2026年のF1マシンが続々とその姿を現し、走行を開始している。非公開ながらもチームなどから発信される写真を見ると、昨年までのグラウンドエフェクトカーには見られなかったレーキ角(前傾角)がついているのが分かる。しかしマクラーレンは、2021年ほどの極端なセットアップにはならないだろうと考えている。 2022年から2025年は、マシンのダウンフォースの約半分をグラウンドエフェクトを活用して稼ぐというコンセプトであった。残り半分のダウンフォースは、前後のウイングなどで賄われていた。 しかし新たなレギュレーションでは、フロアのベンチュリ・トンネルがなくなり、前後ウイングとディフューザーでダウンフォースを稼ぐ形に、いわば”戻った”格好だ。その結果、車両全体を使って効率的にダウンフォースを生み出そうと、リヤの車高を高くしてマシンを前傾させる形になった。いわゆるレーキ角である。 走行したマシンの写真を見ると、程度の差こそあれどフロアが路面と平行ではなく、前傾していることが分かる。 マクラーレン・レーシングの技術ディレクター、ロブ・マーシャルはレーキの復活についてこう語った。「レーキの量は、各チームの空力パッケージとCLRピーク(車両後部の揚力係数の最大点)の位置によって大きく左右されるだろう。この規定の意図はリヤのライドハイトを上げることにあり、我々の経験からもその効果は確実にあると感じている」「どの程度になるかは現時点ではまだ分からない。どこまで下げられるかも、まだ分からない。バルセロナのテストで行なわれる作業の多くは、マシンにとって最適な作動範囲を理解するための試みとなるだろう」 マクラーレンの復活を支えた設計者のひとりであるマーシャルは、ハイレーキのセッティングがもたらす利点について、さらに詳しく説明した。「ハイレーキセッティングにおいては、ウイングに対してある程度”自由”な迎角が得られる。空力的にそれをサポートできるなら、それは大きなアドバンテージとなる。サスペンションストロークの拡大やその他の副次的メリットも得られるが、最終的には空力性能のピークを追求し、車両後部もそれに追随させる必要がある」「それがハイレーキにすることを意味するかもしれないし、レーキを低くすることを意味するかもしれない。私としては低レーキになるとは思わないが、人々が考えるほど高くはないかもしれないし、私が考えるより高くなるかもしれない。どうなるかは分からないから、見てみよう」 極端にハイレーキなレッドブルの2021年マシン RB16B マクラーレンの技術パフォーマンスディレクター、マーク・テンプルは、グラウンドエフェクト時代よりも車高に対する依存度が低下するため、車両のセットアップ調整の自由度が高まり”スイートスポット”、つまり車両が最大限の効率を発揮するための最適な妥協点を見出しやすくなると語る。「言うまでもなく、2021年まで走っていたマシンははるかにハイレーキの設定だった。リヤの最低地上高が高く、マシン全体が非常に高くなっていた。その後、グラウンドエフェクト時代に移行し、アンダーボディトンネルと空力性能の影響でマシンははるかに低い車高で走るようになった。空力性能は車高に大きく依存するようになったんだ」「2026年仕様のマシンは、その中間的な位置づけだ。どちらか一方に偏るわけでもなく、厳密な中間点とも言えない。過去数年と比べて車高への過敏な反応がやや緩和されるため、単にマシンが遅くなるだけではなく、セッティングの調整がマシンの挙動に影響を与える自由度が少し増すだろう。こうした変更がどのような効果をもたらすか、興味深いところだと思う」 レーキのセッティングに関しては、これまでのレースにはなかった要素を考慮する必要がある。新たなエネルギー回生モードもそのひとつであり、チームとドライバーはシーズンを通じてこれに対処しなければならない。「クルマの調整の自由度が少し増すし、特定のコーナリング特性に適応できるだろう。もうひとつの考慮ポイントは、ブレーキングゾーンやコーナー進入時のエネルギー回生だ。これは過去2世代では見られなかった新たな課題を生み出している。それはドライバーが何をしなければならないのか、そしてドライバーがクルマの挙動に何を求めるかに関係している」「現時点では確かなことは分かっておらず、テストを通じて学びを深めていくことになる。そして、ロブが述べたことに沿って理解を深め、それをどう活用できるかを把握することが、我々にとって非常に重要になるのは明らかだ」関連ニュース:F1王者の印。”カーナンバー1”がついた自分のF1マシンに、ノリスがカンゲキ「今でも現実のモノとは思えない」F1アクティブエアロに“第3のモード”。フェラーリがバルセロナで雨バージョンのフラップ可動をテスト友だち追加 Follow @MotorsportJP