自工会が2026年3月度の会見を実施 産業全体で協調し国際競争力の強化目指す 日本自動車工業会(自工会/JAMA)は2026年3月19日、「2026年3月度の記者会見」を行った。 会見には、佐藤恒治会長(トヨタ自動車)に加え、片山正則氏(いすゞ自動車)と鈴木俊宏氏(スズキ)、イヴァン・エスピノーサ氏(日産自動車)、三部敏宏氏(本田技研工業)、設楽元文氏(ヤマハ発動機)、松永 明氏(自工会)の、6人の副会長が出席。2025年12月に立ち上がった新体制による、初の会見として開催された。 代表あいさつには佐藤会長が立ち、「これまで自工会は、業界団体ということで『各社が取り組んでいる共通の話題』を扱うという流れだったが、これからは『産業として協調すべき領域』を意志をもって積極的につくっていく」とコメント。「そのための取り組みを加速させていきたい」と語気を強めた。 佐藤会長によれば、先ごろ行われた春の労使交渉においても「産業全体の競争力を上げることの重要性」は大いに議論されており、自工会としても、日本の国際競争力を高い水準にキープしていくべく注力するとのこと。 今後は、新体制発足時に定めた新たな“7つの課題”(重要資源・部品の安全保障/マルチパスウェイの社会実装/サーキュラーエコノミーの仕組みづくり/人材基盤の強化/自動運転を前提とした交通システム確立/自動車関連税制 抜本改革/サプライチェーン全体での競争力向上)に、以下の3つの思いを込めて取り組んでいくという。 (1)「出口が見えるようにすること」を意識して取り組む 単に「自動車産業の発展」だけではなく、「どんな社会を実現できるのか」をゴールに見据え、自動車産業外の仲間をつくる。 (2)ゴールを“社会実装”におく 議論ばかりを進めるのではなく、大きく掲げたテーマを実社会への実装にまでもっていくことが大事。 (3)多様性を強みに変えていく 日本の自工会は他国の組織と比べても独特であり、多様性に富む。それを日本の勝ち筋につながる資質ととらえて、最大限に生かす。 一方、会見に臨んだ記者団からは、“新7つの課題”の解決には難点があるか? という質問があがった。 これには鈴木副会長が「(自工会単独でどう取り組んでいくかという従来のやり方とは異なり)他産業を巻き込んでどうやるのかという議論ができるようになっている。政府を含む関連団体とともに進めていけるという手ごたえはある」などと返答。 さらに三部副会長が、「グローバルな競争はし烈さを増すばかりで日本自動車界はその瀬戸際にいる。いかにスピード感をもって取り組めるかがキーであり、メーカーとサプライヤーからなる縦割り環境や、従来の競争領域・協調領域にとらわれることなく、新たに競争力を磨いていくことが重要な課題だと認識しているし、共有できている」と続けた。 世界中がかたずをのんで見守る中東の政情不安に関する質問には佐藤会長が応じたが、「同地域は、経済的には2.5兆円規模の影響力のある重要な市場。懸念しているのは何よりもまず人員の安全の確保で、次に問題となっているのが物流の遅延だ。材料では、アルミニウムの約7割を中東に頼っているため、現在は複数路での調達を検討している。資材の備蓄量は各社が把握しており、今後の情勢は中東での混乱がどれだけ長引くかによるが、影響の度合いについては現時点では明確に答えられない」と述べるにとどまった。 (webCG)