サーキットが先? レースが先? 意外や意外なモータースポーツの歴史


モータースポーツの原点はラリー寄りだった!?

 日本はもちろん、世界各地にあるモータースポーツの舞台となるサーキット。クルマ好きにとっては、合法的にその性能をフルに発揮できる場として知られているが、いつ頃からサーキットはあったのか? そもそもモータースポーツって最初からサーキットだったのか? モータースポーツの歴史に簡単に触れながら、サーキットがいつ頃登場し、現存する古いサーキットはどこなのか紹介していこう。

文:西川 昇吾/画像:池之平昌信、三菱、Fiat、INDY CAR、ベストカーWeb編集部

【画像ギャラリー】サーキットと一緒にモータースポーツの歴史を振り返ろう! いちばん古いのはどこだ!?(3枚)

黎明期のレースは公道で

モータースポーツの原点はラリー寄りだった!?

モータースポーツの原点はラリー寄りだった!?

 そもそもモータースポーツは当初サーキットでは行われていなかった。というかモータースポーツ黎明期にはまだサーキット……というかクローズドコースといったものがなく、公道で行われていた。そういった意味ではモータースポーツの原点にはラリーの方が近いのかもしれない。

 世界初の自動車レースは1894年に開催された「パリ-ルーアン・トライアル」と言われている。これはパリをスタートして127km先にあるノルマンディー地方の古都ルーアンを目指すレースであった。

 このレースは現在のモータースポーツのように、商業的なビジネスを意識したものではなく、どのような自動車が優れているかを見極める側面が強かった。現在の主流がガソリンエンジンとなっているが、この時は蒸気機関や電気自動車など様々なパワーソースを持つ自動車が走行していた。

世界初のサーキットは1907年にイギリスで

1900年代に猛威を振るっていたのはフィアットだった。画像は1907年当時のFiat Typ 130 HP Grand Prix Corsa

1900年代に猛威を振るっていたのはフィアットだった。画像は1907年当時のFiat Typ 130 HP Grand Prix Corsa

 そんな中、世界初のクローズドコース、もとい常設のサーキットは1907年に登場したと言われている。それがイギリスにあった「ブルックランズサーキット」だ。全長4.43kmのバンク付きコースは、レイアウトを見てみるとどちらかと言えばオーバルコースに近い。

 しかし、第二次世界大戦時に軍用機の生産開発拠点とされてからは、サーキットとして復活することはなかった。

 ちなみにこのサーキットのオープニングイベントでは日本人ドライバーの大倉喜七郎氏がフィアットを駆って出場していた。

 現在、広大な跡地ではバンクコースの傾斜が見られるほか、モータースポーツと航空機の博物館がある。また、一部は形を変えてメルセデスベンツのドライビング体験施設となっていて、モータースポーツの発祥を体感できる場となっているのだ。

現存する最古のサーキットはインディアナポリス

佐藤琢磨が参戦していることで日本でも有名なインディ500のサーキットが持つ歴史も長い

佐藤琢磨が参戦していることで日本でも有名なインディ500のサーキットが持つ歴史も長い

 現存するサーキットの中で最古のサーキットはアメリカにあるインディアナポリス・モーター・スピードウェイで、1909年に開設され世界で2番目に出来たサーキットとされている。世界三大レースである「インディ500」の舞台で知られているこのサーキットも、バンクが特徴的だが、このバンクは実はブルックランズサーキットのものを参考にしたと言われている。

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