これまで巡った神社の数は1万5000社を超える神社ソムリエの佐々木優太が、バイク好きのゲストにぴったりの神社へご案内するこの連載。今回は長野県松本市に移住して10年以上になる元国際ラリースト&エッセイスト、三好礼子さんのご登場です! まとめ:斎藤ハルコ/写真:井上 演※神社境内での撮影は、特別な許可を得ています。※この記事は、月刊『オートバイ』2026年1月号に掲載したものを一部編集して公開しています。今回のゲストは元国際ラリースト&エッセイスト、三好礼子さん今回のゲスト三好礼子(みよしれいこ)さん愛車はヤマハ「セロー250」▶▶▶三好礼子さんの 「X」 、 「Instagram」1957年東京生まれ。16歳でバイクに目覚め、18歳で日本一周バイク旅を敢行。その旅行記「日本一周乙女の一人旅」をミスター・バイク誌に連載したことをきっかけに著述業を始める。29歳の時に初のパリ・ダカールラリーに出場し、以来、二輪&四輪の国際ラリーに多数出場。1995年に富士山麓に移住後、2013年から長野県松本市に移住し、2015年に「ペレファ・カフェ」をオープン。神社ソムリエ佐々木優太愛車:Harley-Davidson XL1200NS▶▶▶YouTubeチャンネル:神社ソムリエのあやかりチャンネル参拝した神社は1万5000社以上、受けた御朱印は4500を超える。ラジオパーソナリティーやテレビMCとして活躍し、神社にまつわる執筆や講演もしています。愛車はハーレーダビッドソン・XL1200NS。2026年カレンダー「幸せ結ぶ美しき風景 佐々木優太の開運神社」好評発売中。写真は礼子さんスマイルを意識したのですが……なんか違う?(笑)画像1: 女性ライダーのレジェンド・三好礼子さんとゆくバイク旅【神社ソムリエ・佐々木優太の開運ツーリング】三好礼子さんの目標:その1.「ペレファ・カフェ」をもっと居心地の良いオアシスにしたい!その2.70歳までにまた登山やロングトレランできる身体に戻したい!その3.日々のトレーニングをもっとしたい三好礼子さんのお悩み:とにかく時間がない!大勢のライダーが憧れる、女性ライダーのレジェンド僕、佐々木優太が、全国の神社を参拝して得た知識や経験を活かした“神社ソムリエ”として、ゲストの人柄や願い、目標に合わせた神社へご案内するこの連載。今回は、元国際ラリーストでエッセイストの三好礼子さんの登場です!もはや説明は御無用でしょうが、礼子さんといえば、バイクブームだった1980年代の女性ライダーを代表する存在。数々のCMや広告に出演されたり、片岡義男さんの小説の表紙モデルを務めた他、1987年からパリダカはじめ多数の国際ラリーに二輪と四輪の両方で出場し、女性クラスで3度の優勝を記録するなど、すばらしい戦歴を残しています。今まで訪ねた国は40ヵ国以上、走った距離は約100万kmという礼子さんに憧れるライダーは数多く、2015年に長野県松本市でオープンした「ペレファ・カフェ」には、連日たくさんのライダーが訪れます。perefa cafe (ペレファ・カフェ)長野県松本市七嵐120-2 営業日の確認はお店の FaceBook をチェック!礼子さんが夫婦で営む「ペレファ・カフェ」2015年に礼子さんが夫のペースケさんとオープンしたカフェでは、カレーを中心に地産素材たっぷりの食事や飲み物を提供、オリジナルグッズも販売しています。じつは「開運ツーリング」の前の連載(2021年3月号RIDE)で伺ったことがあるのですが、その時もバイク好きのお客さんで大賑わいでした。今回は「近場でちょくちょく行けるおすすめの神社を教えて欲しいです」というリクエストにお応えし、カフェと同じ松本市の神社にご案内させていただきました。ちなみに、礼子さんとの開運ツーリング取材が行われたのは7月下旬。スケジュールの都合で掲載まで時間が空いたため、季節感を無視した半袖の写真が多いことをご容赦ください(笑)。ちなみにこの日の最高気温は34℃でした……。日本の四季の移り変わりってすごいですね。ツーリングの目的地は長野県の岩崎神社めずらしい「川狩りの神事」で知られる神社仁寿3年(853年)に諏訪大社の大神様を勧請したのが始まりとされる神社で、御祭神はタケミナカタノミコトとコトシロヌシノミコト。社伝では、神社の真下にある岩頭(岩の突端)と、梓川を挟んだ対岸に鎮座する火打岩明神が鎮座する岩頭が地底でつながっているとされ、社名の由来にもなっています。あざす街道(国道158号)沿いに佇むこじんまりとした神社ですが、例大祭での「川狩りの神事」は、当日に川魚を獲って御神前に捧げる全国的にもめずらしい神事として知られています。 三好礼子さんだから /おすすめの3つの理由画像4: 女性ライダーのレジェンド・三好礼子さんとゆくバイク旅【神社ソムリエ・佐々木優太の開運ツーリング】1.社名の由来は社殿の下にある硬く大きな岩盤→礼子さんが積み重ねた経験の厚みに通じる2.諏訪大社の神様を勧請して始まった岩崎神社→諏訪大社は礼子さんが好きで通っている神社3.捕った魚を魚籠に入れ捧げる神事にあやかる→魚=目標に見立て、捕る=叶うように祈願礼子さんの明るいお人柄にピッタリだと思った神社じつは今回、僕は礼子さんの目標やお悩みを知る前から、岩崎神社にご案内したいなと考えていました。というのも以前一度お会いした時に、礼子さんの明るくて気持ちの良いお人柄がすごく印象に残っていて、その印象が、僕が岩崎神社に参拝に上がるたびに感じる境内の木々の清々しさや(何度か書いていますが、木のいいところ=気のいいところ、というのが僕の持論です)、差し込む木漏れ日から感じる縁起の良さと共通するものを感じたからです。選んだ後に気づいたのですが、「岩のさき」に鎮座していることが社名の由来である岩崎神社は、硬い岩盤の上に建つ神社。そして、これまでラリー、トレイルラン、米作り、畑仕事、酪農など、さまざまなチャレンジを徹底して追求してきた礼子さんの姿には、実際に積み重ねてきた経験が揺るぎない地盤となっている説得力があって、どこか神社と重なるものがあります。また、事前アンケートに書かれていた現在の礼子さんの目標は、古民家の自宅の手入れ、カフェの運営、自身のトレーニングなど、やりたいことをもっと充実させること。岩崎神社の例大祭は、お祭りの朝に川魚を捕って神様に献上する神事で有名ですから、魚を捕る=目標を実現することと見立てて、神事にあやかって、礼子さんの目標実現を祈願しようと考えたのでした。★参拝ではココに注目!1.ご刻印にも登場する魚籠の意味は……?岩崎神社は、革製の専用お守りに参拝の証として刻印を打つことができる「御刻印」参加神社。長野県内の御刻印参加神社5社を巡る「信風巡拝」の一社でもあります。岩崎神社の御刻印は、毎年のお祭りで神様に献上するための川魚を捕る「川狩りの神事」にちなみ、魚籠に入った魚をデザイン。写真の魚籠は神事で実際に使われているものを、神職が撮影用にと貸し出してくださいました2.お蚕様をお祀りする境内社画像1: ツーリングの目的地は長野県の岩崎神社岩崎神社では猿田彦、山上、秋葉、八王子、蚕神の五社が境内社としてお祀りされています。礼子さんが昨年引っ越した古民家ももともと養蚕農家だったそうで、蚕玉社を見て「松本ではお蚕様が大事にされてたんだねぇ」と関心していました。ちなみにお社の前には礼子さんお気に入りの、ものすごく斜めに生えてる木がありますので、参拝に上がる際はぜひそちらもご確認ください。画像2: ツーリングの目的地は長野県の岩崎神社岩崎神社の御朱印画像9: 女性ライダーのレジェンド・三好礼子さんとゆくバイク旅【神社ソムリエ・佐々木優太の開運ツーリング】通常の御朱印に加えて月替り御朱印、魚籠と魚のイラストが描かれた版画御朱印、交通安全バイク御朱印、季節や神事に合わせた限定御朱印などを頒布。神職の方が神社に不在の場合も、書き置きの御朱印が入った専用ケースが社殿の前に設置されていて、参拝後にお受けすることができます。画像10: 女性ライダーのレジェンド・三好礼子さんとゆくバイク旅【神社ソムリエ・佐々木優太の開運ツーリング】★今回の食事処はこちら!手打そば みどの 長野県松本市安曇3358-1 営業時間:11時〜当日分が終わり次第終了 定休日:火曜日参拝の後は、礼子さんイチオシのお蕎麦屋さんへ。お店は「道の駅 風穴の里」の向かいにあり、ピカピカに整備されたZに乗る店主の坪田さんが打つ蕎麦は香り高く、天ぷらも絶品! そば粉をはじめ、山菜やとろろなども地元・信州産の食材を使用しています。(写真はもりそば880円+かきあげ300円)三好礼子×佐々木優太 開運ツーリングトーク「表に出たい欲はゼロだけど表現したい欲はあるの」 (三好礼子) 「礼子さんの背中が格好良くて生き様を感じました」 (佐々木優太)生まれた時からもう旅に出たかったんです佐々木優太(以下、佐々木) いただいた事前アンケートを拝見してビックリしたのが、礼子さんの日々がやりたいことに溢れてて、忙しいことでした。現在の目標が「昨年引っ越した古民家の庭の果樹の手入れをもっとしたい」、「夫婦で運営しているペレファ・カフェをもっと居心地が良くなるように手入れをしたい」、「昨年できていたランニングと筋トレが今年は全然できていないので、日々のトレーニングをもっとしたい」と複数あって、しかもすべてが「もっとちゃんとやりたい!」という内容じゃないですか。「カフェ・家・庭・その他もろもろ、どれも完璧にやろうとするとほぼ睡眠時間ゼロ。どれもがやることが多くて、一人の量ではないのは分かっているんですが、やりたいの」とも書かれていましたが、この「でもやりたいの」という気持ちが、これまで礼子さんがいろんなチャレンジをとことん追求してきた原動力なんだろうなと、そのバイタリティに感動したんです。実際に経験してきたことの厚みが半端じゃないので、礼子さんのお言葉は説得力がすごくって。三好礼子(以下、三好) なんか本当にいろんなことをさせてもらって、こんな面白い人生ないなって思うよね。全部やらせてもらってきたの。自分じゃ何も動いてなくて、ぼーっとしてると仕事がやってくるというか(笑)。でも好きなものが全部仕事になったって幸せだよね。佐々木 それは今も変わらずですか?三好 変わらずですね。なんかね、不思議といろんな縁がつながるんですよ。スキューバダイビングを始めたらダイビングのすごい人とつながるし、トレイルランを始めたら山のすごい人とつながるし。だからなんて言うんだろう、私自身は表に出たいとか、有名になりたいとかって気持ちはゼロなのよ。まったくのゼロ!でも表現はしたいの。自分が見たもの、経験したものをみんなに伝えたい病ではあって、生まれてからずっとそうなの。佐々木 礼子さんがバイクに乗り始めたのは16歳の時と聞きましたが、高校生の頃にはもう何かしたいという思いがあって、バイクに乗り始めたんですか?三好 そうそう。高校生の時っていうか、生まれた時から旅がしたくて。佐々木 生まれた時から!?画像1: 三好礼子×佐々木優太 開運ツーリングトーク三好 そうなの。1歳の時から一人で町をウロウロしてて、隣の家のおばちゃんに連れて帰られたりしてて。おかしいよね(笑)。でもその頃にはもう好奇心があったし、1歳ぐらいから、覚えておこうと思ったらそのシーンを覚えてたの。小学1、2年の頃には、道端にある大きな石を見て「大きくなったら見え方が変わってしまうから、今この時の大きさを覚えておこう」とか思ったんだよね。その頃からもう世界一周にも興味があったし、自転車に乗り始めたら行動範囲も広がったし。高校の時とかも、友達と自転車でどっか行くと距離が半端なくて、100km、200kmって走っちゃうんですよ。やっぱり、距離が長いのが好きなんだよねぇ……。なんだかわかんないけど、それが面白いと思うの。その後バイクに出会うと、一気にまた移動距離が伸びていくんだけど、それも面白かったよね。佐々木 さすがです。その後、本当に礼子さんはバイクで世界中を走られて、2010年から始めたトレイルランニングでも世界中を走ったわけですもんね。あらゆる場所を走った後、ライダーの集まる場所として「ペレファ・カフェ」をオープンされたのが2015年。やっぱりバイク乗りのお客さんが多いんですか?三好 そうじゃない人もいるけど、9割5分はライダーかな。たまに通りがかりの人がGoogleマップを見て来た、とかもあるけど。面白いのが、話すとどこかで縁がつながるんですよ。来る人がいろんな場所から来るから、「あ、そこ住んでました」ってことが多くて、何県の人が来ても「そこ住んでました」「そこに住んでました」みたいな話になる(笑)。佐々木 ペレファ・カフェがバイクが共通言語のコミュニティになってますね。三好 そうね。だから私の店ではあるんだけど、みんなが勝手にうちを交差点に人の縁を繋いでいってくれるというか。ここが日本の中心かしらと思うくらい、西からも東からもお客さんが来てくれるんですよ(笑)。松本の前に静岡の朝霧高原でカフェをやってた時は、横浜方面が多くて、関東や名古屋までくらいの人は来るけど、偏りがあったかな。でも本当にご縁ってあって、今日佐々木さんに会えたのも縁じゃない? 私、自分なりに神社に詳しいと思ってたけど、佐々木さんのお話は知らないことばかりで、本当に面白くて。さすが神社ソムリエ!佐々木 ありがとうございます。でもカフェにそれだけいろんな場所からいろんな人が来るのは、やっぱり礼子さんの周りに人が集まるってことだと思います。画像2: 三好礼子×佐々木優太 開運ツーリングトーク三好 若い頃は自分がいろんな場所を回って、いろんな人に会うイメージだったけど、今はカフェにいながらにして、いろんな人が来てくれて会えるから面白いよね。この間も、トレイルランの訓練をやってた頃の女の子の仲間が来てくれたんですよ。なんか「あの人どうしてるかな?」ってふと思い出す時って、急にその人がお店に来てくれたりして大体会えるんです。変な話なんだけど、シンクロニシティーというか、世の中ってそういうふうになってるのかなと思いますね。私、最初にパリダカに出た時も偶然の出会いがきっかけだったんです。ミスター・バイクの編集部で会ったんだけど、日本一周中の1年に1回寄っただけの編集部で、私にパリダカを教えてくれた横田紀一郎さんがいたんですよ。「こんなに面白いレースがあるんだ。それをこれから日本に知らせたいんだよ」って言われてね、それを聞いて私は「それは出たいわ」って思っちゃったんですよ。そっから実際に出るまで10年かかるんだけど、その日に会えたのはやっぱすごいなと思うし、今でも横田さんとはつき合いがあるしね。そういう出会いって、偶然だけではないなって思うんですよ。佐々木 その話とつながるかはわかんないですけど、僕が今日の礼子さんとの出会いで衝撃だったのは、「礼子さんの背中がマジで格好いい」ってことで。世界中を走った人だからなのか、そういう生き方をした人だからそうなのか、僕にはどちらからわからないけど、バイク乗りって、その人のすべてが背中に出るんだなっていうのを今日すごく感じました。画像3: 三好礼子×佐々木優太 開運ツーリングトーク三好 私が今日走りながら思ってたことは、入道雲の形がモクモクモクモク変わってくから、それがもう面白くて仕方なかったのね。結局、私は自然が好きなんですよ。自然を見てるだけで、地球を何周もしちゃうみたいなところがあって。しかも最近忙しくてあまりバイクに乗れなかったから、こんなに気持ちのいい日に乗れたことが本当に嬉しくてさ。走り出して1分後には「なんて気持ちいいんだ!」って叫んじゃってたよね(笑)。佐々木 その気持ちが見てて伝わってきましたし、また礼子さんのバイクの扱いがめちゃくちゃ上手いし、速いしで、僕が景色を見てる間に、気づいたら見えなくなってたりするんですよ(笑)。とにかく背中から漂うものが全部格好良くて、そこに圧倒された一日でした。まとめ:斎藤ハルコ/写真:井上 演※神社境内での撮影は、特別な許可を得ています。※この記事は、月刊『オートバイ』2026年1月号に掲載したものを一部編集して公開しています。