SUBARU(以下、スバル)フォレスターで挑んだのは、約3000kmに及ぶ冬のロングドライブと雪道走行。スポーツEXに搭載される1.8L水平対向4気筒ターボとシンメトリカルAWDは、高速道路での安定感と雪上での安心感を高い次元で両立していた。いま、フォレスターが評価されている理由をリアルな体験からひも解いていく。(Motor Magazine 2026年3月号の内容をWeb用に再編集)「話題のクルマ」フォレスターのロングテストを試行「ともに駆け抜けるSUVを。」そんなコピーから始まるスバル フォレスターのカタログ。荒野に堂々と構え、ひとまわり逞しく、精悍になった新型フォレスターの姿が目に飛び込んでくる。写真を眺めているだけで、なんだか「このクルマを相棒にドライブに出かけたい」と思わせる力がある。CMでも大自然の中を力強く駆け上がり、「ADVENTURE FOR YOU.」の文字が重なる。この演出が刺さるのは、私だけではないだろう。1997年の初代デビュー以来、「どこにでも行ける、どこでも使える」という基本価値を継承してきたフォレスターは、2025年4月に6代目へと進化した。いまやスバルのラインナップにおいて中核を担う存在である。今回のテスト車両はSUBARUフォレスター スポーツEX。1.8L水平対向4気筒ターボエンジンを搭載した純内燃機関モデル。このCB18型ターボエンジンは低回転からトルクがあり、エンジン車らしいフィーリングが魅力。2025年末には自動車業界の一大イベント「2025-2026 日本カー・オブ・ザ・イヤー」において、6代目フォレスターはイヤーカーを受賞した。初のストロングハイブリッド(S:HEV)設定による燃費と運動性能の両立、そしてSUVとしての使い勝手を含めた総合力が評価された結果だ。では、そんなフォレスターと実際に長く付き合ってみると、どんな一面が見えてくるのか。今月からマンスリーレポートをスタートした。1.8Lターボモデルで真冬のロングドライブへ6代目フォレスター最大のトピックは、やはりストロングハイブリッド(S:HEV)の設定だろう。以前、クロストレックのS:HEVで大阪までの約1000kmロングドライブを経験し、このハイブリッドユニットによる長距離移動時の快適性はすでに確認済みだ。一方で、過去の試乗では1.8Lターボモデルも走りの良さが際立っており、購入時にパワートレーン選びで悩む人は少なくないはずだ。今回はまず、スポーツEX(1.8Lターボモデル)から試す。年末年始を挟んだ今回のテストは、結果的に東京→大阪→鳥取→東京→岩手→東京という、約3000kmにおよぶロングドライブとなった。S:HEVの電動感あふれる走りも魅力的だが、ターボエンジンならではのトルクやパワー感は運転していてもどこか落ち着く。足まわりもフラットライドな乗り心地で、アイサイトとの組み合わせで長距離ドライブも楽ちん。冬場の長距離移動は、路面状況や天候を含めて気を遣う場面も多い。だが、スタッドレスタイヤを装着したフォレスターとシンメトリカルAWDの組み合わせなら、そんな不安も皆無。まさしく冒頭のコピー「ADVENTURE FOR YOU.」である。まず印象的だったのは、高速道路での直進安定性だ。80km/h付近ではフラット感が際立ち、120km/h区間で路面の継ぎ目を越えても上下動は少ない。しなやかな足まわりが、長時間の運転による疲労を確実に軽減してくれる。アイサイトの制御も自然で、加減速やハンドルのアシストに違和感がない。東京から大阪まで約500km、鳥取から東京までの約800kmという距離も、体感的には驚くほど短く感じられた。操作そのものの負担が少ないからこそ周囲の状況確認に意識を割ける。ドライバーモニタリングシステムの警告も含め、長距離や長時間の移動時の安心感は非常に高い。雪上でSUBARU AWDの本領を発揮する今回のもうひとつのテーマが雪道走行である。担当は北国育ちなので雪道は決して特別な存在ではないが、実用型の4WDで長期間走る経験は、実はほぼ初めてだった。圧雪路、ブラックアイス、ミラーバーンといった路面状況が刻々と変化する冬道では、慎重な操作が欠かせない。そのうえで、駆動力という点で4WDがもたらす安心感は、2WDとは明らかに次元が違う。実際、雪深い地域に足を運んでも不安を覚える場面はなく、とくに圧雪路での安定感は心強い。上り坂で停車するような状況でも、アクセルペダルをじんわりと踏むだけで、しっかりと路面を噛み締めながら再発進してくれる。今回はXモードを使うほどの状況に至らなかったが、以前試した際には、四輪それぞれを緻密に制御しながら進む感覚が印象に残っている。フォレスターに搭載されるX-MODEだが今回は出番なし。雪深い圧雪路を走る機会もあったが、ノーマルモードで走破できてしまった。しかし、こうした機能が搭載されていること自体が安心感に繋がるわけで・・・。雪道走行の翌朝、冷えた身体でフォレスターに乗り込む。ステアリングヒーターとシートヒーターは温まる範囲が広く、じんわりと身体を包み込んでくれる。エンジンをかけて暖気し、雪を払ってから走り出す。そんな雪国ならではの所作を思い出しながら、スバル車は走りだけでなく、こうした日常の場面でも運転手や同乗者に寄り添ってくれるのだと実感した。肝心の実燃費だがカタログ値は13.5km/L(WLTCモード・サンルーフ装着車)。約1カ月間3843kmの燃費は11.9km/Lだった。これは高速走行だけでなく、雪道や都内でのちょい乗り、渋滞も含まれるのでかなり現実的な数値だと思う。次回はストロングハイブリッドモデルのS:HEVを試す予定。今回のロングドライブと雪道体験を経たうえで、その違いがどう感じられるのか。ますます楽しみになってきた。SUBARUと言えば4WDだが、フォレスターのシンメトリカルAWDは雪上での安定感が抜群で、真冬のドライブを愉しむことが出来た。スバル フォレスター スポーツEX 主要諸元●全長×全幅×全高:4655×1830×1730mm●ホイールベース:2670mm●車両重量:1640kg●エンジン:対4 DOHCターボ●総排気量:1795cc●最高出力:130kW(177ps)/5200-5600rpm●最大トルク:300Nm/1600-3600rpm●トランスミッション:CVT(8速マニュアルモード付き)●駆動方式:4WD●燃料・タンク容量:レギュラー・63L●WLTCモード燃費:13.6km/L●タイヤサイズ:225/55R18●車両価格(税込):419万1000円