2026年3月に発表されたスバル トレイルシーカー。トヨタ bZ4Xの兄弟車であるソルテラをベースとしたBEVだ。クーペライクなソルテラとは対照的に、ラゲッジスペースに存在感をもたせたシルエット。全身でスバル車らしさを主張する!!※本稿は2026年3月のものです文:松田秀士/写真:平野陽、スバル初出:『ベストカー』2026年4月10日号【画像ギャラリー】試乗で判明したスバル最新BEVの実力! トレイルシーカーが吹雪の中でも放つ圧倒的なオーラと細部の造り込み(24枚)スバル主導で企画されたBEVスバル トレイルシーカー。トヨタのbZ4Xツーリングと多くの部品を共用するBEV。アウトドア感を強調する独特の意匠がスバル車らしい●スバル トレイルシーカーの注目ポイント・ソルテラ比155mm延長のラゲッジスペースはアウトバックより72L増・FWDが734km、AWDが690kmと余裕の航続距離を実現・システム出力は380ps。スバルらしい安定感のある走りを提供 思い起こせば、トレイルシーカーのベースとなるソルテラの初試乗も、同じ雪の群馬サイクルスポーツセンターだった。 ソルテラはbZ4Xとの兄弟車だったこともあり、トヨタの元町工場の共通ラインで製造されている。ではスバルらしさはどこにあったのか? というと、AWDの制御技術だった。確かに雪の群サイ試乗では安定の走りを披露。ハードは共通でもソフトウェアで差を出していた。 しかし、トレイルシーカーはスバルの矢島工場で製作される。もちろんbZ4Xツーリングとの共用部品のバッテリーなど約70%はトヨタ製だが、ボディやサスペンションなどの約30%はスバル製なのだ。 というのも、トレイルシーカーはスバルが要望して企画がスタートしたクルマであるという背景がある。水平対向ではないBEVでもスバルらしいクルマを作りたかったわけなのだ。 ではそのエクステリア。はは~ン! 一目見て感じたのはアウトバックを思わせるシルエット。ルーフレールも装備されている。荷室があることをしっかりと見せている。そこにソルテラのクーペっぽさはない。 ソルテラに対してリアオーバーハングを155mm延ばして、全長は4845mm。さらに荷室容量は633Lと、アウトバックよりも72L大きいのだ。荒れた路面でも抜群の乗り味。「さすがはスバル!」というほかはない BEVはバッテリーに体積を奪われがちだが、リアゲートを開けて見る限りその影響は感じられない。そのリアゲートにはソルテラにはなかったワイパーが装備されている。豪雪地帯にユーザーが多いスバルらしい配慮だ。 リチウムイオン電池はソルテラから踏襲した74.7kWhだが、電池を最適温度に昇温させるプレコンディショニング機能によって充電時間を大幅に短縮。急速充電が時間課金制となっている日本では、特に長距離旅行などで節約になる。 またAWDモデルでは、アンダーパネルからリアエンドの空力改善によって、航続距離はわずかに延びて690km。リアモーターのパワーをフロントモーターと同じにしたことでシステム最大出力は380psにアップしているのに、だ。 このパワーアップが、ソルテラとは明らかに異なるスバルらしい走りのテイストを味わわせてくれる。 0-100km/h加速は0.5秒速い4.4秒。ドライブモードをスポーツにすれば全開にするまでもなく頭をヘッドレストに押し付けるレスポンス。路面は雪なのに。よりしなやかになったサスペンションが乗り心地だけでなく低μ路でトラクションをしっかりと確保する。 スバル車はBEVでもこうでなくっちゃね!●スバル トレイルシーカー ET-HS 主要諸元・駆動方式:AWD・全長×全幅×全高:4845×1860×1670mm・ホイールベース:2850mm・車両重量:2020kg・モーター最高出力:F=227ps/R=227ps・モーター最大トルク:F=27.3kgm/R=27.3kgm・システム最高出力:380ps・一充電走行距離:690km・総電力量:74.7kWh