新車を次々に買い替えるのでなく、1台のクルマを何年も乗りたい。機械としての耐久性が高いだけでなく、愛着を持って長く乗れるのはどんなクルマか? 今回は、10年付き合える価値のあるクルマをピックアップしてみた。【画像ギャラリー】10年後でも快適に乗れるクルマはこれ!(17枚)文:長谷川 敦/写真:スズキ、トヨタ、フォルクスワーゲン、ホンダ、写真AC長年の相棒になるのはどういうクルマ? 今回のテーマは長く乗れるクルマだが、現在では動力源ひとつをとってもガソリンエンジンやディーゼルエンジン、ハイブリッドにEV(電気自動車)、FCEV(水素燃料電池車)など種類は多く、これにコンパクトカーやミニバン、SUVなどのカテゴリーも考慮すると選択肢は広すぎるほど。 動力に関しては、使用するに従って劣化するため一定のサイクルで交換が必要なバッテリーを使わない純粋な内燃機関(ガソリン&ディーゼルエンジン)が長く乗れる要素になる。 しかし、そうした純内燃機関車は年々数を減らしていて、その点においては車種選択の幅は狭い。 バッテリーをエネルギー源の一部、またはすべてに使用するクルマには難点もあるが、今後さらに発展を遂げる可能性も高く、高寿命化にも期待が持てる。 つまり、動力源は長く乗るためのポイントであることは事実なものの、それが決定的ではなく、むしろ扱いやすさや飽きのこないデザインなどの要素が重要といえる。 この記事では、さまざまな要素を加味しつつ「10年以上乗れるクルマ」を考えていきたい。定番なのには理由がある●トヨタ カローラ現行型のトヨタ カローラ。1966年の初代登場後すぐに国産モデルを代表する大衆車になり、それは世界にも波及。現在では世界一売れたクルマの地位を築いた 現在、世界で最も売れたクルマがトヨタのカローラで、2021年には世界累計販売台数5000万台を突破し、現在でもその記録を更新し続けている。 2026年に初代の登場から60周年を迎えるカローラは、手の届きやすい販売価格でありながら、ただの大衆車ではなく+αの魅力を持つという「80点+α主義」のコンセプトで作られている。 それが世界中のユーザーに受け入れられ、カローラは世界的大衆車だったフォルクスワーゲン タイプ1(ビートル)を抜いて世界で一番売れたクルマになった。 現行型12代目カローラが登場したのは2019年であり、それまでのセダン、ハッチバック、ワゴンに加えてクロスオーバーSUVもデビューした。 ボディデザインが先代より洗練され、さらにバリエーションも拡大した現行型カローラは、パワーユニットもガソリンエンジンとハイブリッドの両輪をそなえ、あらゆるニーズに応えている。 10年乗れるクルマとしてのカローラの強みは、基本的な性能と耐久性の高さだけでなく、大量販売されていることにより、故障した際にもパーツストックが万全なことがあげられる。 同じクルマを長く乗るにあたり、補修パーツ供給が十分なことが強力な後ろ盾になるのはいうまでもない。 カローラの奇をてらわない手堅いデザインも、流行に流されない強さがある。●ホンダ N-BOX2023年に登場した3代目ホンダ N-BOX。通常モデルのN-BOX(左)とN-BOX CUSTOMがラインナップされ、2024年にはN-BOX JOYも加わった 2011年に初代がデビューすると、瞬く間に大ヒットモデルへと登り詰めたのがホンダ製軽トールワゴンのN-BOX。 現在は2023年に販売が開始された3代目モデルに進化しているものの、基本コンセプトに変更はなく、パワーユニットも先代から継承している。 N-BOX最大の魅力は使い勝手の良さにある。 軽自動車規格のクルマながら室内空間には余裕があり、シートアレンジによるユーティリティの高さもポイント。 そして現行型では全モデルに安全運転支援システムのHonda SENSINGが装備されるなど、安全性への配慮も申し分ない。 N-BOXを長く乗り続けられる理由のもうひとつが外観の変化が少ないこと。 初代から3代目に至るまで基本的なデザインは継承されていて、これは歴代N-BOX全体を通じて古臭さを感じさせないことにつながる。 諸経費や燃料代など、軽自動車ならではのランニングコストの低さもまた、長期間乗れることへのアドバンテージになる。唯一無二の存在だから乗り続けられる●スズキ ジムニースズキ ジムニー。写真の現行型は2018年デビューだが、ジムニーのモデルサイクルは長く、しばらくの間はこの4代目モデルが継続販売されると思われる 本格クロスカントリーモデルの軽自動車、スズキのジムニーも長年の相棒になれるポテンシャルが高い。 オフロード走行もこなせる頑健さはクルマ自体の耐久性の高さの証明でもあり、長期間乗っても、必要なメンテナンスを行うことで良好な状態を保ってくれる。 モデルサイクルが長いのも長期間乗りたい人にとっては恩恵になる。 現行型のジムニーは2018年発売の4代目だが、その先代の3代目は1998~2018年の20年にわたって販売が行われた。 つまり、今すぐ現行型4代目ジムニーを購入したとして、10年後にもまだ“型遅れ”になっていない可能性が高い。 また、ジムニーはリセールバリューが高く、10年後に手放す場合にもそれなりの売却益が期待できる。 ただし、現状において新車ジムニーの納期が数カ月以上かかる見込みなのが難点ではある。EVだったらどのクルマ?●トヨタ bZ4X2025年にビッグマイナーチェンジが行われたトヨタ bZ4X。マイナーチェンジによってEVでは最も重要な性能となる航続可能距離が延ばされた 走行に伴うガスの排出がなく、環境負荷を減らすことができるEV(電気自動車)は、今後さらにシェアを拡大することが予想されている。 そんなEVのなかで注目したいのがトヨタのbZ4Xだ。 どちらかというとガソリンエンジン+電動モーターのハイブリッド車を推進していたトヨタだが、EVもしっかり開発していて、2022年にはBEV(バッテリー電気自動車)のbZ4Xをリリースした。 そして2025年10月にはビッグマイナーチェンジを実施したが、今回注目したいのがこのマイナーチェンジ後のモデルだ。 ビッグマイナーチェンジされたbZ4Xは満充電からの走行距離が延び、急速充電の充電時間短縮にも成功した。 同時にフェイスリフトも実施され、さらに近代的なルックスへと変化している。 もちろん、バッテリーの劣化など、EV特有の問題があるのは事実だが、そこはトヨタ製のモデルだけに、しっかりとしたサポートが受けられるはず。 以前に比べるとクルマの寿命は飛躍的に延びたといわれているが、それはEVも同様であり、これからの時代はEVも長く乗り続けることが当たり前になる可能性も高い。