空冷単気筒の鼓動を共有しつつ異なる個性を放つGB350シリーズ 現代のモーターサイクル市場において、ホンダの「GB350」シリーズは極めて独自の立ち位置を築いています。 このシリーズは、バイク本来の楽しさを誰もが気軽に味わえることを目指して開発されました。【画像】どれもカッコいいね! 個性で選びたいホンダ「GB350」シリーズ3台を見る(33枚) 最大の特徴は、搭載される348ccの空冷4ストロークOHC単気筒エンジンにあります。 最高出力20ps/最大トルク29Nmを発揮するこのユニットは、あえて出力を追求するのではなく、一発ずつの燃焼を感じられるような力強いパルス感と心地よいサウンドに調律されています。 また、メインシャフト同軸バランサーの採用により、不快な振動を抑えつつもエンジンの鼓動だけをクリアにライダーへ伝える工夫が施されています。 今回は、このパワートレインを軸に展開されている3つのモデルを紹介します。 2026年2月現在、いずれのモデルも全国のホンダドリーム等を通じて新車で購入することが可能です。●「GB350C」 まず紹介するのは、2024年に新たに加わった「GB350 C」です。ホンダ「GB350C」 モデル名の「C」はクラシックを意味しており、シリーズの中でもっとも重厚で伝統的なスタイルを追求したモデルです。 デザイン面では、ボリューム感のある前後フェンダーやフロントフォークカバーを採用し、よりロー&ロングなシルエットを強調しています。 また、大型のセパレートシートにはホワイトのパイピングがあしらわれ、燃料タンクには専用のタンクパッドを装備するなど、往年の名車を彷彿とさせる仕立てとなっています。 マフラーは水平基調の専用デザインに変更され、低重心で落ち着いた雰囲気を醸し出しています。 さらに、エンジンや基本的なフレーム構成はシリーズ共通ですが、大型フェンダー等の採用により車両重量は186kgまで増加しています。 しかし、低い重心設定としなやかなフレーム特性により、おだやかで安心感のある乗り味は損なわれていません。 クラシカルな書体を採用した専用メーターなど、細部までこだわりがみられる点が特徴的なモデルです。 なお、価格は、71万5000円に設定されています。GB350シリーズの原点とスポーティな「S」●「GB350」 続いて紹介するのは、シリーズの原点である「GB350」です。ホンダ「GB350」 このモデルは、1980年代に人気を博したGBシリーズの系譜を受け継ぎながら、現代の技術で再構築されたロードスポーツです。 外観デザインは、燃料タンクからシートにかけて流れる水平なラインを基調としており、安定感のある佇まいを表現しています。 直立したシリンダーを持つ空冷エンジン周辺には適度な空間が設けられ、造形美が際立っています。 また、ライディングポジションは、ハンドルを体に近い位置に設定したアップライトなもので、リラックスした走りが可能です。 機能面では、後輪の駆動力を制御するホンダセレクタブルトルクコントロールや、クラッチ操作を軽くするアシスト&スリッパークラッチを装備しています。 車重は179kg、シート高は800mmに設定されており、扱いやすいサイズ感が特徴です。 なお、価格は67万1000円に設定されています。●「GB350S」 最後は、より走りの質感を高めた「GB350 S」です。ホンダ「GB350S」 このモデルはスタンダードなGB350をベースに、スポーティな個性を加えた派生モデルです。 外観上の大きな違いは、リアホイールを18インチから17インチへ小径化した点にあります。 これにワイドなラジアルタイヤを組み合わせることで、より軽快で安定したハンドリングを実現しています。 また、メインステップの位置を後方上部に、ハンドルを低く遠い位置に変更しており、ライダーが積極的に操縦を楽しむアクティブなポジションが特徴的です。 マフラーはバンク角を確保するために深く傾斜した形状で、前後フェンダーの軽量化やタックロール風シートの採用など、全体にシャープな印象を与えています。 なお、電子制御システムなどはGB350と共通ですが、灯火器類をコンパクトにするなどディテールにおいて差別化が図られています。 車両重量はシリーズ最軽量の178kgとなっており、軽快な運動性能が期待されます。 価格は、71万5000円です。※ ※ ※ ホンダGB350シリーズは、共通のエンジンを用いながらも独自の味付けを施すことで、幅広い層のライダーに支持されています。 今回取り上げた3つのモデルは、いずれも単なる懐古趣味ではなく、最新の環境規制に対応しつつ高い安全性を備えた現代のバイクといえます。 たとえば、全車にABSやエマージェンシーストップシグナルが標準装備されており、初心者からベテランまで安心して走行できる点が特徴です。 同じ心臓部を持ちながらも、日常の足として使いやすいスタンダード、ワインディングを楽しめるスポーツ、そして風景に溶け込むクラシックという選択肢があり、多様なライダーのニーズに応えるラインナップであるといえます。