衝突軽減ブレーキや数々の運転支援機能に加え、装備も豪華になり、新車の価格はどんどん上がっている。ひと昔前は100万円代前半で買えたコンパクトカーや軽自動車も今や昔。新車が高すぎるこの時代に、はたして「お値段以上のクルマ」はあるのか?文:渡辺陽一郎/写真:ベストカーWeb編集部【画像ギャラリー】お値段以上のクルマってほんとにあるの? 写真をズームして見て!(11枚)お値段以上のクルマ1/コンパクトSUV:スズキフロンクス●買い得グレード:2WD(254万1000円)スズキフロンクス 最近は「クルマの価格が高い」といわれる。現在の車両価格を同じ車種の同じグレード同士で15年前と比べると1.2~1.4倍に達する。運転支援機能や安全装備の充実に、原材料費の高騰なども加わり、大幅に値上げされた。 その一方で日本の平均給与所得は、15年前と現在で比較して、ほとんど増えていない。そうなると同じ車種の同じグレードに乗り替えるのは困難だから、小さな車種を選ぶユーザーが増えた。ということで「お値段以上」の買い得車をガイドしたい。 全長が4m以内に収まるコンパクトなボディは、最小回転半径も4.8mと小さく運転しやすい。全高は1550mmだから、SUVでは珍しく立体駐車場も使いやすい。フロンクスのコクピット。ほかの車種が19万円前後でオプション設定している全方位モニター付きメモリーナビも標準装着 その一方でボディサイズの割に後席や荷室が広く、身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ分を確保した。内装も上質だ。 装備は充実しており、先進安全装備のデュアルセンサーブレーキサポートII、後方の並走車両を検知して知らせるブラインドスポットモニター、カラー表示のヘッドアップディスプレイなど、ミドルサイズSUVの上級グレードに相当する装備を標準装着した。 さらにほかの車種が19万円前後でオプション設定している全方位モニター付きメモリーナビも標準装着する。2WDの車両本体価格は254万1000円だが、カーナビをオプション設定する一般的なコンパクトSUVに当てはめれば約235万円だ。買い得度がとても高い。お値段以上のクルマ2/ミドルサイズSUV:マツダCX-5●買い得グレード:XDブラックセレクション2WD(345万9500円)モデル末期ながら人気の高い現行CX-5のXDブラックセレクション2WDの価格は345万9500円 全長が4600mm以下だから、全幅は1845mmと少々ワイドになるものの、街中で運転しにくい印象はない。後席の頭上や足元の空間、荷室も広く、ファミリーカーとして使いやすい。 そしてエンジンは直列4気筒2.2Lクリーンディーゼルターボが注目される。最大トルクは45.9kg-mで、4Lのガソリンエンジン並みに高く、しかも実用回転域で発揮される。 2WDのWLTCモード燃費は17.4km/Lで、軽油の価格はガソリンに比べて1L当たり12円ほど安いため、燃料代はノーマルガソリンエンジンを搭載するコンパクトSUVのヤリスクロスと同等だ。 そしてディーゼルを搭載して実用装備を充実させたXDブラックセレクション2WDの価格は345万9500円に収まる。直列4気筒2Lノーマルガソリンエンジンを搭載する20Sブラックセレクション2WDと比較して、価格の上乗せを31万9000円に抑えた。XDブラックセレクションのコクピット 以上のようにCX-5は、運転しやすいボディサイズで十分な居住空間と荷室を備え、高い動力性能と低燃費を両立させたディーゼルエンジンも搭載して価格は割安だ。 なおCX-5は2026年中にフルモデルチェンジを受けるが、次期型はボディを拡大してディーゼルエンジンは廃止する。現行型のディーゼルを生産するのは2026年6月までだから、受注は4月頃に締め切る可能性が高い。したがって現行型を買うなら商談を早めに開始したい。現行型なら新型と違って30万円以上の値引きを引き出せることもメリットだ。お値段以上のクルマ3/コンパクトカー:ホンダフィット●買い得グレード:e:HEVホーム2WD(240万4600円)フィットe:HEV HOME。価格は240万4600円 フィットの主力グレードになるホームは、全長が4mを下まわる5ナンバーサイズのボディながら車内が広い。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ半だ。前後方向の広さはハリアーなどに相当する。 また燃料タンクを前席の下に設置したから、後席を床面へ落とし込むように格納すると広い荷室に変更できる。後席の座面を持ち上げて、前席の後ろ側に背の高い荷物を積むことも可能だ。e:HEVのホームのコクピット ハイブリッドのe:HEVでは、エンジンは主に発電を行って通常の走行はモーターが担当するから、加速が滑らかで運転しやすい。高速道路の巡航では、エンジンが直接ホイールを駆動して、燃料を節約する制御も行う。 高機能なe:HEVを搭載したホームの価格は240万4600円で、NAガソリンエンジンのホームに比べて35万4200円高い。 ただしe:HEVのホームには、後席のアームレストやUSBチャージャーも加わるため、の正味価格は約32万円だ。機能や装備に対して価格を割安に抑えた。コンパクトカーのなかで一番広い居住空間が魅力お値段以上のクルマ4/軽自動車:ダイハツムーヴキャンバス●買い得グレード:ストライプスG/セオリーG 2WD(175万4500円)ストライプスG。価格は175万4500円 今の軽自動車では、スライドドアを装着する車種が人気だ。その中で価格の割安な車種はムーヴキャンバスのストライプスGとセオリーGになる。価格は175万4500円だ。 ムーヴキャンバスの買い得度は、基本部分を共通化した新型ムーヴと比べると分かりやすい。ムーヴキャンバスGの価格は、新型ムーヴG(171万6000円)に比べて3万8500円高いが、新型ムーヴGでオプション設定になる360度スーパーUV&IRカットガラス+運転席&助手席シートヒーターのセットオプション(オプション価格は3万3000円)、右側スライドドアの電動機能(5万5000円)が標準装着される。 さらにムーヴキャンバスGには、新型ムーヴが装着していない「置きラクボックス」も備わる。後席の下に装着された引き出し式の収納設備で、引き出した状態でツイ立てをセットすると、バスケット状になって内側に置いた買い物袋が倒れにくい。ストライプスG。9インチスマホ連携ディスプレイはメーカーオプション このほかムーヴキャンバスGには、暖かい飲み物を冷やさないカップホルダーの保温機能、ストライプスカラーなどの外装色も加わる。そうなるとムーヴキャンバスGは、新型ムーヴGに比べて、総額18万円相当の価値を加えている。価格差の3万8500円を差し引いても、約14万円はムーヴキャンバスGが買い得だ。セオリーG。価格は175万4500円 「新型ムーヴは価格が割安」といわれるが、ムーヴキャンバスは、さらに買い得度が強い。ムーヴキャンバスの外観は若い女性向けの印象を受けるが、外装がシックなセオリーGを選び、外装色も深みのあるブルーなら男性にも似合うだろう。「お値段以上」の軽自動車を選びたいなら、ムーヴキャンバスに注目したい。セオリーGのインテリア。9インチスマホ連携ディスプレイオーディオはメーカーオプション