新型レクサスES。新しいデザイン言語が採用されていてカッコイイ! 中国オート上海でデビューしたレクサスの新型ES。来春には日本でも発売されるというが、スペックを見て不思議に思った。先代モデルから110mmも車高が高くなっているのだ。いったいなんでだろう?文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ自動車新型レクサスES。新しいデザイン言語が採用されていてカッコイイ!【画像ギャラリー】透視図でレクサスESの内部をじっくり見て!(100枚)TNGA-Kプラットフォームで作ったトヨタ初のBEV新型レクサスES。新しいデザイン言語が採用されていてカッコイイ! 新型レクサスES。新しいデザイン言語が採用されていてカッコイイ! 新型レクサスESはメチャかっこいい。抑揚をあえてそぎ落とし、シンプルな面構成としたボディが新時代のレクサスを表現している。来春には日本にも上陸するというから楽しみで仕方がない。 そんなことを考えてリリースを読んでいたら車高に目が留まった。先代に比べてなんと110mmも高い(1555mm)。「クロスオーバーになったのか」と言いたくなるような大変身だ。 実際のESは、5140mmという全長と1920mmという全幅、さらにはドアの切れ込みのような処理が見事に背の高さを打ち消しているのだが、それにしてもなんでこんなに車高を高くしたのだろうか。以下はベストカーWebの予想だが、プラットフォームと電動化が関係していると思われる。 新型ESは、トヨタの中~大型横置きエンジン用プラットフォームである「TNGA-K」というプラットフォーム(車台)で使っている。同じプラットフォームは、ESの先代モデルや兄弟車のカムリはもちろん、クラウン(セダンを除く)やアルファード/ヴェルファイア、RAV4、センチュリーSUVなども使っているのだが、いずれも「エンジン車」という点が共通。 ところが新型ESは違う。ES350eとES500eというBEVモデルをラインナップしているのだ。これまでトヨタのBEVは、e-TNGAというプラットフォームを使って作られていたが(bZ4XやレクサスRZ)、新型ESはTNGA-Kという内燃機関プラットフォームで作られた初のBEVなのだ。電池のスペースを生み出すために背が高くなった新型ESのバッテリー。こいつを床下に配置するため背が高くなった 新型ESのバッテリー。こいつを床下に配置するため背が高くなった これについては、2023年6月に開かれた技術説明会「トヨタ・テクニカル・ワークショップ」がヒントになる。 この説明会でトヨタは、ハイブリッドにもBEVにも使える車台として「マルチパスウェイプラットフォーム」という技術を発表し、実際にクラウンクロスオーバーを使ったBEVを公開してみせた。ちなみにこのクラウンクロスオーバーも、「TNGA-K」由来のクルマであることに注意したい。 とはいえ、ここでは問題が起きたはず。BEV用のプラットフォームでは、床下に駆動用バッテリーを敷き詰める「余裕」が必要になる。その上でキャビンに一定の室内高を確保するには、クルマの車高を高くする必要があるわけだ。 長い説明になったが、新型ESが11cmも車高が高くなったのは、こいつが理由だと思われる。新型ESはエンジン車由来のフロアにBEV用電池を置いた。そのバッテリー分の「かさ上げ」が、車高の高さの理由なのだ。「そこまでしてプラットフォームを共用する必要があるのか」と考える人もいると思うが、内燃機関からBEVへの過渡期においては、恩恵は計り知れない。市場のニーズに応じて、「共通のお皿の上に盛り付ける料理だけを変えていけばいい(HEVとBEVを自在に作り分けられる)」ので、コストも速度感も圧倒的に有利なクルマ作りができるのだ。 こんな点からもレクサス新型ESの登場がますます楽しみになってきた。日本発売の知らせを、一刻も早く聞きたいものだ。投稿 【大疑問】新型レクサスESは先代に比べてなんで11cmも車高が高くなったのか? は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。