1983年に登場したシティ ターボⅡ(左)は、小柄で好戦的な姿から「ブルドッグ」の愛称で親しまれた。右のSuper-ONEは、そこに着想を得た純正アクセサリーを装着している。 昨年11月に開催された「ジャパンモビリティショー2025」のホンダブースで、一台のコンパクトカーが注目を集めた。その名は「Super-ONE(スーパーワン)」。いまどきのコンパクトカーにしては珍しく、張り出したフェンダーが走る気満々な雰囲気を醸し出していて、1980年代に一世を風靡した「シティ ターボⅡ」の再来と話題を呼んだ。 そんなSuper-ONEが、ついに5月下旬から発売される。昨年のプレリュードのように、ヘリテージの延長線上にある正統な進化系が出てくることは嬉しいニュース。今回はひと足先に、サーキットで試乗する機会を得た。 出力が約1.5倍になるBOOSTモードって? Super-ONE ベースになったのは、昨年9月に発売された軽EVの「N-ONE e:」。Super-ONEは張り出したフェンダーによって5ナンバー車になるが、あくまで軽ベース。開発陣はAセグメントのスポーティEVというニッチな市場に乗り込むにあたり、「車体の軽さ(1090kg)」「低重心性(バッテリーの搭載位置)」「普段使いできる航続距離(274km)」などを武器に、大人しい軽EVにファンな要素を見出してみせた。 新たにデザインされた専用の15インチホイールを装着する。 中央の9インチのモニターは、Googleが搭載されることでスマホの延長線上でコンテンツを操作できる。BOOSTモードにすると、メーター内には小さな3連メーターが出現。さらにBOSEのスピーカーによって、臨場感あるエンジン音や音楽を楽しめる。 Super-ONEのスポーツシート Super-ONEのスポーツシート(上)は独特な意匠だが、見比べるとシティ ターボⅡ(下)へのオマージュだとわかる。サイドのサポートによってホールド性は高い。 そして、Super-ONEの走る気満々な見た目に見合った走りを実現するのが、目玉の「BOOSTモード」。ステアリングのスイッチを押すと、最高出力が47kWから70kWまで限定解放され、車内にはBOSEのスピーカーから野太いエンジン音が響きわたって力強い加速が楽しめる。それに仮想7段シフト制御が加わり、パドル操作でセミオートマのエンジン車を操っているような一体感が得られるのだ。 もちろん、ボディのワイド化とパワーアップにともない、足元もサスペンションのチューニングをはじめ、専用のアルミ鍛造ロアアーム、ブレーキサイズのアップなど手が加えられている。想像以上にガチなクルマであることに驚かされた。 「使い切れる楽しさ」がホンダ流 Super-ONE コーナーを曲がる コースに出てみると、BOOSTモードの加速はもちろん、コーナリングの限界がとても高いことに感心する。100km/h前後で直線からブレーキングし、フロントに荷重をかけてコーナーに入っても、おっとっとという怖さやよじれる感覚はなく、疑似的なブリッピング音とともに軽快にクリアする。また1090kgという軽さも相まって、低速のクイックなコーナーでも、鼻先の入り方がとても素直な印象を受けた。 この「使い切れる楽しさ」は、小さくて速いクルマをつくってきたホンダの歴史と知見があってこそ。制限のある公道でも十分に楽しめる一台に仕上がっていた。 イメージカラーのブーストバイオレット・パールをはじめ、カラー展開は5色。Aピラーとルーフをブラックにした2トーン仕様を含めると、全部で9つのバリエーションから選ぶことができる。 価格は現時点で非公表。EVはCEV補助金と自治体の補助金が適用される。 EVを継続して市販することの難しさは、ホンダに限らず世界中のあらゆるメーカーが痛感していること。そのなかで、またひとつファンな気持ちになれるEVが誕生したことを素直に喜びたい。 本田技研工業株式会社 お客様相談センター 0120-112010 CAR 自動車ニュースタンダード研究所 【乗ってみた】身軽で使える「スモールEV」|ホンダ N-ONE e:/ヒョンデ インスタークロス CAR トピック 【おしゃれな大人のクルマ選び】ロードスターから大型SUVまで、マツダが考える「ひと中心のクルマづくり」の現場に潜入!