2025年10月29日 発表 「ジャパンモビリティショー 2025」で新型「エルグランド」を先行公開日産自動車は10月29日、「ジャパンモビリティショー 2025」(プレスデー:10月29日~30日/一般公開日:10月31日~11月9日)で4代目となる新型「エルグランド」を先行公開した。新型エルグランドの発売時期はこれまで2026年度とされていたが、2026年夏に発売予定であることが明かされた。 1997年に発売した初代エルグランドは、ゆとりのある広い室内と高級な内装を両立させた「プレミアムミニバン」のパイオニアとして、日本に新たな市場を開拓。存在感あふれるスタイリングや長時間でも快適に過ごせるシートを備えた室内、卓越した走行性能などで好評を博してきた。 新型エルグランドでは、第3世代のe-POWERハイブリッドシステム、進化させた電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」、さらにインテリジェントダイナミックサスペション(IDS)を採用するなど、現状同社が持ちうる最新技術を用いることで走行性能を強化。これは従来使われてきた「プレミアムミニバン」から「プレミアムツーリングミニバン」と呼んでいることからも分かり、”威風堂々”とした外観、上質で先進的な空間とともに乗り心地のよさ、運転の楽しさについてもレベルアップさせてきた。 まずエクステリアについて。新型エルグランドでは「The private MAGREV(日本語名:リニアモーターカー)」をデザインコンセプトとし、非日常の旅に出かける高揚感や期待感を感じさせる特別なデザインを実現。ハイスピードでありながらスムーズで静かなリニアモーターカーの姿をイメージしつつ、威厳とダイナミックなプレゼンスを兼ねそろえ、”威風堂々”とした佇まいを表現した。フロントグリルは日本の伝統工芸である「組子」をモチーフとしたほか、サイドパネルの大きな面構成と緻密なディテールのコントラストは、日本庭園のように広いスペースの”間”と緻密に仕上げられた細部”整”の考え方を取り入れたという。 ボディサイズは4995×1895×1975mm(全長×全幅×全高。数値は日産測定値)とし、現行モデルの4965×1850×1815mm(同。2WDの350 Highway STAR)から30mm長く、45mm広く、そして160mm高くなった。これは現行のトヨタ「アルファード」の4995×1850×1935mm(同。ガソリン/ハイブリッド系)の幅と高さをしのぐサイズとなっている。 ボディカラーには富士の黎明の一瞬を切り取った自然美を表現した「FUJI DAWN -フジドーン-」、日本で古来より高貴さや格式の高さを象徴する色から着想した「至極 -シゴク-」を新色として採用した。 新型エルグランドのボディサイズは4995×1895×1975mm(全長×全幅×全高。数値は日産測定値)。現行モデルから30mm長く、45mm広くなるとともに、全高が160mm高くなったのがトピックエクステリアではハイスピードでありながらスムーズで静かなリニアモーターカーの姿をイメージしつつ、威厳とダイナミックなプレゼンスを兼ねそろえ、”威風堂々”とした佇まいを表現軽量化を追求したというホイールでは、フィニッシャーによりアルミホイールだけでは表現できない緻密さと車両全体の統一感あるデザインを実現。画像では横浜ゴム「ADVAN V61」を履いているのが分かるインテリアは特別なプライベートラウンジのような空間を目指して開発を実施。アイポイントが高くなったことで運転席からの視界が広がり、モダンで広がりのあるインストルメントパネルデザインを採用する一方、現行モデルでは前席間の移動が容易だったが、新型では幅広で高いコンソールを組み合わせてパーソナル性を高めているのも大きな変更点となっている。 また、広範囲に表皮・木目調パネルをあしらうことで高級感を演出するとともに、エクステリアの組子パターンと統一感を持たせたキルティングをドアトリムに施した。さらに木目調パネルと一体のシームレスな静電式スイッチに加え、センター、メーターディスプレイに国内モデルとしては初となる14.3インチの大画面統合型インターフェースディスプレイを採用。 さらに臨場感ある3Dサラウンド再生を楽しめるBOSE 22スピーカープレミアムサウンドシステムや、乗員を包み込むようにインストルメントパネルからドアにかけて連続的に繋がる最大64色の設定が可能な間接照明をレイアウト。インテリアのシート素材にはテーラーフィットを使用し、日本の美意識に息づく気高さを象徴する紫と青があしらわれた「紫檀-シタン-」を採用している。 インテリアは特別なプライベートラウンジのような空間を目指して開発現行エルグランドでは前席間の移動を容易にしていたが、新型では幅広で高いコンソールを組み合わせてパーソナル性を高めている臨場感ある3Dサラウンド再生を楽しめるBOSE 22スピーカープレミアムサウンドシステムも採用フロントではUSB Type-Cポートを2基、スマホを2台収めるスペースも用意される。シフトレバーを持たず、ボタン式となっている後席用にも充電ポートが用意されている現行モデル同様、助手席にもオットマンが備わる後席用モニターはフリップダウンではなく前席ヘッドレストにセットされた後席はもちろんオットマン付き。センター側に複数のボタンが備わることから電動タイプかラゲッジスペースの使用例一方、今回パワートレーンで採用された第3世代e-POWERは、専用設計により効率を高めた新型ZR15DDTeエンジンと、モーター・発電機・インバーター・減速機・増速機の5つの主要部品を1つにまとめた「5-in-1 e-POWERパワートレインユニット」で構成。このユニットはコンパクトかつ高剛性なのが特徴となり、静粛性と燃費性能を大幅に向上させているという。さらに新しい制御技術の導入により、プレミアムミニバンにふさわしい力強く上質な走りを実現。プラットフォームも刷新し、高剛性ボディと徹底した遮音構造によって、静かで快適な乗り心地を提供するとのこと。 また、駆動方式は4WDのみとなり、進化版の電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を採用。日常シーンでは前後モーターのトルクをバランスよくコントロールし、走り出しや加減速による車体の揺れを抑え、スムーズで快適な乗り心地を提供。また、旋回中には従来のモーターとブレーキの統合制御に加え、リアモーターのトルクを積極的に活用することでより気持ちのよいコーナリングを実現したという。さらにモーター出力とブレーキ作動の状態がメーターディスプレイに表示されるようになり、「e-4ORCE」の制御が視覚的にも確認できるようになっている。 加えて今回、走行シーンに応じて4輪の減衰力を可変するインテリジェントダイナミックサスペンションを採用したのも新しい。同サスペンションにより車体の揺れを抑え、落ち着いた挙動を実現することでe-POWERとe-4ORCEにより提供される快適な乗り心地をさらに高めた。また、6つのドライブモードを備えることでe-POWER、e-4ORCE、インテリジェントダイナミックサスペンションの特性を変化させ、シーンに応じた走行が可能になっている。 そのほか新型エルグランドでは高速道路での運転を支援する「プロパイロット2.0」「プロパイロット」を搭載。「プロパイロット」では新たに渋滞時に50km/h以下のスピードでハンズオフした状態の走行が可能になり、ドライバーによるウインカー操作の後、車線変更支援を行なう機能も追加された。 新型エルグランドは2026年夏に発売予定