クルマが全面的に電気自動車(BEV)に移行するとの観測が後退した今、注目を浴びているのが「プラグインハイブリッド車」(PHEV)。日本で買える日本メーカー製のPHEVには、どんなクルマがあるのか。一挙に紹介していこう。 トヨタは豊富なのに、日産には1台もない? 「マルチパスウェイ」を掲げるトヨタ自動車には、さまざまなPHEVモデルがある。サイズの小さいクルマから見ていこう。まずは「プリウスPHEV」だ。 トヨタ「プリウスPHEV」トヨタ「プリウスPHEV」(本稿の写真は撮影:原アキラ) 先代は「プリウスPHV」の名で販売されていたが、スタイルを一新してスーパーカーのようなルックスをまとった新型が登場。名前をプリウスPHEVに改めた。パワートレイン(以下、PT)は151PS/188Nmを発生する2.0Lエンジンと163PS/208Nmを発生するモーターで、システム合計で223PSを発生し、0-100km/h加速6.7秒という快速の持ち主だ。EV走行距離は87km、ハイブリッド燃料消費率は26.0km/L。価格は460万円だ。 トヨタ「プリウスPHEV」 トヨタ「プリウスPHEV」 トヨタ「プリウスPHEV」 トヨタ「プリウスPHEV」 トヨタ「プリウスPHEV」 トヨタ「プリウスPHEV」 先ごろ発表されたばかりの6代目「RAV4」にもPHEVモデルがあるものの、今のところはHEVモデルのみが販売されているので詳細は不明だ。 新型「RAV4」の「GR SPORT」グレード 新型「RAV4」の「GR SPORT」グレード 新型「RAV4」の「GR SPORT」グレード 新型「RAV4」の「GR SPORT」グレード 新型「RAV4」の「GR SPORT」グレード 新型「RAV4」の「GR SPORT」グレード 新型「RAV4」の「GR SPORT」グレード新型「RAV4」の「GR SPORT」グレードはPHEV。2025年度内に発売予定だ 人気の都市型SUV「ハリアーPHEV」は、177PS/219Nmの2.5Lエンジンと前182PS/270Nm、後54PS/121Nmのモーターを組み合わせた4WD。システム出力は306PSと強力だ。EV走行距離93kmでハイブリッド燃料消費率20.5km/L、価格は620万円となる。 トヨタ「ハリアー」「ハリアー」のPHEV(Gグレード、こちらの画像は提供:トヨタ) 「クロスオーバー」から始まって「スポーツ」「セダン」「エステート」の4モデル展開とした「クラウン」には、スポーツとエステートにPHEVモデルが存在する。PTは177PS/219Nmの2.5Lエンジンと前182PS/270Nm、後54PS/121Nmのモーターを組み合わせたシステム合計306PSの「E-Four」(4輪駆動)で、容量18.1kWhのリチウムイオン電池によるEV走行距離は90km(エステートは89km)、ハイブリッドは燃料消費率20.3km/L(エステートは20.0km/L)。RSグレードの価格はスポーツが765万円、エステートが810万円。プリウスやハリアーが普通充電のみに対応するのに対し、クラウンはDC急速充電が可能で、外部給電のV2H機能まで備わっているのが特徴だ。 トヨタ「クラウンエステート」 トヨタ「クラウンエステート」 トヨタ「クラウンエステート」 トヨタ「クラウンエステート」 トヨタ「クラウンエステート」 トヨタ「クラウンエステート」 トヨタ「クラウンエステート」トヨタ「クラウンエステート」 高級ミニバンの「アルファード/ヴェルファイア」では、トップグレードの「エグゼクティブラウンジ」にPHEVの設定がある。PTはハリアーやクラウンのものと同じE-Fourだが、さすがに両者とも2.5トン近い巨体なので、EV走行距離は73km、ハイブリッド燃料消費率は16.7km/Lまで落ちてしまうのは仕方がないところ。価格はアルファードが1,065万円、ヴェルファイアが1,085万円と高価だ。 トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」 トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」 トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」 トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」 トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」 トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」 トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」人気の高級ミニバン「アルファード/ヴェルファイア」にもPHEVがある さらにこの上となる「センチュリー」にもPHEVモデルがある。全長5.2m以上で重量2.5トンを超える巨体の最上級ショーファーカーらしく、PTは262PS/335Nmを発揮する3.5L V6エンジンと前182PS/270Nm、後109PS/169Nmを組み合わせた強力なE-Fourシステムを搭載。容量18.1kWhのバッテリーによるEV走行距離は69kmとされている。価格は2,700万円だ。 トヨタ「センチュリー」 トヨタ「センチュリー」 トヨタ「センチュリー」 トヨタ「センチュリー」 トヨタ「センチュリー」 トヨタ「センチュリー」 トヨタ「センチュリー」「センチュリー」は日本車PHEVで最高級のモデルだ また、レクサスブランドのSUV「NX」と「RX」にも「450+」グレードとしてPHEVの設定がある。搭載する2.5Lエンジンは185PS/228Nmでトヨタブランドのものよりわずかに強力になり、前182PS/270Nm、後54PS/121Nmのモーター出力は同じ。E-Fourのシステム合計309PSも当然ながらトヨタブランドをわずかに上回る。18.1kWhバッテリーによるEV走行距離は87km、ハイブリッド燃料消費率は19.6km/Lだ。価格(いずれもバージョンLグレード)はNX450+が714万円、RX450+が887万円だ。 レクサス「NX」 レクサス「NX」 レクサス「NX」 レクサス「NX」 レクサス「NX」 レクサス「NX」 レクサス「NX」レクサス「NX」 トヨタがこれだけのモデルをそろえているのに対して、日産にはPHEVのラインアップがゼロなのはちょっと残念なところだ。 PHEVといえば三菱! エクリプスクロスもあるよ 三菱自動車工業の「アウトランダーPHEV」は、あの「ランエボ」などで培った「S-AWC」による四駆性能と、前後2モーターによるBEVに近い静粛かつ強力な走行性能、さらには3列シートまで選べる豪華なインテリアなど、全方位的な魅力を備えたPHEVモデルとして、確固たる地位を創り上げた実力派モデルだ。PTは133PS/195Nmの2.4Lエンジンと前116PS/255Nm、後136PS/195Nmのモーターの組み合わせ。22.7kWhのバッテリーによるEV走行距離は102km、ハイブリッド燃料消費率は17.2km/Lだ。価格は668.58万円(Pエグゼクティブパッケージ)となる。 三菱自動車「アウトランダーPHEV」 三菱自動車「アウトランダーPHEV」 三菱自動車「アウトランダーPHEV」 三菱自動車「アウトランダーPHEV」 三菱自動車「アウトランダーPHEV」 三菱自動車「アウトランダーPHEV」 三菱自動車「アウトランダーPHEV」三菱自動車「アウトランダーPHEV」 三菱には、アウトランダーよりひと回り小さなクーペSUVスタイルの「エクリプスクロスPHEV]もある。PTは128PS/199Nmの2.4Lエンジンと前82PS/137Nm、後95PS/195Nmのモーターの組み合わせ。13.8kWhのバッテリーでEV走行距離57.3km、ハイブリッド燃料消費率は16.4km/L。価格(Pグレード)は451万円だ。 三菱自動車「エクリプスクロス」三菱自動車「エクリプスクロス」(こちらの画像は撮影:マイナビニュース編集部) ホンダのPHEVモデルはどうなった? ホンダのPHEVといえば、水素を使用する燃料電池自動車(FCEV)であり、内臓バッテリーを外部から充電できるPHEVでもあるという贅沢なPTを持つ「CR-V e:FCEV」がある。ただ、こちらは残念ながらリース販売のみで、価格は809.49万円と超高額。さすがに販売台数も極小レベルだ。 ホンダ「CR-V e:FCEV」ホンダ「CR-V e:FCEV」(こちらの写真は撮影:マイナビニュース編集部) 2026年2月には、もう少し大きなホンダSUVモデルが欲しい、という声に応じて、日本でも6代目CR-Vの一般販売モデルが登場する予定だが、日本仕様は2.0Lエンジン&2モーターのHEVモデルだけになる模様。海外仕様にはEV走行距離80kmのPHEVモデルがあるようだが、日本に入れるつもりは現時点でないらしい。 マツダにはあってスバルにはない マツダには、同社が誇るロータリーエンジンを発電機として使用する超ユニークなPHEVモデル「MX-30 ロータリーEV」がある。コンパクトな発電ユニットとして新開発したシングルローターの8C型エンジンは72PS/112Nmを発生。駆動ユニットは170PS/260Nmを発生するモーターが担当する。バッテリー容量は17.8kWhでEV走行距離は107km、ハイブリッド燃料消費率は15.4km/L。価格は491.7万円(エディションR)だ。 マツダ「MX-30 ロータリーEV」 マツダ「MX-30 ロータリーEV」 マツダ「MX-30 ロータリーEV」 マツダ「MX-30 ロータリーEV」 マツダ「MX-30 ロータリーEV」 マツダ「MX-30 ロータリーEV」 マツダ「MX-30 ロータリーEV」マツダ「MX-30 ロータリーEV」 ラージ商品群の「CX-60」「CX-80」にもPHEVモデルがある。PTは188PS/250Nmの2.5Lエンジンとトルコンレス8速ATの間に175PS/270Nmのモーターを挟み込んだもので、システム最高出力327PS、同最大トルク500Nmを発生。0-100km/h加速はCX-60が5.8秒、CX-80は6.8秒という快速モデルに仕上がっている。17.8kWhのバッテリーでEV走行距離は75kmと67km、ハイブリッド燃料消費率は14.6km/Lと12.9km/L。価格は646.25万円と712.25万円(いずれもプレミアムスポーツグレード)だ。 マツダ「CX-80」 マツダ「CX-80」 マツダ「CX-80」 マツダ「CX-80」 マツダ「CX-80」 マツダ「CX-80」 マツダ「CX-80」マツダ「CX-80」 一方で、水平対向エンジンを主体としてクルマ作りを行なうスバルにPHEVモデルはない。ただ、最近登場したストロンハイブリッドモデルによって、スバルの弱点だった燃費データを改善することができ、好調な売れ行きを示しているようだ。また、ダイハツ工業やスズキについても、PHEVモデルが大きくて高額なモデルになりやすいことから自社ユーザーに適さないとして、搭載モデルは存在していない。 同じPHEVでもメーカーごとに違いはある? 世界に誇るハイブリッドシステム「THSⅡ」をベースにしたPHEVを搭載するのがトヨタの各モデル。エンジンとモーターを効率よく使い分ける高い燃費性能が特徴で、航続距離が長く経済的。走りはスムーズで使いやすいシステムになっている。クラウン以外は急速充電に対応しておらず、普通充電だけしかできない車種が多いのには注意だ。 三菱のPHEVは、アウトランダーの項目でも述べたが、強力なモーターとS-AWC技術をいかした圧倒的な走行性能が特徴。通常時はモーター駆動がメインのシリーズ走行を行い、電気自動車らしさが味わえる。急速充電やV2Hにも対応。一方、経済性ではトヨタに分がある。 マツダのPHEVは、発電専用としてロータリーエンジンを使用したり、搭載モデルがFRプラットフォームだったりとどれも個性的。走行性能が高く、内外装の質感が高いというこだわりもある。 同じPHEVでも、メーカーごとに個性があって、色々選べるのが国産モデルの良いところ、というのが結論だ。 原アキラ 原アキラ はらあきら この著者の記事一覧はこちら ;;link;https://news.mynavi.jp/premium/article/20260127-phev/ https://news.mynavi.jp/premium/article/20251223-sealion6-outlander/ https://news.mynavi.jp/premium/article/20250313-crown-estate/ https://news.mynavi.jp/premium/article/20250521-rav4/