新型エルグランドに最速で乗った! 印象は? ついにジャパンモビリティショー2025で姿を現した待望の、本当に待望の日産新型「エルグランド」。 16年ぶりの、しかも知名度の高いモデルでもあるだけに筆者も期待せずにはいられない1台です。 そんな次期エルグランドの、開発中の試作車両に乗ることができたのでその印象をお伝えしましょう。ジャパンモビリティショー2025に世界初公開された新型「エルグランド」 最速で試乗してみた!【画像】超カッコイイ! これが「新型エルグランド」です! 画像を見る!(30枚以上) クルマの概要はすでにほかの記事で紹介されているので早速インプレッションといきますが、まずは多くの人が注目しているアレに関して。 そうです「1.5リッターエンジンでしっかり加速するのか? 本当に大丈夫なの?」という心配です。 それはそうですよね。いくらシリーズハイブリッド(e-POWER)で「エンジンは発電機に過ぎない」といったって、ついつい排気量で判断してしまうのがクルマ好きの性(次期エルグランドは全車がハイブリッド)。 大型ミニバンで大きく車両重量も重いエルグランドが、本当に1.5Lしかない排気量のエンジンでしっかり走れるのかは気にならないわけがありません。 しかし結論からいえば、まったく問題なし。3人乗車で停止状態から、まずは走行モードを「スタンダード」にしてアクセル全開にしてみたところ、気持ちよく加速していきます。 スタンダードモードだとスムーズさを優先しているようですが、モーター駆動ならではの滑らかさとスーッと車速が上がっていく伸び感が印象的です。 このあたり、日産のe-POWERは他社のハイブリッドに対してアドバンテージを持っているのは相変わらずですね。クローズのテストコースで開発中の新型エルグランドに先行試乗! つぎは走行モード「スポーツ」にし、ほかは先ほどと同条件で発進全開加速。すると明らかにスタンダードよりも力強く、十分な加速力じゃないですか。筆者の心配は完全に杞憂に終わりました。 聞けば前後に搭載するモーター(新型エルグランドの4WDは前後ツインモーター)はなんと合計で500Nm以上のトルクを発生し、トルクウェイトレシオも0-100km/h加速も現行エルグランドのV6エンジン搭載4WDモデルを凌ぐとのこと。 あえて重箱の隅をつつけば「もうすこしグググッと前へ出ていく勢い感があればうれしい」と思ったりもしたのですが、車両はまだまだ開発途中段階のもの。 開発スタッフは「さらに制御を煮詰めていく」とのことなので、市販時のスポーツモードの加速はさらにエモーショナルな仕立てになると期待していいでしょう。 よくよく考えてみれば、セレナe-POWERのエンジン排気量は次期エルグランドよりも小さな1.4Lですが4WDモデルでも「力が足りない」という声は聞かれません。 e-POWERのようなシリーズハイブリッドだと最終的にここ一発の加速力を決めるのはモーターの能力次第となるので、エンジン排気量が加速を決めるわけではないということは理解しておく必要があるでしょう。 今回の試乗ステージは平たんなテストコースだったので登り坂は試せませんでしたが、中間加速なども全く不満を覚えなかったことはお伝えしておきましょう。 ところで次期エルグランドに曲がる喜びはあるのでしょうか。 現行エルグランドが「運転して楽しいミニバン」だったこともあり、そこが気になる人も多いでしょう。「答えはもちろんYES!」 今回の試乗コースはあえて荒らした路面のワインディング路でしたが、まず感じたのは不安感がまるでないということ。 こういう重くて背の高いミニバンの場合はペースを上げて走ると、ややもすると旋回中のロールや路面の凹凸によって接地感が抜けて不安な気持ちになりしますが、新型エルグランドはその躾がとてもいい。 そのうえ車体やサスペンションがしっかりしているおかげで舵の正確性(ハンドル操作に応じてしっかりと曲がってくれる感覚)が高く、安心して曲がることができる。気が付けばペースを上げてコーナーを楽しんでいる自分がいたのはここだけの内緒です。 そして気持ちよかったのが、深い回り込むコーナーの立ち上がりに向けてのアクセルオン。 ハンドルを切った状態でアクセルを踏み込んでも、アンダーステア(思い描くよりも曲がらず走行ラインが外側へ膨らんでしまう現象)が顔を出さないのです。まるで後輪駆動車のように。 理由は前後のトルク配分にもありました。次期エルグランドは前後にモーターを配置するツインモーターの4WD(しかもセレナなどに比べてリヤモーターが大型化されている)ですが、旋回中は後輪が発生するトルクを意図的に増やすことで「しっかりと曲がるハンドリング」をアシストしているのです。 だからコーナーを駆けぬけるのが気持ちいい。はやくワインディングロードを楽しんでみたいという気持ちにさせてくれるミニバンなのです。 ところで、新型エルグランドの概要を知って筆者が驚いたのは日産のハイテクデバイスがてんこ盛りだということ。 エンジンからすべてが刷新された「第3世代のe-POWER」は国内展開初搭載だし、駆動システムは巧みなトルク配分とブレーキの協調制御により旋回特性までコントロールする前後モーター式の4WD「e-4ORCE(イーフォース)」。ドライブモードはセンターコンソールにあるスイッチで変更する 同システムには新たに走行モードごとにトルク制御とブレーキ制御を切り替えるロジックも採用されています。 さらに電子制御減衰力調整式のダンパーも採用。もちろん高速道路において全車速域でハンズオフ(手放し運転)を実現する「プロパイロット2.0」の設定もあります。 ちなみにドライブモードは「スタンダード」「コンフォート」「スポーツ」「エコ」「スノー」そして任意に設定できる「パーソナル」の6タイプ。 今回の試乗は「スタンダード」「コンフォート」「スポーツ」を切り替えながら走ってみましたが、モードによって“キャラ変度”が高いのも印象的でした(サスペンション設定だけでなく4WDやブレーキ制御も切り替わる)。 スポーツモードで運転が楽しいのは、コンフォートにすれば同乗者にやさしい乗り味になる電子制御ダンパーが果たす役割も大きいと言っていいでしょう。 サスペンション設定まで変わるドライブモード切り替えのおかげで、大型ミニバンながらここまで楽しい操縦性を実現しているのです。 新型エルグランドを開発するにあたってコンセプトとしたのは「運転している人も楽しく快適に。遠出したくなるクルマ」。 もちろんその前提に後席の快適性があるのは言うまでもありませんが、加えてドライバーが運転を楽しめるミニバンという価値はしっかりと継承されていることが、開発車両の試乗を通してしっかりと理解できました。【画像】超カッコイイ! これが「新型エルグランド」です! 画像を見る!232万円! 日産「新コンパクトカー」発表! 最も低燃費な「リッター28キロ超え」&豊富なボディカラーがイイ! “静粛性”や安全機能も魅力のシンプル仕様! 「ノート X」最安モデルとは?日産がJMS2025で初公開する新型「セダン」に大反響! 「250万円は破格」の意見も? 「フーガ」級の全長4.9mボディ&低いルーフでも“室内広々”! クーペ風なN7が話題に