日本自動車史において重要な、1980年代から1990年代のスポーツモデルを「その時代における存在意義」で現行車と比較勝負!! ここでは日産を代表するスポーツモデル2車種、フェアレディZとスカイラインの新旧対決をご覧いただこう!!※本稿は2025年10月のものです文:国沢光宏、清水草一/写真:日産、ベストカー編集部初出:『ベストカー』2025年11月10日号※各車の諸元データは代表的なグレードのものです【画像ギャラリー】これが1989年組の底力だ!! 日産 フェアレディZ&日産 スカイラインそれぞれの新旧モデルを比較(16枚)現行型日産 フェアレディZ vs Z32型日産 フェアレディZ日産 フェアレディZ(現行型・2022年登場)。全長4380×全幅1845×全高1315mm、車重1590kg、3L・V6ターボ(405ps/48.4kgm) Z32フェアレディは名車だと思う。NAの300ZXでアメリカSCCAのショールームストックカーレースを1シーズン戦ったのだけれど、ノーマルのサスペンションながら素晴らしいポテンシャルを発揮してくれた。 なかでも強烈だったのがコーナリング性能。Z32よりさらにワイドなボディに太いタイヤを履くカマロのZ28をコーナーで追いまくれたほど(NAは230psだったので直線は負けた)。日産 フェアレディZ(Z32型・1989年登場)。全長4310×全幅1790×全高1245mm、車重1520kg、3L・V6ターボ(280ps/39.6kgm) 片や現行フェアレディときたら「スポーツカーの皮を被った直線番長」である。期待して乗るとガッカリするほど厳しい。今の日産に901運動の名残はなくなってしまった。Z32の勝ちです。(TEXT/国沢光宏)●結果:Z32型日産 フェアレディZの勝利……サスが素晴らしかった! Z32型のZは名車だ!!現行型日産 スカイライン400R vs R32型日産 スカイラインGTS-t(セダン)日産 スカイライン400R(現行型・2019年登場)。全長4810×全幅1820×全高1440mm、車重1760kg、3L・V6ターボ(405ps/48.4kgm)/スポーツセダンらしい走りを実現 そもそも、現行スカイライン400Rの存在感がどれほどのものかというと、そんなに強烈とはいえない。 中身は凄いっちゃ凄いけど、なにしろベースが古くて、デザイン的にも世の中的にもあんまり魅力がない。「うおお、400R!」みたいな感覚は、一部カーマニアにしか通じない。日産 スカイラインGTS-t(R32型・1989年登場)。全長4580×全幅1695×全高1340mm、車重1290kg、2L直6ターボ(215ps/27.0kgm) 対するR32型のGTS-tは、GT-Rの陰に隠れたとはいえ、非常によくできたFRのスポーツモデル。 MTも当然あったわけで、当時のスポーツカー熱を考えると、そりゃもう現行400Rの100倍くらいは存在感があった。性能はもちろん現行のほうが全然上だけど、比較になりません。(TEXT/清水草一)●結果:R32型日産 スカイラインGTS-tの勝利……R32は400Rの100倍くらい存在感あり!