キハ40系 2024年08月13日撮影JR四国は2025年12月10日、新型ハイブリッド式ローカル車両3600系の量産先行車が完成したと発表しました。3600系は、現在徳島地区で活躍するキハ40系列(キハ40形・キハ47形)を置き換える目的で導入され、安全性や信頼性を高めつつ、環境負荷を抑えた次世代ローカル車両です。2026年1月から性能確認試験を開始し、2026年6月の営業運転開始を目指して教育・訓練を実施する予定。量産車は2027年度から順次導入され、量産先行車を含めて計35編成(70両)が製造されます。 【関連記事:JR四国の新ハイブリッド車両「3600系」、量産先行車が完成 26年6月デビュー目指す】 3600系の導入によって、現在徳島地区で活躍するキハ40系列の車両は置き換えられる予定。四国に残る最後の「ヨンマル」も、引退の時が刻一刻と迫っています。そこで今回は、徳島地区で活躍するキハ40系列の今についてご紹介します。 ◾️気動車王国・徳島に残る「四国最後のキハ40」 現在徳島地区には、キハ40形8両とキハ47形10両の18両が在籍。いずれも暖地形の車両で、キハ40は2000番台、キハ47は0番台と1000番台の車両です。四国のキハ40は、その多くが白地に水色の「四国色」の塗装を採用。「キハ47 114」「キハ47 1086」の2両は朱色一色のカラーリングである「首都圏色(タラコ色)」の車両です。 キハ40系 2025年08月14日撮影 ©レイルラボ ユーキさん 徳島のキハ40は高徳線、鳴門線、牟岐線などで運用されており、朝夕時間帯には3両での運用も設定されています。中でも見所は、8月に開催される「阿波おどり」に合わせて実施される増結運用。通常は2両や3両での運行が多い中、「阿波おどり」開催期間中の日中に4両での姿を目にすることができます。 キハ40系 2024年08月13日撮影 ©レイルラボ ひすい法師さん ◾️“あの頃の音と香り”をとどめる 今や希少な「四国のヨンマル」の特徴とは? 全国で数を減らしつつあるキハ40系ですが、中でもJR四国の車両はその「心臓」であるエンジンが特徴。現在も、原型エンジンである「DMF15HSA」を使用しています。そもそもキハ40は、車両重量に対しエンジン出力が小さく「DMF15HSA」では出力不足に。勾配線区などでは特に非力だったことから、分割民営化後には各社がより高出力なエンジンへ換装してきた経緯があります。 しかし、JR四国ではオリジナルのエンジンのまま運用。勾配線区が少ないことや経営基盤の課題などが影響していると見られ、2025年現在では唯一、登場時から変わらない重厚なエンジン音を堪能することができます。原型のエンジンは出力が小さいことから、加速などもゆっくりで、ボックスシート主体の内装とともに、車窓や音などをのんびりと楽しむことができます。 キハ40系 2024年08月01日撮影 ©レイルラボ papaさん 以上、引退迫る「四国最後のヨンマル」こと、徳島地区のキハ40系列の車両をご紹介しました。後継の3600系は、2026年6月に営業運転を開始する予定。夏の風物詩である「阿波おどり」増結も、来年は消滅する可能性があります。本格導入による置き換えが進む前に、「四国のヨンマル」の旅を堪能してみてはいかがでしょうか。