメインにハイブリッドモデルを据え、登場以来高い人気を獲得してきた。 それゆえ新車の納期も長いようで、メーカー公表の目安は1.8リッターガソリン車で約4カ月程度、ハイブリッドモデルになると約8カ月となっている(2025年11月27日時点)。 そんなフォレスターの代わりにピッタリなのが、優れた走破性とハイブリッドの経済性を両立してくれる先代エクストレイルだ。 2013年12月にモデルチェンジした先代エクストレイルは、初代から続く「タフギア」を継承しつつより洗練されたSUVに進化。 当初はガソリンエンジンのみだったが、2015年には1モーター2クラッチのハイブリッドシステム「インテリジェントデュアルクラッチコントロール」を採用したハイブリッドモデルが追加された。 駆動方式はFFの他に4WDも設定され、後者は走行状況に応じて前後のトルク配分を100対0から約50対50へ自動的に切り替える「オールモード4×4-i」を採用。独自のハイブリッドと実績ある4WDシステムの組み合わせにより、優れた経済性と力強い走り、そしてSUVならではの高い走破性を実現するのである。 中古車市場でも先代エクストレイルの流通量は多く、ハイブリッド車も豊富。下は60万円台から選べ、高年式でも200万円強で狙うことが可能。なかには運転支援システム「プロパイロット」搭載車もある。「激戦のカテゴリーでは先代ライバル車を狙え」 トヨタ・ヤリスクロス → ホンダ・ヴェゼル(先代)SUVの力強さとクーペのあでやかさを融合したスタイリッシュなエクステリア。先進的な灯火類やダイナミックなキャラクターライン、ドアに埋め込んだリアドアハンドルなどが特徴的 ヤリスの新たなバリエーションとして、激戦のコンパクトSUV市場に投入されたヤリスクロス。クラスを超えた存在感やヤリス譲りの経済性、手頃な価格設定を武器に一躍ヒットモデルの仲間入りを果たした。 その一方、デビューから5年以上経った今でも納期は半年以上、中にはオーダーストップをアナウンスしている販売店もあるほど、デリバリーは滞っている。 そこで、ヤリスクロスの代用カーとしてお薦めしたいのが先代(初代)ヴェゼルだ。 2013年にデビューしたヴェゼルは、SUVでありながらクーペのパーソナル性とミニバンの利便性を高次元でクロスオーバーさせた1台。 力強さと艶やかさを備えるエクステリアは全長約4.3m、全幅1.77mと扱いやすいサイズで、インテリアはSUVの安心感とクーペのパーソナル感を融合したコックピット感覚に仕上げている。 パワートレインは、1.5リッターガソリンと1.5リッターエンジン+モーターのハイブリッドの2種。 メインは後者で、新世代ハイブリッドシステム「スポーツハイブリッドi-DCD」により、2リッターエンジンに匹敵するパワーと爽快なドライブフィールを実現。同時にクラストップレベルの低燃費も達成した。また、独自の4WDシステム「リアルタイム4WD」が初めてハイブリッド車に採用された。 全世界で累計384万台を販売した人気モデルだけあり、中古車相場は決して低くない。しかし、最上級のハイブリッドZ・ホンダセンシングを例に挙げると、前期であれば100万円前後から、後期でも130万円台から探すことが可能。 ヤリスクロス(ハイブリッドモデル)の新車が240万円程度から、即納の中古車でも200万円近くすることを考えれば、先代ヴェゼルという選択はあながち間違いではないだろう。「唯一無二の存在も伝統のブランドでカバーする」トヨタ・ランクル300 → クライスラージープ・グランドチェロキー(先代)4代目にあたる先代モデルは、7本縦型スロットグリルや台形のフェンダーアーチなど、伝統的なディテールを受け継ぎながらモダンに進化。2014年と2017年にマイナーチェンジを行った 発売前からの多くの予約もあり、最大で5年の納期とも言われていたランクル300。 登場から4年以上経ってもそうした状況は大きく変わっておらず、いまだにデリバリーは滞ったまま。メーカーとしても現在は注文を停止している状況だ(ガソリン車)。 しかし、高いステータス性と圧倒的なオフロード性能を持つランクル300は唯一無二の存在で、代わりとなるようなクルマはそうそうない。 とはいえ、注文もできない状態では不都合も多い。そこで、代わりとして先代グランドチェロキーを推したい。 伝統のブランドだし、ジープ譲りのオフロード性能は昨今のクロスオーバーSUVや都会派SUVとは一線を画すもの。ランクル300よりひと回り小さいもののジープブランドのトップモデルだし、先代なら手頃な相場で手も出しやすいはずだ。 2011年に日本へ導入された先代は、新開発3.6リッターV6エンジン(後にV8も追加)やジープ初のエアサスのほか、副変速機付きフルタイム4WDシステム「クォドラトラックII」を採用。加えて、スロットルやトラクションコントロール、サスペンションなどを統合制御する「セレクテレインシステム」も搭載された。 もちろん、高い質感や上級感はフラッグシップならではだし、洗練されたデザインもイマドキのSUVといった感じだ。 そんな先代は、100万円前後から見つけることが可能。もちろん、年式や走行距離を限定すれば相場は上がるが、2017年のマイナーチェンジ以降のモデルでも300万円強あれば狙える。 ランクル300は中古車も出回っているが相場は高騰。一時期よりは落ち着いたとはいえ、新車価格の1.5倍程度に考えておかないといけない。それならば、いっそのこと目先を変えてみるのもいいのではないだろうか。「本格派のミニマムSUVだって代用カーがある」スズキ・ジムニー → ダイハツ・テリオスキッド登録車のテリオスをベースに、軽自動車規格に合わせたテリオスキッド。標準グレードの他にエアロパーツ装着のエアロダウンおよびカスタムを用意。2000年と2006年にエクステリアの小変更が行われた オンリーワンのキャラクターで引く手あまたのジムニー。その人気は登録車のノマドがデビューしても変わらず、納期は半年とも1年とも言われている。それほどジムニーが手に入らないのであれば、テリオスキッドはどうだろう。 年式はずいぶんと古くなってしまうが、そのポテンシャルは侮れない。ボディはモノコックにラダーフレームを組み合わせたビルトインラダーフレーム式で、エンジンを縦置きに搭載してセンターデフロック付きのフルタイム4WDシステムを採用。 こうした本格的なメカニズムとともに大径タイヤを装着することで、高い悪路走破性を実現したのだ。また、全車直3ターボエンジンを搭載し(インタークーラー有/無)、パワフルな走りも可能にする。 そして、クラスで唯一の5ドアモデルということが大きな魅力。ライバルのジムニーやパジェロミニが3ドアのため、これが大きなアドバンテージになっているのだ。実際、降雪地域で見かけることも多く、日常の足としての人気も高い。 流石に生産終了から10年以上経っているため、中古車の物件数は減少している。とはいえ探すのに困るほど少ないわけではないし、4WDの割合も高い(FRもあり)。価格帯も10万〜80万円台と幅広いので、予算に合った物件を選ぶことができるだろう。 ちなみに、SUVでありながらエアロを装着したりローダウンされたエアロダウンやカスタム系が多いのも特徴。 年式が少々古いのが難点だが、手もとに来るまで時間がかかるジムニーよりも、手軽な予算ですぐに乗れるテリオスキッドを狙うのはアリ。案外とそのキャラにハマってしまうかも!?