公道走れちゃうの!? トヨタが本気で作った! GRスープラ A90 Final Editionがガチなクルマだった件
メーカーが本気で作るとこうなる!! トヨタ GRスープラ A90 Final Editionを試す!!
2019年、A80型の生産終了から17年ぶりに復活したスープラは、地道な改良で動力性能や操縦性能が進化。そして2025年春、標準モデルであるRZの改良とともに『A90 Final Edition』と銘打ったスペシャルモデルが登場した!!
※本稿は2025年3月のものです
文:大井貴之/写真:奥隅圭之、トヨタ
初出:『ベストカー』2025年4月26日号
トヨタ GRスープラ「A90 Final Edition」。グローバル300台限定販売。価格は1500万円!
【画像ギャラリー】掉尾を飾るにふさわしい会心の一台!! トヨタ GRスープラ“A90 Final Edition”でトヨタの本気を思い知れ!!(38枚)
GT4レーシングマシンのDNA
トヨタ GRスープラ「A90 Final Edition」。グローバル300台限定販売。価格は1500万円!
トヨタ GRスープラ「A90 Final Edition」。グローバル300台限定販売。価格は1500万円!
ついに登場したGRスープラ『A90ファイナルエディション』。失礼ながらワタクシ大井貴之、ちょっと……否、かなり見くびってました。高価なパーツてんこ盛りのカタログチューンじゃないの? なんてね。
しかし、このA90ファイナルエディション、想像を遥かに超える“ガチ”なクルマだった。
試乗したのは袖ヶ浦フォレストレースウェイ。全長2.4km。筑波サーキットよりちょっと長い程度だが、アップダウンに富んだコースはパワーだけでは速く走れないレイアウト。
しかも開業から16年経ってギャップやうねりが少しずつ増えてきているから今回のようなインプレッションにはバッチリなコンディションなのだ。
ピットで静かにスタートを待つファイナルエディション。専用色のマットステルスブラックに塗装されたボディは迫力満点。
BBS製のアルミホイールもブラック塗装なので、ホイールサイズギリギリの大径ドリルドローターと真っ赤なブレンボキャリパーが映える! ドライカーボン製リップスポイラーやウイングが目立ち過ぎないところも大人カッコいい。
吸排気系の効率アップとエンジン制御の最適化によって最高出力は387psから441ps、最大トルクも51.0kgmから58.2kgmへと大幅に出力アップされたスペシャルスペックのエンジンは、排気量が上がったような力強さ。澱みなく高回転へと伸びていく加速フィールは爽快そのもの。
しかもそのサウンドが素晴らしい! シルキーなストレート6にアクラポヴィッチ製のチタンマフラーが奏でる乾いたサウンドは決して爆音ではない快音。車内音も車外音も快音なところが素晴らしい。
この出力アップに対し、サブラジエターの追加、ラジエター冷却ファンの大型化、そしてオイルパンには高Gに耐えるためのバッフルプレートが追加されている。ちなみにデフケースには冷却用の大型フィンが追加されているなど、今までに類を見ないレベルのガチ度合い。
あまりに“ガチ”な走りに脱帽!
リアサブフレーム取り付け点をアルミリジッド化、各部ブッシュの強化するなど、シャシー剛性を徹底的に高め、GT4マシンなみの操縦性を発揮
リアサブフレーム取り付け点をアルミリジッド化、各部ブッシュの強化するなど、シャシー剛性を徹底的に高め、GT4マシンなみの操縦性を発揮
何よりも驚いたのがそのハンドリングだ。スプリングはアイバッハ製でレートはベース車の約2倍。スタビは前後とも強化され、ダンパーはスープラのGT4マシンと同じKW製。
レース用とは違うタイプだが伸び側16段階、縮み側12段階の減衰調整が可能な2way(別タンなし)タイプで車高調整のためのネジも切ってあるいわゆる車高調。キャンバー調整が可能なピロアッパー付きだ。
それだけじゃない。コンプライアンスを持つブッシュ類はしっかり強化されたどころか、リアサブフレームはリジットマウント! 補強のためのブレースは増えていたり、強固なパーツに置き換えられていたりする。室内にはロールケージの一部としか思えないラゲージクロスバーが装着される。
それらの効果は絶大で、ハードなブレーキングからターンインするコーナーだろうが、路面のうねりがヤバい高速コーナーだろうが、ノーズの入りも立ち上がりのトラクションも申し分なし。狙ったラインを外さず忠実にトレースしてくれる。
ボディ剛性が別物レベルに凄い。以前FSWで走らせたスープラのGT4レーシングマシンにとても近いテイスト。まさかここまでやってくるとは。このクルマ、本気で走らせる人以外には買ってほしくない!!
●A90 Final Editionはここが凄い!
・吸気経路の見直し、低排圧触媒の採用により圧力損失を低減。エンジン制御の見直しにより+54ps、+7.2kgmのパワーアップ
・オイルパンにバッフルプレート追加
・アクティブディファレンシャルの制御最適化によりハンドリングの改善
・フロントブレーキをブレンボ製19インチ大型キャリパーとするとともに、大径395mmのフローティングドリルドディスク採用
・リアブレーキをフローティングドリルドディスク化
・KW製サスペンション採用。伸び側16段、縮み側12段の減衰力調整
・前後スタビ強化
・フロントロアアームに強化ブッシュ、コントロールアームにピロボールジョイント採用。リアサブフレームをGT4同様のアルミリジッドマウント化
・フロントカウルブレース強化、フロント床下ブレース、リア床下ブレース追加。リア床下ブレース構造強化、強化ラゲージクロスバー追加
・前後キャンバー角の見直し
・タイヤサイズは前後ともに10mmワイド化
・カーボンフロントスポイラー、フロントカナード、フロントセンターフラップ採用。カーボンボンネットダクト追加。スワンネック構造リアウイング装着
・レカロ製カーボンフルバケットシート採用
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