May 15, 2025 | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Izuru Endo illustration_Daijiro Ohara 1959年に英国の〈BMC〉が発表した《ミニ》は、小型車に革命を起こした世界有数の名車として、今なお高い評価を受けている。 ローバー ミニ 全長わずか3mという小さな車体に、大人4人が無理なく乗れる室内空間と、最低限のトランクを有する巧みなパッケージを特徴とした。車体の四隅に配置された小さなタイヤ、低く抑えられた全高も、当時では極めて斬新。独特のフォルムとデザインは、《ミニ》唯一といえるものだ。 そして《ミニ》といえば、大小の改良を受けながら2000年までの41年間をモデルチェンジなしで生産し続けたことも特筆に値する。販売ブランドはいくつかあり、デビュー当初は〈オースチン〉と〈モーリス〉を冠した。その後〈BL〉を経て最終的には〈ローバー〉で提供された。現在は《ミニ》の車名自体がブランド化され、ドイツの〈BMW〉が〈ローバー〉時代とは異なるモデルの生産を行っている。そのため1959年登場の《ミニ》を「クラシックミニ」と呼んで区別することもある。 撮影車のグレードは「メイフェア」で、名称はロンドン有数の高級住宅地から取られた。そのイメージに添い、本杢目パネルやハーフレザーのシートを有し、小型大衆車ながらもシックで高級感のある内装を誇る。 《ミニ》は、晩年にエアコンやエアバッグなども装備しており、1950年代生まれの「本物のクラシックデザイン」を、現代でも日常使いできるのは嬉しいところだ。 幅広のグリルと丸いヘッドライトは、普遍的なミニのアイコン。 ダッシュボードのパネルは本物の木材を使用。生産が長かったため晩年はエアバッグも装備する。 取材車は晩年の「メイフェア」。タータンチェックの布とベージュレザーのシックなシートを備える。 2BOXスタイルだがテールゲートは持たず、荷物は独立したトランクルームに収納。 country: UK year: 1959-2000 seats: 4 size: L3,055×W1,440×H1,330mm price: approx 2,000,000 yen special thanks to GATTINA(TEL 0466 33 1122) ※データと価格は、撮影車両を参考に算出したものです。 Casa BRUTUS 特別編集『時代を超えて愛される、デザインの良い車。』発売中!