03/10/2025 · 8 時間前

使わなきゃ損!! クルマの維持費をぐっと下げる注目テクノロジー5選

 ガソリン税は高止まりのまま、新たに走行距離税の導入が検討されるなど、ドライバーにとっては厳しい状況が続いている。そんな時代に少しでも燃料代を安くして、さらに車両の維持費を抑えるにはどんな手段があるだろうか? 愛車の維持費低減と省燃費に役立つ装備をチェックしてみたい。

【画像ギャラリー】維持費を削減したい人必見!! (5枚)

文:鈴木喜生/写真:ホンダ、写真AC、Adobe Stock、アイキャッチ画像/和久 澤田@Adobe Stock

燃費も寿命も守る! 空気圧監視で賢くドライブ「タイヤ空気圧モニタリングシステム」

TPMSは「タイヤ空気圧監視システム」とも呼ばれ、タイヤの空気圧や温度を監視し、異常を検出するとドライバーに知らせるシステムだ(trongnguyen@Adobe Stock)

 燃費を抑えるためにぜひ活用したいのが「タイヤ空気圧モニタリングシステム」、通称「TPMS」(Tire Pressure Monitoring System)だ。

 アメリカと欧州ではTPMSの搭載が法律で義務化され、ほぼすべての新車に標準搭載されているが、日本では法的に義務化されていない。そのため標準装備されているのは上位モデルやスポーツカー、一部の電動車やSUVに限られている。

 ただし、カー用品店やネットショップでも販売されており、後付けも可能だ。

 省エネルギーセンター(ECCJ)が行った調査(2000ccクラスセダン)によると、タイヤ空気圧が適正値より50kPa低下した場合、市街地で2.5%、郊外で4.3%、高速道路では4.8%も燃費が悪化するという。

 つまり、ガソリンが1リッター170円だとすれば、リッター当たり4.3円から8.2円もコストが増すことになる。

 タイヤの空気圧が低下すれば、タイヤと路面との接地面積が増え、転がり抵抗が大きくなる。これを避けるには定期的な空気圧チェックが必要だが、それをリアルタイムで監視し、適切な空気圧を常に維持してくれるのがTPMSだ。

 タイヤの空気圧が適正値で維持されれば燃費が向上するだけでなく、タイヤの摩耗やバーストのリスクが軽減され、タイヤ寿命が延び、結果的に大幅なコスト削減につながるだろう。

愛車の燃費も維持費も“見える化”「燃費計算アプリ」

人気アプリ「e燃費」の場合は手動入力がほぼ不要。給油レシートやオドメーターを撮影するだけで燃費管理に必要な情報がすべて取り込める

 利用者が急速に増えているのがスマートフォンを活用した「燃費計算アプリ」だ。

 使い方は簡単。リリースされている任意の燃費計算アプリをスマホにダウンロードして、プロフィールと車種情報を登録。あとは給油した際に、給油日、走行距離、給油量、支払額を入力するだけ。それらの推移や平均燃費がグラフで表示される。レシートを撮影して取り込めば自動入力されるものもある。

 こうしたアプリにはスタンド情報なども記録される。また、アプリによっては同車種に乗る他のユーザーの燃費と比較することも可能だ。そうした情報を視覚的に把握することで、省燃費やエコドライブへの意識向上につながるだろう。

 昨今人気のアプリには多機能なものが多く、GPSと連動した地図上で最安値のガソリンスタンドを検索したり、営業時間を絞り込んで検索することもできる。

 また、愛車のオイルやタイヤの交換時期や、車検や自動車保険の更新時期を通知してくれるアラート機能が付属したものもある。こうしたアプリは車両管理とコスト削減にきっと役立つだろう。

進化するアシスト機能で省燃費を実現「エコドライブアシスト機能」

ホンダのインサイトには「エコロジカル・ドライブ・アシスト・システム」を2009年から搭載。CTVを協調制御する「ECONモード」、「コーチング機能」、「ティーチング機能」の3機能を備えた総合的なシステムは世界初とされた

 エコドライブアシスト機能とは、車両の走行状態をリアルタイムでドライバーにフィードバックし、急加速や急ブレーキを抑えた運転を促す機能のこと。

 その名称はメーカーによってさまざま。トヨタはエコドライブインジケーター、日産はエコモード、ホンダはECONモード、スバルはSI-DRIVE、マツダはi-DM、三菱はECOドライブアシストなどと呼称している。

 その判断は車載されたECU(電子制御ユニット)がすべて行ってくれる。スムーズな運転を心がけることで、結果的に燃料の消費量が減らせるわけだ。

 環境省のデータによると、発進時の5秒間で時速20kmを目安とした場合、燃費が10%ほど改善するという。また、そうしたエコドライブにおいては、ガソリン車のCO2排出が12%低減するというデータ(環境再生保全機構)もある。

 アクセル開度などがエコドライブの範囲内にある場合にはランプが点灯する。アクセル操作、エアコンの作動、トランスミッションの制御などの各システムを、燃費を重視したコンディションで最適化したり、運転の仕方を評価し、エコドライブの採点結果をメーター内に表示するなど、ティーチング機能を持つものもある。

 多くの車種ではスイッチでオン/オフを切り替えられるが、日常走行ではオンにしておくほうが燃費面で明らかにお得だ。

 オンの状態ではエンジンやトランスミッションの制御が穏やかになり、アクセル操作に対して加速感が抑えられるため、力強さを重視する場面ではやや物足りなさを感じるかもしれない。しかし、街乗りや渋滞路ではスムーズで扱いやすく、ガソリン代の節約効果も期待できる。

運転はラクに、燃料はしっかり節約! 「クルーズコントロール」

アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)はドライバーの負担を軽減するだけでなく、燃費を向上させる機能としても再認識されている

 かつて米国の上位モデルから普及したオートクルーズ機能は、走行中にボタンを押すとその速度が維持され、ドライバーはアクセルから足を離すことができ、ブレーキを踏むとそれが解除されるという機能だった。

 しかし、センサー精度が向上した近年では、前を走行する車両との車間距離もシステムが監視する「アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)」へと発展している。

 日本語では一般的に「追従機能付クルーズコントロール」と呼ばれることが多いが、トヨタやマツダではレーダー・クルーズ・コントロール、日産ではインテリジェント・クルーズ・コントロール(ProPILOT)、スバルではアイサイトとも呼称している。

 ACCはオン/オフ切替が可能で、必要に応じて解除できるが、高速道路や長距離走行ではオンにしておくほうがお得だ。車両に搭載された制御システムが加減速や車間距離を自動で調整しながら一定速度を維持するため、無駄な加減速が減り、燃費が向上するほか、運転の疲労も軽減される。

 JAFが行ったユーザーテストでは、高速道路でACCを使用した場合、未使用時と比べて燃費が最大12%向上したというデータもある。長距離ドライブになるほどその効果は顕著になるだろう。

まずはここから! 「エアコンを適切に使用」

燃費を悪くする代表的な原因がエアコン。内気循環モードを活用すれば、エンジンへの負担を減らせて省燃費につながる

 カーエアコン、特に冷房を使用すると、燃費が10%ほど悪化すると言われている。また、JAMA(日本自動車工業会)によると、エアコンの設定温度よりも風量のほうが燃費に大きく影響するとされるようだ。

 これはエアコンのコンプレッサーに必要な力をエンジンに頼っているため。その駆動によってエンジンパワーにおける補機駆動損失が発生し、その結果として燃費が悪化するわけだ。たかがエアコンといえど、そのパワーロスは想像するよりも大きい。

 とはいえ、暑い日にエアコンを使用しないわけにはいかない。その場合は、走り始めは窓を開けて車内を換気したり、温度設定を高くするなどの工夫が必要だろう。また、暑い外気を取り込む外気導入ではなく、車内の冷気を循環させる内気循環モードにするのが効果的だ。

省燃費のためのその他の工夫

 近年減少しつつあるが、アイドリングストップ機能も省燃費に役立つ機能といえる。特に信号停止が多い街乗りの場合には高い効果を発揮するだろう。

 また、車両の保全を考慮した場合には、オートライト(自動点灯ライト)も使用価値が高い。ライトの消し忘れがなくなればバッテリー負担が軽減され、電球の寿命を延ばせるからだ。

 愛車の燃費を向上させて維持費を削減するには、車載装備に頼る以外にも、点火プラグ、エンジンオイル、エアフィルターなどは定期的にチェックし、不要な荷物は降ろすことなどを心がけたいもの。そうした配慮を重ねることで、愛車のライフサイクルコストは大幅に安くなるだろう。

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