04/05/2025 · 4 ヶ月前

【メルセデスAMG】最高峰GTシリーズの3機種に一気乗り。レース馬鹿のDNAでスポーツカーを作った場合…

メルセデスAMGの頂点にあるGTシリーズの2ドアクーペ3モデルに一気乗りしてきました。GTシリーズも現在は第2世代に移行。同シリーズには4ドアクーペもありますが、今回は2ドアクーペが主役です。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

では3モデルのアウトラインを少々。パワートレインは「GT43クーペ」がM139型2.0L直4ターボで最高出力310kW(421ps)/6750rpm、最大トルク500Nm/5000rpmを発生。F1譲りの電動ターボで過給時のみモーターが回ります。そして、このモーターは回生(発電)しません。この点は911のGTSとは違う部分。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

しかし、エンジン自体はいわゆるBSG方式のマイルドハイブリッドであり、10kW/58Nmの電動アシストがあります。4マチックの設定はないのでシリーズ中唯一のピュア後輪駆動モデルとなります。試乗車のベース価格は1650万円(文中の車両価格はすべてオプション別)。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

「GT63 S 4マチック+ クーペ」にはM177型4.0LのV8ツインターボが搭載されます。パワースペックは最高出力430kW(585ps)/5500-6500rpm、最大トルク800Nm/2500-5000rpmを発生。電動アシストはなく駆動方式はいわゆるAWDを採用。前輪への駆動力配分は0-50%なのでFRちっくな側面もあります。予算カーブは急上昇し2752万円スタート。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

「GT63 S Eパフォーマンス・クーペ」はプラグインハイブリッドの電動化モデルですが、EVでの航続距離は約13km程度といいますから、こりゃもう販売許可を得るための電動化……という側面もあります(アイドリングでフル充電可能)。エンジンはM177型ですが何気にBSGシステムを併用。

 
Yahoo! 配信用パラグラフ分割

エンジンユニットの出力は450kW/850Nmとメインモーターの出力150kW/320Nmが合わさって、システム全体では最高出力600kW(816ps)、最大トルク1420Nmを発生。シリーズ中、一番パワフルなモデルです。価格はさらに上昇し3085万円也。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

ボディサイズは全長4730×全幅1985×全高1355mmでホイールベースが2700mmです。ただし、一瞬では見抜けませんが、「GT43クーペ」だけ全幅1930mmと55㎜ナローなボディとなっています。ちなみに先代GTは全長4550×全幅1940×全高1290mmでホイールベースが2630mm。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

では実走です。場所は富士スピードウェイがある静岡県御殿場市。5分も走れば箱根の山道というロケーションです。しかし、そこに山があるのに上ることはなく、昔々某メーカーOB(エンジニア)と走りまわった秘密ルートへ向かいます(笑)。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

最初は「GT43クーペ」です。同社のSL43もエンジン型式は一緒。ですがGT43の方が40ps/20Nmのエキストラパワーがあります。

 
Yahoo! 配信用パラグラフ分割

ホンネをいえば素の状態で乗りたかったのですが、試乗車はオプションの「AMGドライビングパッケージ」など装着され、電子制御式サスペンションやLSD、後輪のステア機能などテンコ盛り。その他もひっくるめてザックリ2000万円仕様になってました。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

走り出して直ぐわかるのはGTとは名ばかりで、その辺のGTとは次元の異なるスポーツカーに仕上がっているということ。クルマが動いているというより、床と一緒に動いているという感覚。極端にいえば他のGTはフツウのクルマであり、AMGのGTは限りなくレースカーの素性、それに近い生い立ち(開発コンセプト)なんだと思います。あえて例えるならマクラーレンのライドフィールに似ています。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

スポーツカー談義で不定期ながら時に再燃するのが「いわゆるZ軸まわりのモーメントについて」です。クルマって走行中は絶えず前後・左右・上下に動いていますが、この3軸の交点が車体のどの位置にあるのかってハナシ。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

位置的にはほぼお尻あたりかと感じますが、ロングノーズ&ショートデッキなスタイルなのにドライバーのケツから腰あたりが軸なので、ドライブしていてズレがないというかサスペンションの動きを含めて不感帯が一切ありません。

 
Yahoo! 配信用パラグラフ分割

路面からの衝撃は3車中、もっともビシッとくるのがこのGT43。しかし、その後の収まりがいいので気にならないというか、逆に走りたい気持ちにかき立てられます。タイトなコーナーも日本のスピードレンジではグイグイ曲がる(逆位相)ので、「マックスでもなけりゃ角田選手でもないからね~」状態に。同時に「このままドリフト行けるんじゃね?」と思えたのもこのGT43だけ。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

エンジンが4気筒でショボいと感じるかもしれませんが、2.0Lという排気量には不釣り合いなほどデカいタービンを、プログラムした最適値でモーターを回し過給するのでアクセルに遅れることなく縦横無尽。このパワーユニットは侮れません。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

また、あえて補足すると、「4気筒だから鼻先が軽く動きがケイカイ」だなんてインプレは信じちゃいけません。まあ、言葉なんて意図するところの30%も伝えられないといいますし、文字に書き起こしたところで真意が伝わるとも限りませんが、ご参考までに3モデルの前後の軸重と車重をデータとして掲載しますね(モデル名は端折ります)。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

●車検証上の前後軸重(車両重量)

GT 43:1060kg / 880kg(1940kg)

GT 63:1060kg / 950kg(2010kg)

GT 63 S E:1070kg / 1110kg(2180kg)

 
Yahoo! 配信用パラグラフ分割

長くなりますのでグッと縮めますが、PHEVの「GT63 S Eパフォーマンス」はアクセルどっかーんで意外といい音するんですよね、モーター音と合わさって。駆動用バッテリーを搭載しますので軽いとはいいませんが、”フロアと一緒に動いている感覚”は共通項。将来の値下がり率はイマイチでしょうがこのキャラクターは悪くない。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

「やっぱりV8でしょっ!」って方は予算もおありでしょうから「GT63 4マチック+ クーペ」で逝っちゃってください、期待は裏切りませんから。電子制御のサスペンション類もGT43ならオプション扱いってメニューもGT63は標準装備。大出力を効率よく安全に駆動力に変換するAWDシステム含め対価ありでしょうか。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

まとめます。先代GTと比較すれば大きく重くなりましたが、開発コンセプトの起点はこの2代目も踏襲していると思います。ただし、生産車が世に放たれれば、「見た目・値段・ブランド力」など、多次元な要素を同じ視線の高さで判断されてしまいます。それが多数派。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

張ったりマウント族はフェラーリにまかせればいいのですが、微妙に次元間を行き来する911だけが唯一のライバルかもしれません。しかし、AMGは我が道を進むのみ。このテロワールは何物にも代えがたいと思うのでした。ではまた!

Text:Seiichi Norishige

メルセデスAMG

関連記事

Categories

Tags

© TopCarNews Network. All Rights Reserved. Designed by TopCarNews