京王7000系。側面のコルゲートが夕陽に照らされ輝いている秩父鉄道は2026年3月上旬、5000系電車3編成のうち5002号と5003号について、元東京都交通局都営三田線6000系として運行していた当時の姿を再現する装飾変更を実施します。対象車両は5000系5002号と5003号の2編成です。5002号は正面装飾をなくし、側面を赤帯に。5003号は正面装飾をなくし、側面を青帯とし、2編成とも従来の正面青帯、側面青帯から装飾が変更されます。 5000系電車 5002号 イメージ (元東京都交通局 都営三田線所属6000系) ©秩父鉄道 なお5003号は、2025年11月末頃から正面装飾がなくなり、側面青帯の姿で運転を行っています。このことについて公式な発表がなかったことから、その理由をめぐって鉄道ファンの間で話題となっていました。今回、満を持して正式に発表された形です。 【関連記事:都営三田線6000系が復刻!秩父鉄道、5000系2本を装飾変更 3月7日に撮影会・乗車券発売も】 5000系電車 5003号 イメージ (元東京都交通局 都営三田線所属6000系) ©秩父鉄道 元東京都交通局都営三田線6000系の秩父鉄道5000系は、車両側面が凹凸状となっているコルゲート車体が特徴。初期のステンレス製車両の特徴で、関東私鉄を中心に多くの車両が「最年長選手」として活躍を続けています。2025年11月には同じくコルゲート車体の京王7000系「7728F」もリバイバル装飾を実施。東急8500系や京成3600形などもコルゲート車体を持つリバイバル編成が存在するなど、近年コルゲート車体の車両に注目が集まっています。そこで今回は、関東私鉄で今も活躍する「コルゲート車体」の車両をご紹介します。 ▪️黎明期ステンレス車の証 “コテコテの”渋い見た目がたまらない「コルゲート車体」 そもそも「コルゲート」とは、金属の加工方法やその製品の名称。金属に連続した平行な凹凸(ビード)をつけたもので、英語の他動詞「corrugate」に由来する言葉です。鉄道車両では、初期のセミステンレス車両やオールステンレス車両において溶接の跡や熱による歪みを隠すための装飾として貼り付け。黎明期のステンレス車を中心に1980年代前半に製造された車両などに採用されました。 コルゲートが照らされた京王7000系「7728F」 ©レイルラボ ニュース コルゲートは、主にドアの上部や窓下の部分に配置。いわゆる“装飾”に過ぎない存在ではありますが、その車体の美しさは一部のファンを魅了し、現在も、昭和を支えた鉄道車両の一要素として愛される存在です。 ▪️リバイバル「7728F」で注目! 京王7000系 「コルゲート車体」の1例目としてご紹介するのが、京王電鉄の7000系。1984年に製造が開始された同社初の20m級オールステンレス車体の車両。導入当初は各駅停車用でしたが、現在は優等運用も含め幅広く活躍しています。京王7000系では、6両編成の7701F・7703F、4両編成の7807F、10両編成の7726F・7727F・7728Fの6編成がコルゲート車体の車両として今も活躍。このほかの編成は後期に製造され、ビードプレス車体を採用しているため側面形状が異なります。 初期車7703Fと後期車7803Fの連結部分。コルゲートとビードプレス側面形状の違いがよくわかる ©レイルラボ ニュース 中でも「7728F」は、2025年11月から登場初期のエンジ色の帯に復刻され、ファンの注目の的に。旧社名である「京王帝都電鉄」の時代を感じさせる1990年代から2000年代の姿で今も活躍を続けています。 京王7000系 2025年12月07日撮影 ©レイルラボ Tomo-Papaさん ▪️後継導入で引退の噂も? 東武9000系・10000系 2例目は、東武鉄道の9000系と10000系。9000系は1981年に製造が開始された同社初の10両固定編成の車両。オールステンレス車体が採用され、東武東上線や直通先の東京メトロ有楽町線・副都心線、東急東横線、みなとみらい線で活躍しています。東武9000系も、初期車の9000型のみがコルゲート車体を採用。後期車の9050型はビードプレス車体を採用しています。 東武9000系 2026年01月12日撮影 ©レイルラボ Tomo-Papaさん 東武10000系は、1983年に8000系の後継として登場。9000系をベースに開発された地上専用車(地下鉄に直通しない車両)で、東上線のほか伊勢崎線(現スカイツリーライン)や日光線で運用されています。こちらも初期車の10000型のみがコルゲート車体を採用。後期車の10030型・10080型はビードプレス車体を採用しています。なお9000系・10000系は、東上線に新型車両90000系が投入されることで東上線の車両を中心に置き換えられる可能性も。今後の動向に注目が集まります。 東武10000系 2025年12月29日撮影 ©レイルラボ Shibaさん ▪️京成に残る老兵&“ファイヤーオレンジ” 3500形・3600形 京成には3500形・3600形の2形式が「コルゲート車体」の車両として現存しています。3500形は、1972年から製造が開始された通勤形車両。1997年からは一部に更新工事が行われ、前面形状が変更。原型車は2017年に全車が引退しましたが、更新車は今も6両編成3本と4両編成3本が普通・快速運用などで活躍しています。 京成3500形 2009年08月25日撮影 ©レイルラボ ポン太さん 京成3500形 2025年11月07日撮影 ©レイルラボ Irisatsさん 3600形は1982年から導入された車両で、主に京成本線や都営浅草線内で活躍。現在は6両編成の「3688F」と4両編成の「3668F」が運用されており、京成本線の普通・快速運用や金町線で活躍。このうち6両編成の「3688F」は2020年8月から、登場時のファイアーオレンジのカラーリングに復刻。現在も活躍を続けています。なお3500形・3600形は、いずれも中期経営計画で3200形の導入によって置き換えられることが公表されており、今後その活躍に終止符が打たれるものと見られます。 京成3600形 2025年11月07日撮影 ©レイルラボ Irisatsさん ▪️東急最後の8500系 4連の動態保存車「8637F」 東急では、1975年にデビューした8500系1編成の4両が現在も運用中。東急8500系は、東京メトロ半蔵門線への乗り入れに対応した、8000系のマイナーチェンジ車として登場。田園都市線のほか、東横線や大井町線でも活躍し2023年1月に全車が引退しましたが、2024年8月に「8637F」を4両化した上で動態保存することが発表されました。 東急8500系 2025年08月09日撮影 ©レイルラボ くりはしさん 「8637F」は、2024年8月の発表では多客期やイベント時の臨時列車・団体臨時列車として活用する方針。同年10月や2025年8月には田園都市線・こどもの国線で試運転が実施されています。しかし、2026年2月時点でも臨時列車などでの運用実績はなく、今後の動向が気になるところです。 ▪️伊豆急で今も活躍! 元東急の8000系 最後にご紹介するのは、伊豆急で活躍する8000系。かつて東急東横線や田園都市線で活躍した東急の8000系が、2004年から伊豆急で第二の余生を送っています。譲渡に際し、トイレの設置や西武10000系(NRA)で使用されたクロスシートの設置なども行われています。伊豆急8000系は、現在3両編成13本が現役。2025年には「TB-2」編成が運用離脱しており、今後置き換えが本格化する可能性もあります。 伊豆急8000系 2023年06月04日撮影 ©レイルラボ 北坂戸さん 伊豆急8000系 2026年01月25日撮影 ©レイルラボ えすあいさん 以上、現在も関東で活躍する「コルゲート車体」の車両についてご紹介しました。鉄道車両といえば「顔」とも呼ばれる前面形状に注目が集まりがちですが、その側面にも着目してみると意外にも違いがあります。旧型車として今後置き換えが進む「コルゲート車体」の車両にも、ぜひ今後は目を向けてみてはいかがでしょうか。 西武 新宿線に新型車両「トキイロ」導入へ! 有料着席サービス刷新 2027年春運行開始【引退迫る211系顔 #3】40年で初のスカ色!「長野の211系」 東京・上野口の生き証人は今愛称は出雲神話の“剣” 一畑電車、新造車両10000系を11月導入 既存車と連結OK