デカ厚マッチョ時計のブームは去った ヴァン クリーフ&アーペル 実際にこのコレクションの時計を持っている筆者が太鼓判を押す
エンジン時計委員会が新しいトレンドとしていま注目しているのが「ジェンダーレス・ウォッチ」だ。大径ケース、カラフル文字盤とここ最近の流行りが一段落したいま、新たに注目されているのが静かなる豪奢=「クワイエット・ラグジュアリー」と「ジェンダーレス」のキーワードだ。今回はそんな注目ウォッチのなかから、エンジン時計委員の本間恵子がこの一本をセレクトした。【写真3点】デカ厚マッチョ時計のブームは去った ヴァン クリーフ&アーペル 実際にこのコレクションの時計を持っている筆者が太鼓判を押すの詳細画像をチェック
エンジン時計委員、本間恵子 のイチオシはこれ!
ヴァン クリーフ&アーペル ピエール アーペル ウォッチ
ホワイトラッカーの文字盤にはヴァン クリーフ&アーペルを象徴する“ピケ”モチーフ。リュウズトップには0.04カラットのラウンドダイヤモンドがあしらわれる。手巻き。ローズゴールド、ケース直径38mm、30m防水、パワーリザーブ57時間。237万6000円。ホワイトゴールド・ケースのモデル(252万1200円)もラインアップしている。
優雅さで知られた名士の美意識を愛用したい
デカ厚マッチョ時計のブームが去り、デザインがエレガントで控えめな方向へ進んできて、筆者はとてもうれしい。
そんな今の時代に推したい「ピエール アーペル ウォッチ」は、すっきりとした薄型のドレッシーな時計だ。
名前の由来となったピエール・アーペルは、ヴァン クリーフ&アーペルの共同創業者の甥にあたる。スポーツに秀で、銀幕のスターや大富豪とも交友を結んだ社交界の花形であり、1973年の日本上陸を推進したのも彼だったという。
そんなピエールが1949年に自分のために作ったのが、このコレクションの原型。昔からピアジェやジャガー・ルクルトのムーブメントを採用しており、本作にも手巻きの830Pが使われている。
優雅さで知られた名士が自らの美意識のままにデザインしただけあって、あふれくる気品が何よりの魅力。この時計なら男性と女性との間でシェアして愛用するのにふさわしい。実際にこのコレクションの時計を持っている筆者が太鼓判を押す。
文=本間恵子
(ENGINE2025年4月号)
Source: デカ厚マッチョ時計のブームは去った ヴァン クリーフ&アーペル 実際にこのコレクションの時計を持っている筆者が太鼓判を押す