カワサキ「ゼファー400」の系譜|ネイキッドブームを作り出した、自然体で楽しめるみんなの4気筒モデル【バイクの歴史】


カワサキの「ゼファー」シリーズは、400ccモデルからその歴史が始まった。この記事では「ゼファー(400)」とその後継機種について紹介する。

まとめ:オートバイ編集部

カワサキ「ゼファー(400)」の特徴

Kawasaki ZEPHYR 1989年総排気量:399cc エンジン形式:空冷4スト2バルブ並列4気筒 シート高:770mm 乾燥重量:177kg発売当時価格:52万9000円

無理せずに付き合える等身大の楽しさで人気

1980年も終盤になると、空前の「レプリカブーム」にも翳りが見え始める。その原因は過激になり過ぎた高性能と高価格。過当競争で急激にパフォーマンスのレベルが上がり、価格も高くなったレプリカたちは、一般のライダーたちから「自分たちが乗れるバイクではない」と敬遠され始めたのだ。

そんな中で登場したのがカワサキのゼファー。GPZ400F譲りの空冷4気筒ユニットを、往年のZを思わせる優しい曲線を描いたボディに搭載したロードスター。同じクラスの花形である、レプリカのZXRシリーズが同年登場だったこともあってか、広告宣伝の類は控えめで、コスト削減のためタンクとサイドカバー上のロゴはバッジではなくステッカーという質素なバイクだった。

ところが、発売以降、ゼファーはじわじわと人気が高まってゆく。高性能だが乗り手への要求度も高いレプリカに疲れてしまったライダーにとって、ゼファーは背伸びせずに付き合える「相棒」だったのである。このゼファーをきっかけにネイキッドブームは始まっていくことになる。

カワサキ「ゼファー(400)」の注目ポイント

初期型のメーターはタコメーターを大きく取った、レプリカメーターのようなスタイル。これは1990年登場の2型まで引き継がれた。

空冷のDOHC2バルブ4気筒エンジンはGPZ400Fがルーツ。スペックは46PSだったが、過不足のないパワーと扱いやすさが魅力。

スリムな5本スポークのキャストホイールにΦ300mm径のダブルディスクを採用。足まわりのパーツにはモダンなものがおごられた。

リアサスペンションはリザーバータンクを備えた2本ショックを採用。走りに関するパートにはしっかり力が入っていた。

カワサキ「ゼファー(400)」の主なスペック・発売当時価格

カワサキ「ゼファー(400)」の系譜

ゼファー(C1)/1989年

発売当時価格:52万9000円

スペック重視のレーサーレプリカ全盛時代に逆行するように、非力な空冷2バルブユニットで登場した。Z2を彷彿とさせるレトロモダンなスタイルと、肩肘張らない乗りやすさが好評を博し、ヒットモデルとなった。

ゼファー(C3)/1991年

発売当時価格:52万9000円

メーターがゼファー750と同じセパレートタイプに変更。タコメーターには燃料計が内蔵され、ウインカーも砲弾型ボディのものに変わっている。このタイプ以降からヘッドライトが常時点灯式に。

ゼファーχ(G1)/1996年

発売当時価格:58万円

ゼファーらしいフォルムは残しつつ、サイドカバーに「χ(カイ)」のエンブレムを追加。4バルブ化されたエンジンは新設計のもので、K-TRIC搭載によるレスポンスアップと低中速を重視したセッティングとなった。

ゼファーχ(G3A)/1999年

発売当時価格:58万円

初代ゼファー登場から10周年を記念して、750RS(Z2)の火の玉カラーをイメージしたスペシャルモデル。専用のグラフィックとサイドカバーには10th Anniversaryの文字が入れられた。

ゼファーχ(G6FA)/2005年

発売当時価格:59万5000円(ブルー)/60万5000円(イエロー)

シリーズ共通の車体色が一新され、新色のエボニー×パールソーラーイエローとメタリックオーシャンブルーが採用。ホイールのカラーリングも変わっている。

ゼファーχ(G8FA)/2009年

発売当時価格:62万3810円

1989年の発売以来20年近く販売され続けたシリーズの最終モデル。往年の火の玉カラーを引き継いでいるが、車体色は特別塗装だ。イボのないシート表皮やゴールドのエンブレムが施されている。

まとめ:オートバイ編集部

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