ポルシェ、新型「911ターボS」「911ターボSカブリオレ」受注開始 専用のツインターボT-ハイブリッドは711PS発生
2025年9月8日 受注開始
911 ターボ S:3635万円
911 ターボ S カブリオレ:3941万円
新型「911 ターボ S」「911 ターボ S カブリオレ」の予約受注開始
ポルシェジャパンは9月8日、新型「911 ターボ S」「911 ターボ S カブリオレ」の予約受注を開始した。価格は911 ターボ Sが3635万円、911 ターボ S カブリオレが3941万円。
ミュンヘンで開催されるモーターショー「IAAモビリティ」で発表される、911シリーズのトップモデル。523kW(711PS)の4WDスポーツカーはこれまで市販された911の中でもっともパワフルなモデルとしており、卓越したパフォーマンスと高級感、長距離走行時の快適性、日常の使いやすさを兼ね備えたという。
新型「911ターボS」(左)と「911ターボSカブリオレ」(右)
ツインターボパワートレーンであるT-ハイブリッド技術を採用し、最高出力は523kW(711PS)、最大トルクは800Nmで、2300-6000rpmという広い回転域で発揮される。現行型911 カレラ GTSで初めて搭載されたT-ハイブリッドパワートレーンは新しい911 ターボ Sで大幅改良を受けたといい、911 カレラ GTSのT-ハイブリッドでは電動エグゾーストガスターボチャージャー(eターボ)が1基搭載されるが、新型911 ターボ Sでは2基に変更。
このタービンとコンプレッサーは最上位モデルの要件を満たすように特別に設計されたものとなり、2基のeターボは性能の大幅な向上に貢献するだけでなく、パワートレーンの応答性も向上。容量1.9kWhのコンパクトで軽量な高電圧バッテリは911 カレラ GTSに使用されているものと同じで、電気モーターを内蔵した8速PDKがポルシェトラクションマネジメント(PTM)4WDシステムにパワーを伝達する。
これにより、ターボ S クーペの0-100km/h加速は先代モデルから0.2秒短縮して2.5秒、0-200km/h加速は0.5秒短縮して8.4秒を達成。新型911 ターボ Sの最高速は322km/hとした。
カレラと比べてボディとトレッドがワイドになり、リアサイドにも開口部が設けられた。再設計されたリアフェイシアでは印象的なベンチレーション開口部が車幅をさらに強調し、ターボ特有のデザインを再解釈したチタン製エグゾーストシステムテールパイプはテールライトストリップ上部のダイナミックなパール構造と同様に、ターボ Sシリーズであることを強調
また、チタン製のリアサイレンサーとテールパイプトリムを備えた新しい標準スポーツエグゾーストシステムも、サウンド面で911 ターボ Sを強化。サウンドはトップモデル専用に調整され、エグゾーストシステム自体の軽量化も実現。さらにエモーショナルなサウンドイメージを生み出すもう1つの要素として内燃エンジンのアップグレードが挙げられ、3.6リッター水平対向エンジンは非対称タイミングを採用し、エンジン音にさらなる周波数を追加することでより力強くシャープなサウンドを生み出すという。
911 ターボ Sに使用される新世代タイヤは、優れたウェット性能を維持しながらドライ条件のハンドリングが大幅に改善されたといい、リアには先代モデルに比べて10mmワイドな325/30ZR21タイヤを、フロントは先代と同じ255/35ZR20タイヤをセット。標準装備のポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)システムには新しいブレーキパッドが装備され、これによりブレーキ性能とペダルフィールを同時に向上させることに成功。リアアクスルのブレーキディスク径は390mmから410mmに拡大し、フロントには直径420mmのディスクを採用した。これによって新型911 ターボ Sは、ポルシェが2ドアモデルに搭載した中で最大のPCCBブレーキシステムを搭載していることになる。
また、新型911 ターボ Sでは新しいエアロダイナミクスコンセプトによって冷却と効率が最適化され、車両前部に垂直に配置されたクーリングエアフラップとアクティブフロントディフューザーは、先代モデルから継承された可変フロントスポイラーリップや伸縮と傾斜が可能なリアウイングとともに、効率的な全体システムとして機能する。911 ターボ S クーペの空気抵抗係数は、すべてのアクティブエアロダイナミクスエレメントがもっとも効率的な位置において、先代モデルよりも10%低減されるとのこと。
911 ターボ S クーペの空気抵抗係数は先代モデルよりも10%低減
一方、インテリアではドアパネル、ステアリングホイール、ダッシュボード、センターコンソールまわり、デコレーティブステッチ、スポーツクロノストップウォッチ、メーターパネルなどにターボナイトのアクセントが与えられ、今回初めてネオジムトリムを備えたカーボン構造のトリムストリップと、ブラックの裏地が付いたパーフォレーテッドマイクロファイバーヘッドライナーが専用インテリアの一部に採用された。
911 ターボ S クーペは標準で2シーターモデルとして提供され、要望に応じて追加料金なしでリアシートシステムを設定できる(カブリオレでは2+2のシート構成が標準)。新型911 ターボ SにはHDマトリックスLEDヘッドライトをはじめ、タイヤ温度計を含むスポーツクロノパッケージ、専用チューニングされたPASMサスペンション、PDCC電気油圧式ロールサポート、チタン製スポーツエグゾーストシステムなどが標準装備される。インテリアではメモリー機能付18wayアダプティブスポーツシートプラスやヘッドレストの"turbo S"レタリングが標準装備として採用され、シート表面とドアパネルに施されたターボS専用のエンボス加工は、初代911 ターボ 930のデザインの特徴を再解釈したものになるという。
インテリアではドアパネル、ステアリングホイール、ダッシュボード、センターコンソールまわり、デコレーティブステッチ、スポーツクロノストップウォッチ、メーターパネルなどにターボナイトのアクセントが与えられ、今回初めてネオジムトリムを備えたカーボン構造のトリムストリップと、ブラックの裏地が付いたパーフォレーテッドマイクロファイバーヘッドライナーが専用インテリアの一部に採用された
なお、911 ターボ SにT-ハイブリッドパワートレーンを搭載したことによる重量増は85kgとなるが、2024年秋に最終開発段階の一環として実施されたニュルブルクリンク・ノルドシュライフェでのラップタイムは先代モデルよりも約14秒速い7分3秒92を記録したとのこと。公式ラップタイムを記録したポルシェブランドアンバサダーのイェルク・ベルクマイスター氏は「重量増加は全く感じません。それどころか、このクルマははるかに俊敏で、グリップ力も向上し、サーキットのあらゆるセクションにおいて先代モデルよりも大幅に速くなっています」とコメントしている。
911ターボSカブリオレ