スズキ初の400cc 4気筒モデル「GSX400F」をベースに、さらなる高性能化を図った特別仕様車「GSX400FS インパルス」。専用チューニングにより最高出力を48PSまで引き上げ、オイルクーラーやアルミスイングアームなどの豪華装備で武装した。まとめ:オートバイ編集部/協力:RIDE編集部、東京エディターズスズキ「GSX400FS インパルス」(1982年)の概要SUZUKI GSX400FS IMPULSE 1982年総排気量:399cc エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:775mm 乾燥重量:171kg発売当時価格:49万3000円待望の4気筒を引きさげて登場したGSX400F当時のスズキの400クラスの主力は2バルブDOHCツインのGS400だったが、デビューから2年半を経過して販売台数も下降傾向にあり、1日も早い後継モデルの登場が待たれていた。Z400FXのヒットを見れば市場が4気筒マシンを望んでいることは明らかだったが、すでに開発が続けられてきた4バルブDOHCツインのGSX400Eがスタンバイしている状態であり、まずは2気筒マシンでZ400FXに挑むことになる。結果、性能面ではZ400FXを大きく上回り、あのヨシムラをして「400は2気筒で充分」と言わしめるほどポテンシャルを発揮したが、セールス面では苦戦を強いられた。発売5カ月後にはヤマハからも4気筒マシンのXJ400が登場し、マーケットはもはや4気筒マシンなしには勝負にならない状態になってしまった。それから約1年。満を持してスズキ初の4気筒400ccマシン、GSX400Fがデビューする。当初は輸出向けのみで、国内仕様の登場については明言しなかったが、翌1981年から国内モデルとしても販売を開始。エンジンは高性能の象徴とされていた4バルブDOHCヘッドの4気筒で、燃焼効率を高めるTSCCも採用。一体鍛造の6軸受けクランクシャフトなど、耐久レースで培われた技術も随所に採用されていた。しかし、GSX400Fはわずか2年の短命に終わり、1983年型からは水冷のGSX400FWへと代替わりした。スズキ初期の空冷4気筒DOHC4バルブであるGSX400Fは、性能はクラストップレベルながらも、オーバーヒートや充電系のトラブルが生じる例もあったのである。なお1982年型には、国内仕様にオイルクーラーとヨシムラ4 into 1マフラーを備えた特別仕様、GSX400FSインパルスが追加され、当時話題となった。スズキ「GSX400FS インパルス」(1982年)の各部装備・ディテール解説当時スズキは、550cc以上の排気量のモデルの4気筒化を進めていたが、国内市場の要求に応えるかたちでGSX400F用の4気筒DOHC4バルブエンジンを開発した。FSインパルスでは初代GSX400Fから1ccアップした399.8ccエンジンを搭載。性能もそれまでの45PSから48PSとアップしていた。集合部までの管長を同じ長さにするために湾曲した2番、3番のエキパイを採用。マフラーエンドのデザインは当時のスズキ4ストロークの特徴的意匠。GSX400F/FIIのリアブレーキはディスク式だが、GSX400FSインパルスではドラム式に交換されていた。フロントブレーキはダブルディスク式を採用。フロントフォークの前側につくパーツは、油圧式のアンチダイブフォークのメカニズムである。減衰力調整機能が用意されたリアサス。車体左のサイドカバー横に左右のサスに連動するリモートアジャスターが用意されていた。ヘルメットホルダーのフックは2本用意され、タンデムも見越した充実の装備となっていた。スズキ「GSX400FS インパルス」(1982年)のカタログGSX400Fに大幅なモディファイを加えたGSX400FSインパルスのカタログ。カムプロフィールの変更やキャブレターの大径化、圧縮比アップといったモディファイが加えられ、ヨシムラとの共同開発によるサイクロンマフラーを装備したインパルスのエンジンは、CBX400FやZ400GPと肩を並べる48PSまでパワーアップした。画像1: スズキ「GSX400FS インパルス」(1982年)のカタログ画像2: スズキ「GSX400FS インパルス」(1982年)のカタログ画像3: スズキ「GSX400FS インパルス」(1982年)のカタログ画像4: スズキ「GSX400FS インパルス」(1982年)のカタログスズキ「GSX400FS インパルス」(1982年)の主なスペック・当時価格まとめ:オートバイ編集部/協力:RIDE編集部、東京エディターズ関連のおすすめ記事【絶版名車解説】スズキ「GSX400F」(1981年) - webオートバイSuzuki GSX400F(1981年)<ヨンヒャク今昔物語>-Be Reborn- - webオートバイ初代インパルスや400カタナにつながる!スズキ初の4ストローク4気筒は『GSX400F』から! - webオートバイ