トヨタ、新型「ランドクルーザー“FJ”」世界初公開 ランクルも群でグローバル展開、日本発売は2026年の年央予定トヨタ自動車は10月21日、新型「ランドクルーザー“FJ”」(以下、ランクルFJ)を世界初公開した。ランクルFJはグローバルモデルとなり、日本での発売は2026年の年央を予定している。 トヨタ ランドクルーザーは、トヨタBJ型として1951年に誕生。世界中のお客さまに育てられ・鍛えられることで、「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」として信頼性・耐久性・悪路走破性の継承と進化を続けながら、現在までに190を超える国と地域で、累計1215万台のランクル(レクサス LX GXを含む)が人々の命や暮らしを支えてきているというクルマ。トヨタの信頼性、耐久性を世界で実証してきておりトヨタブランドを象徴するモデルとなっている。 新型「ランドクルーザー“FJ”」現在、ランクルはフラグシップとして進化を担うステーションワゴン「300シリーズ」、高い耐久性と整備性でワークホースを担うヘビーデューティモデル「70シリーズ」、質実剛健を追求し、お客さまの生活と実用を支えるという原点に回帰し2024年に誕生したランクルの中核モデル「250シリーズ」の3シリーズを展開している。 新しく加わったランクルFJは、人々の生活を支える「信頼性・耐久性・悪路走破性」に、自分らしく楽しむ自由「Freedom&Joy」という新たな価値を提供していくという。 新型「ランドクルーザー“FJ”」のサイドシルエット。リアは絞り込まれており、空力面への配慮が行なわれている信頼のIMVシャシーを採用した扱いやすいランクルFJ ランドクルーザーらしい無骨なフロントグリル。バンパーまわりは別体式となっており、破損時の部品交換コストを下げているランクルFJの主要諸元は、ボディサイズは4575×1855×1960mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2580mm。同じ2.7リッターガソリンエンジンを搭載するランクル250 VXが4925×1980×1925mmのため、全長×全幅が一回りコンパクトでありながら全高は高いなど、「サイコロをモチーフとした直方体ボディと角をそぎ落とした面取り構成」のデザイン。ランクル250のホイールベースは2850mmのため、ランクルFJは270mmショートのホイールベースとなる。 これにより、ランクルFJは最小回転半径は5.5mを実現。ランクル250の6.0mと比べて取り回しのよさを実現している。 リアテールランプランクルという名前には、信頼性・耐久性・悪路走破性の実現が求められるが、ランクルFJではシャシーにIMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle)を採用することで、これらの期待を実現、IMVは「需要のある地域で生産」の方針のもと、グローバルで効率的な生産・供給体制の構築を目指して開発された車両で、ピックアップトラック(ハイラックス)3車型、ミニバン(イノーバ)、SUV(フォーチュナー)、そして新たに加わったトラックのIMV0がある。 シャシーはラダーフレームシャシーで、3085mmのロングホイールベースと、2750mmのショートホイールベースを生産。タイやインドネシアで生産されており、現地の生活に根付いたクルマとして活躍している。 ランクルFJでは、このIMVシャシーを採用しながら、最も短い2580mmのホイールベースを採用。このホイールベースはランクルFJのために新たに開発され、塊感のあるランクルFJらしいスタイリングを成立させている。 生産は、IMVの生産国の一つであるタイのバンポー工場が担う。 ランクルFJのコクピット。デジタルメーターなどを備える最新のものステアリングまわり。スイッチ類も操作しやすいハードスイッチを備えるメーターパネルパートタイム4WDの駆動方式切り替えダイヤル。リアデフロック機構も備えるオーディオのON/OFFやボリューム操作もハードスイッチで、スイッチ&ダイヤルを備える前席後席フロントドアパワーウィンドウスイッチ前席にUSB-C端子、後席にDC12Vソケットを備えるリアラゲッジルーム後席を倒したところリアドアは片開き式ダンパーも備える搭載エンジンはランクル250と同じ2.7リッターガソリン、車重は約200kgほど軽く ランクルFJに搭載される2TR-FE型 直列4気筒2.7リッターガソリンエンジン。チューニングは異なるが、最高出力は120kW、最大トルクは246Nmとランクル250と同様の出力表記このランクルFJに搭載するエンジンは、「2TR-FE型」直列4気筒2.7リッターガソリンエンジン。最高出力は120kW、最大トルクは246Nmと、ランクルFJ用に調整が行なわれているが、ランクル250と同スペックのエンジンを持つ。 車重は未発表だが、ランクル250より約200kg軽いとのこと。ランクル250が2240kgのため、2040kgほどといったところだろうか。 駆動システムは、パートタイム4WDシステム。H2、H4、L4の2WD、4WD切り替え機構を備え、リアデフロック機能も持つ。トランスミッションは6速ATの6 Super ECTのみを用意する。 燃費などは発表されていないが、ランクル250と同様のパワートレーンを約200kg軽いシャシー&ボディに搭載することから、ランクル250よりもよく、動力性能に優れることが予想される。 安全装備は、TSS(Toyota Safety Sense)3を搭載。パーキングブレーキは手引きの機械式のため、電動パーキングブレーキとは異なるため渋滞時停止保持機能などに一部制約があると思われるが、プリクラッシュセーフティなどを持つ最新のADAS(Advanced Driver Assistance Systems)を装備する。 デパーチャーアングルなどは未発表だが、フロント30度程度、リア20何度程度のランクルらしい配慮は行なわれているという。 今後、カスタマイズ仕様などの導入を予定しており、海外カスタマイズ仕様として丸目のランクルFJの展示も行なわれていた。 ランクル300やランクル250は、TNGAのGA-Fラダーフレームプラットフォーム。ランクル70では歴代のランクルと同様のラダーフレームが採用されているが、ランクルFJでは荒れた道路の多い新興国での実績を持つIMVフレームシャシーを採用。そのためサスペンション形式は、フロントがダブルウイッシュボーン式、リアがトレーリングリンク車軸式となっており、メンテナンス性・信頼性に優れる。このIMVシャシーは、世界的にはカスタマイズパーツも多く、ランクルならではのカスタマイズといった発展性への期待も高い。 フロントサスペンションは、ダブルウイッシュボーン式リアサスペンションは、トレーリングリンク車軸式気になる価格については、ランクル250よりアフォーダブルなものとのことで、ランクル VXの545万円とどのくらい異なるのかが、正式販売時の注目の点となるだろう。IMVシャシーを採用したランクルFJは、前述のタイ バンポー工場からの輸入車となる。ランクルシリーズは高い人気を持つことから、常に供給状況が逼迫したものとなっているが、年間販売台数がトヨタの中でも格段に多いIMVとなることからその点での改善も期待される。 この新型ランドクルーザーFJは、ジャパンモビリティショー2025のトヨタブースに展示される。 海外カスタマイズ仕様として展示された丸目のモデルサイドシルエットリアまわりフロントグリルシュノーケル例サイドステップアルミホイールラゲッジルーム積載例リアドアユーティリティラックリアバンパーカスタマイズ新型ランドクルーザーFJを加えた、ランドクルーザー300、250、70。ランドクルーザーも群で商品を展開していく