「どっちが良いの?」 人気国産「コンパクトSUV」が凄すぎた! トヨタ・ホンダで悩む… 「ヤリスクロス&ヴェゼル」の特徴とは


コンパクトSUVの人気モデルを比べてみよう

 今回は、コンパクトSUVの人気モデルで、日本自動車販売協会連合会(自販連)の登録車ランキングで上位の常連であるトヨタ「ヤリスクロス」とホンダ「ヴェゼル」を比べていきます。

人気のコンパクトSUV、どちらも個性あるけど…具体的に何が違う?

人気のコンパクトSUV、どちらも個性あるけど…具体的に何が違う?

 ヤリスクロスは、BセグメントSUVの中でも標準的なサイズで、ヴェゼルは、CセグメントSUVに迫るサイズ感で、Bセグ〜Cセグメントまでをカバー。

【画像】超カッコイイ! これが「“新”ヤリスクロス」です! 画像で見る(30枚以上)

 サイズの違いこそありますが、両モデルともにコンパクトSUVといえる範疇に収まっています。純ガソリン車だけでなくハイブリッド車も設定しているのも共通項です。

 ヤリスクロスは、全長4180〜4200mm×全幅1765mm×全高1580〜1590mm、ホイールベース2560mmというサイズ。

 最小回転半径は5.3m、最低地上高は160〜170mmで、ハイブリッド、ガソリン車ともに2WDのほか4WD(ハイブリッドはE-Four)を設定しています。

 エクステリアは、SUVらしく前後フェンダーアーチの力強さが印象的で、スポーティな「GR SPORT」は、専用となる前後フロントバンパーやラジエーターグリル、215/50R18タイヤと専用18インチアルミホイールにより精悍さを漂わせています。

 上級仕様の「Z“Adventure”」も専用前後バンパーや215/50R18タイヤと18インチアルミホイール(切削光輝/センターオーナメント付)を装着し、存在感のある見た目が与えられています。

 前席はSUVとしては低めの着座位置になり、後席も含めて乗降性ではベース車のヤリスを上回ります。

 後席の足元、頭上空間もヤリスよりも広いものの、とくに後席足元はBセグSUVの中では狭めで、ヴェゼルと比べると差は小さくありません。

 荷室容量は、アジャスタブルデッキボード装着車の場合、下段位置で351L、同ボード非装着車の場合で371L。フォルクスワーゲン「現行ゴルフ」の荷室容量が381Lですので、現在のCセグメントハッチバックよりも若干小さめです。

「ヤリスクロス」は6対4分割かつ上下2段可変可能な「アジャスタブルデッキボード」を採用

「ヤリスクロス」は6対4分割かつ上下2段可変可能な「アジャスタブルデッキボード」を採用

 ユニークなのが、「Z“Adventure”」、「Z」、「G(2WD)」、「GR SPORT」に標準化する6対4分割式アジャスタブルデッキボード。

 6対4分割可倒式の後席に合わせて荷室を6対4に分割できるほか、上下2段のいずれかに設置できます。

 ハンズフリーパワーバックドア(挟み込み防止機能・停止位置メモリー機能・予約ロック機能付)を上級仕様にオプション設定。

 快適装備では、前席両側のシートヒーターとステアリングヒーターを「Z」系に標準装備し、「GR SPORT」と「G」にオプションで用意しています。

 オートエアコンを「X」のガソリン車をのぞき標準化。そのほか、コネクティッドナビ対応8インチディスプレイオーディオやスマートエントリー&スタートシステム、ETCも標準装備。ハイブリッド車には、アクセサリーコンセント(AC100V・1500W)をオプション設定しています。

 先進安全装備では、昼夜のサイクリスト、交差点右折時の直進対向車、右左折時に横断してくる歩行者や自転車にも対応する衝突被害軽減ブレーキなどからなる最新の「トヨタ・セーフティ・センス」を全車に標準装備。

 ブラインドスポットモニターと安心降車アシストは、「Z」系と「GR SPORT」に標準で、「G」とKINTO専用の「U」にオプション設定。

「トヨタ・チームメイト(アドバンスト パーク)+パノラミックビューモニター(床下透過表示機能付)+パーキングサポートブレーキ(後方歩行者+周囲静止物)」は、ハイブリッド車と「U」にオプションで用意しています。

国内トップレベルの燃費性能を誇る「ヤリスクロス」

国内トップレベルの燃費性能を誇る「ヤリスクロス」

 パワートレーンは、ハイブリッド、純ガソリン車ともに直列3気筒の1.5Lエンジンを搭載し、前者は電気式無段変速機、後者はCVTを組み合わせています。

 両パワートレーンともに2WDと4WDが用意されていて、ハイブリッドの4WDはリヤモーターを備えるE-Fourになります。WLTCモード燃費は、ハイブリッドの30.8km/Lが最高値です。

 価格帯は、ハイブリッドが243万3200円〜323万4000円。人気グレードでは「Z(2WD)」が288万7500円、「Z “Adventure”(2WD)」が300万3000円、「GR SPORT(2WD)」は303万1600円となっています。

 純ガソリン車の価格帯は、204万6000円〜286万円。人気グレードでは、「Z(2WD)」が251万3500円、「GR SPORT(2WD)」が264万8800円、「Z“Adventure”(2WD)」が286万円となっています。

対するホンダ「ヴェゼル」の特徴は? 後席の使い勝手に注目!

 ホンダ・ヴェゼルは、全長4340×全幅1790×全高1580〜1590mm、ホイールベースは2610mm。

 ヤリスクロスよりもひと回り近く大きく、ホイールベースも50mm長く、後席の広さなどの居住性ではアドバンテージがあります。

 最小回転半径は5.3m〜5.5m、最低地上高は170〜195mmで、仕様により差が大きいのも特徴です。

 エクステリアは、初代のスポーティ路線から変わり、上質さを謳うアーバンSUVというコンセプトのもとデザインされています。

 2024年4月のマイナーチェンジでフロントグリル、フロントバンパーのデザイン変更をはじめ、水平基調のキャラクターラインを強調するなど、シンプルでプレーンなテイストを維持しつつ、存在感を高めています。

 内装の美点は、前方、左右の視界に優れた水平基調のダッシュボードまわりの形状です。シルバー調加飾をタイプ別設定するなど、上質感の追求にも余念がありません。

 余裕のある全長やホイールベース、「センタータンクレイアウト」の採用によりコンパクトSUVの中でも広い後席を備え、足元、頭上空間ともに広々しています。

 2代目の荷室容量は公開されていないものの、初代よりも小さくなっているようです。

 ただし、開口部の工夫や後席前倒し時のダイブダウン機構、「ハンズフリーアクセスパワーテールゲート(予約クローズ機能付)」の「e:HEV Z」系への標準化など、使い勝手の向上を重視しています。

 後席のチップアップ機構により、前席座面をはね上げて固定することで、着替えをしたり、ベビーカーなどの大きめの荷物を積載できたりするなど、フレキシブルなシートアレンジも光ります。

ホンダ「ヴェゼル」の特徴と言えば、座面をはね上げることができる「チップアップ機構」

ホンダ「ヴェゼル」の特徴と言えば、座面をはね上げることができる「チップアップ機構」

 装備も充実しています。全車標準のフルオートエアコン、ハイブリッドの4WDには、PTCヒーターも完備。

 運転席&助手席シートヒーターは「e:HEV Z」系と4WDモデルに標準化し、ステアリングヒーターと後席用USBチャージャー(タイプC)を「e:HEV Z」系に標準装着されています。

 ユニークなのが、ハイブリッドの4WDにリアベンチレーションを標準化していることで、ムレや熱のこもりを解消できます。

 そのほか、スマートキーシステム、USBチャージャー(タイプC/急速充電対応タイプ)を全車に標準装備。

 一方で、純正ナビはアクセサリー扱いになり、スマホ連携(スマホ・アプリ)で十分という場合は、「Honda CONNECTディスプレー+ETC2.0車載器」が標準になる「e:HEV Z PLaYパッケージ」もしくは、オプションの「e:HEV Z」を選択することになります。

 先進安全装備は、「ホンダ・センシング」を全車標準化し、2024年4月のマイナーチェンジでは衝突被害軽減ブレーキや路外逸脱抑制機能、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロールなどの機能向上に加えて、トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)、急アクセル抑制機能やアダプティブドライビングビームの機能向上も盛り込んでいます。

 パワートレーンは、2モーター式ハイブリッドの「e:HEV」、純ガソリン車ともに1.5Lエンジン。

 駆動方式は、2WD(FF)と4WDを設定し、純ガソリン車は4WDのみとなります。WLTCモード燃費は、ハイブリッドの26.0km/Lが最高値で、4km/L以上の差があります。

 ヴェゼルの価格帯は、「e:HEV」が288万8600円〜377万6300円。ガソリン車は「G」のみで264万8800円です。

マイナーチェンジで追加した「e:HEV X HuNTパッケージ」

マイナーチェンジで追加した「e:HEV X HuNTパッケージ」

 マイナーチェンジで追加した「e:HEV X HuNTパッケージ」は、2WDが299万8600円、4WDが321万8600円。同パッケージは、ルーフレールや専用アルミホイール、カッパーメタリック塗装のフォグライトガーニッシュなどで外観を仕立たアクティブな仕様。

 内装は、プライムスムース×ファブリックのコンビシートに、カーキ&ネイビーの専用カラーを採用。ファブリックの素材に撥水と撥油機能のあるFABTECT(ファブテクト)」が用意され、アクティブな趣味にも合います。

 同じくマイナーチェンジで新たに加わった、最上級グレードの「e:HEV Z PLaYパッケージ」は、2WDが355万6300円、4WDが377万6300円。

 フロントグリルに配置されるトリコロールのアクセントの配色が変更され、ドアロアーガーニッシュのアクセントカラーもブルーに変更するなど、上質で都会的な雰囲気が漂う仕立てになっています。

※ ※ ※

 居住性や積載性などに影響するボディサイズやホイールベースがやや異なるだけでなく、エンジンも3気筒のヤリスクロスに対して、4気筒のヴェゼルは静粛性など動的質感の面でも優位に立ちます。

 微妙にクラス感が異なり、単純比較は難しく、ヴェゼルは快適装備の充実ぶりが目を惹く一方で、純正ナビをアクセサリー扱いとしているのがポイント。

 後席に乗る機会が多く、シートアレンジも重視するのならヴェゼルがおすすめで、ヤリスクロスは車両価格を抑えつつ、ハイブリッドはクラストップレベルの燃費も享受できます。

Source: 「どっちが良いの?」 人気国産「コンパクトSUV」が凄すぎた! トヨタ・ホンダで悩む… 「ヤリスクロス&ヴェゼル」の特徴とは

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