レクサス、スペシャルアセンブルエンジンなど搭載した「LC500特別仕様車ピナクル」をエアレースX会場で一般公開
2025年9月6日 開催
エアレース機とともに展示されたLC500特別仕様車ピナクル
レクサスLC500特別仕様車ピナクル
レクサスは9月6日、エアレースX2025 積水ハウス 大阪うめきたデジタルレースが開催されるうめきた公園に、スペシャルアセンブルエンジンなど搭載した「LC500特別仕様車PINNACLE(ピナクル)」を一般展示した。
この特別仕様車ピナクルは「LC500」と「LC500 Convertible」に設定され、レクサスパスファインダーエアレーシングでエアレースXを戦うレースパイロットの室屋義秀選手との技術交流から得た空力技術を活用したCFRPリアウィングやフロントバンパーカナードなどが付加されているほか、スペックなどは変わらないもののスペシャルアセンブルエンジンや専用のブラックスパッタリング塗装の鍛造アルミホイールなども装備。ボディカラーは表面の凹凸により光を乱反射させるマットクリア塗装を施してある。
開発を担当したレクサス統括部 製品企画ZL チーフエンジニア 武藤康史氏
内装も専用インテリアカラーの「ブラック&ホワイト」となっており、助手席インストルメントパネルへの刺繍の採用、専用スカッフプレート装備などスペシャルな仕様に仕上がっている。
この展示はエアレースX2025の最終戦と連動して行なわれ、会場となるうめきた公園では、室屋義秀選手の愛機とともに展示。会場においてのレースは14時からスタートするが、それに先駆けてライブなどが実施されている。
レクサス統括部 製品企画ZL チーフエンジニアの武藤康史氏によると、このピナクルに採用したリアウィングは航空機の知見を活かしたもので、角度を付けてダウンフォースを得るというより、翼断面形状によってダウンフォースを得るものになっているという。リアウィングの先端もボディ形状に沿うように垂れ下がっており、これは最近の旅客機や室屋選手のエアレース機にも採用されているウィングレットと同じ効果を獲得し、リアウィング先端から発生するボーテックス(渦流)をコントロールしているとのこと。
フロントバンパーカナード。裏面からの絞り出し加工によって成形している。ホイールも専用のもの
CFRPリアウィング。形状も後方に見えるエアレースX機開発の知見が活かされたもの。先端はウィングレット形状になっているほか、リアバンパーとのデザイン性を考慮
これにより、リアまわりに適切なダウンフォースを発生。縦方向だけでなく、横方向の抑制も効くようになっており、リアまわりの落ち着きを獲得していると語る。
フロント部のバンパーカナードは、通常のフロントバンパーを裏から絞り出す形で成形。特別な成形工程によりカナードバルジを形成し、フロントまわりのダウンフォースを獲得。トヨタ車ではエアロスタビライジングフィン(通称お魚フィン)が採用されることも多いが、こちらは明確にダウンフォースを狙ったもので、少量生産のためスライド金型を使うのではなく、特別な成形工程を採用したとのことだった。
このピナクルに搭載されるV型8気筒5リッターエンジンの「2UR-GSE型」エンジンは、スペシャルアセンブル仕様。武藤氏によると、主に回転系の公差を打ち消す方向で組み立てられており、ピストン、コンロッド、そしてインジェクターを吟味しているという。性能そのものは変わらないがエンジンの質感は向上しており、一手間かけて組み上げられているほか、特別なエンブレムもエンジンルームに記されていた。
スペシャルアセンブルされたV型8気筒5リッターエンジン「2UR-GSE型」
特別なプレートが記されている
会場となるうめきた公園
エアレースX最終戦のスケジュール。14時からレース開始
室屋義秀選手の愛機とともに展示されたLC500特別仕様車ピナクルはとても雰囲気があり、これから始まる最終戦へ向けての盛り上げに一役かっていた。