ジャパンモビリティショー2025で初公開された「MAZDA VISION X-COMPACT」は、次世代のマツダ2やCX-3を示唆する重要なコンセプトモデルです。小さなボディにマツダらしい伸びやかな造形をまとい、人に寄り添う新しいユーザー体験も提案するなど、マツダの「次の一手」を明確に感じさせる一台でした。 ■「親友のようなクルマ」というマツダの新境地ジャパンモビリティショー2025においてマツダが掲げたテーマは「走る歓びは、地球を笑顔にする」。このテーマを体現するコンセプトモデルとして披露されたコンセプトモデルのひとつが、人とクルマの関係性の進化を象徴するという「VISION X-COMPACT」です。Yahoo! 配信用パラグラフ分割 MAZDA VISION X-COMPACT。大径タイヤと短い全長のバランスが、独特の存在感を生み出している 人の感覚をデジタル化したという「人体・感性モデル」とAIを組み合わせることで、クルマがドライバーの状況を理解し、運転以外の部分でもサポートするという新しいアプローチが取り入れられており、たとえば、照明の色や外気の取り込みによってドライバーの気分を整えたり、気分に合わせた行き先を提案したりと、クルマが主体的にユーザーに働きかける存在を目指しているとのこと。自分を理解してくれる安心感や、前向きな気持ちを後押しする存在としてクルマと向き合えるようになれば、ユーザーにとってクルマは「親友」のような存在になる。まさに「クルマを相棒に」という提案です。Yahoo! 配信用パラグラフ分割 丸みを帯びたリアデザイン、特徴的なテールランプが印象的な仕上がりだ ■全長3.8mとは思えない迫力! 小さくてもグッとくるプロポーションそんなVISION X-COMPACTのボディサイズは、全長3825mm×全幅1795mm×全高1470mm。現行の「マツダ2」(4080mm×1695mm×1525mm)よりも全長が短く、欧州Aセグメントに近い寸法ながら、全幅は1.8m近くあり、張り出したフェンダーやシンプルなグリルレスデザイン、大径タイヤの組み合わせによって、サイズ以上の存在感があります。Yahoo! 配信用パラグラフ分割 視野を妨げないシンプルなインテリア。スマホが主要デバイスになる設計だ フロントは発光ロゴとシャープなヘッドライトによるシャープな表情が印象的で、リアにかけて滑らかに丸みを帯びたルーフラインのシルエットも非常に魅力的。メッシュ模様を組み合わせた専用デザインのホイールもお洒落で、デジタルアウターミラーなどの最新技術も自然に溶け込んでいます。インテリアは、「運転に集中できる空間」として、徹底したミニマル構成が採用されています。Dシェイプステアリングや小型の円形メーターのほかは、スマホを設置するスペースのみという必要最小限の構成。昨今の新型車ではもはや必須装備となっている大型のセンターディスプレイをあえて採用しないのは、運転への没入感を高めるためだそう。ドライバーがクルマと向き合い、思う存分カスタマイズほしいとの考えから、あえてシンプルにしているそうです。また、外板色が室内のラインに入り込む造形によって、外と内が連続して見えるデザインも特徴です。コンパクトでありながら、室内に広がりを感じさせる工夫が見られました。 ■いよいよ動き出す次期マツダ2とCX-3 どこまで反映されるか!??マツダはここ数年、CX-60やCX-80、そして欧州市場で2025年末から販売開始となる新型CX-5など、SUVラインナップの強化が続いていましたが、今回のVISION X-COMPACTの登場は、今後マツダがいよいよ次世代のコンパクトモデルに力を入れていくという姿勢の表れとみてよいでしょう。Yahoo! 配信用パラグラフ分割 コンパクトながら十分なスペースが確保されている後席エリア。室内を外板色が貫通するデザインも、鮮やかでスタイリッシュだ 現行マツダ2は、「デミオ」と名乗っていた時代から数えて、すでに10年以上が経過したモデルです。VISION X-COMPACTで示された外観デザイン、運転への没入感を重視したインテリア、AIを活用した新しいユーザー体験などが次期マツダ2やそれをベースとする次期CX-3にどれだけ反映されるかは非常に興味深いところ。はたして今回の提案が実際のプロダクトへどのように落とし込まれるのか。マツダの次世代コンパクトの動向に引き続き注目です。Text:吉川賢一 Photo:MAZDA