24/04/2025 · 5 ヶ月前

トヨタの「和製スーパーカー」!? 大排気量「V6」×4WDミッドシップの「オープンモデル」! 299馬力の「GRMN SPORTS HYBRID Concept II」とは

トヨタの和製スーパーカー!?

 自動車メーカーは次世代の技術やデザインを提示するために、様々なコンセプトカーを発表してきました。

 

 その中でも、トヨタが2011年の東京オートサロンで公開した「GRMN SPORTS HYBRID Concept II(以下、GRMNスポーツハイブリッドコンセプト2)」は、ハイブリッド技術を活用したスポーツカーとして大きな注目を集めました。

トヨタの和製スーパーカー!?

トヨタの和製スーパーカー!?

 GRMNは「GAZOO Racing tuned by MN」の略称で、トヨタのモータースポーツ活動をベースにした特別なモデルを展開するブランドです。

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 GRMNスポーツハイブリッドコンセプト2は、2010年に登場した「GRMN SPORTS HYBRID Concept」の進化版として発表され、トヨタのハイブリッドスポーツの方向性を示すモデルとなりました。

 開発のコンセプトには「ミッドシップ・レイアウトによる車両の回頭性の良さ(=自在に走る楽しさ)と、フロントをモーター駆動することによる安定性を兼ね備えた、4WDスポーツハイブリッドシステムを搭載」というものがあったと伝えられていました。

 GRMNスポーツハイブリッドコンセプト2は、フロントに3.5リッターV6エンジンを搭載し、リアには電動モーターを配置する「ミッドシップ・スポーツハイブリッドシステム」を採用。これにより、システム総合最高出力220kW(299PS)というハイパワーと燃費性能の両立を目指しました。

 また、四輪駆動システム(AWD)を採用し、前後のトルク配分を最適化することで、優れた走行性能を発揮する設計となっていました。

 ボディサイズは、全長4,355mm×全幅1,895mm×全高1,200mm、ホイールベース2575mmとされており、ワイド&ローなフォルムが特徴です。

 空力性能を重視した流麗なデザインは、スポーツカーとしての存在感を際立たせていました。また、車両重量は「目標1500kg以下」とされ、300馬力のハイパワーも相まって相当高い走行性能を誇るであろうことが容易に想像できました。

 さらに、トヨタが開発を進めていたハイブリッド技術をスポーツカーに応用する試みとして、高性能な回生ブレーキシステムやエネルギーマネジメントシステムの導入も推測できました。

 エクステリアは、アグレッシブなフロントデザインと滑らかなリアエンドが印象的で、軽量なカーボンパーツを採用することで、車体重量の軽減が図られていました。また、開閉式ルーフを備えたオープンモデルであり、爽快なドライビングを楽しめる仕様となっていました。

 インテリアはドライバー中心の設計がなされ、スポーツドライビングに適したシートポジションや、レーシーなステアリングが装備されていました。デジタルディスプレイを採用し、ハイブリッドシステムの動作状況や走行モードの情報をドライバーにわかりやすく提供する設計が施されていました。

 GRMNスポーツハイブリッドコンセプト2のベース車両はトヨタ「MR-S」で、ミッドシップレイアウトを活かしながら、ハイブリッドパワートレインを導入することで新たな走行性能を追求していました。

※ ※ ※

 

 GRMNスポーツハイブリッドコンセプト2は、環境性能と走行性能のバランスを追求する、次世代スポーツカーの方向性を示すモデルでしたが、量産化には至りませんでした。

 しかし、その技術や設計思想は後のトヨタのスポーツモデルに影響を与えていることでしょう。特に、GAZOO RacingによるGRシリーズの開発においては、このコンセプトカーで培われたノウハウが生かされていると考えられます。

 近年、トヨタは「GRスープラ」や「GR86」、「GRヤリス」といったスポーツモデルを展開していますが、GRMNスポーツハイブリッドコンセプト2が示した「ハイブリッドスポーツ」の可能性が、今後のGRモデルにも反映されるのか注目されるところです。

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