9年ぶりフルモデルチェンジした「マツダの最重要・量販車種」 マツダは2026年5月21日、新型ミドルサイズSUV「CX-5」を発表しました。同日より販売を開始しています。 世界戦略車でかつ最量販車種となっているCX-5は、マツダの屋台骨を支える中核モデルとなっており、2027年度の事業計画においても非常に重要なポジションを担っています。 9年ぶりとなる今回のフルモデルチェンジで、どのように進化したのでしょうか。9年ぶりにフルモデルチェンジした新型「CX-5」 CX-5は、2012年に登場したミドルサイズクロスオーバーSUVの世界戦略車です。【画像】9年ぶり全面刷新! これがマツダ「新型CX-5」です! 画像で見る(30枚以上) スポーティで都会的なデザインと、マツダが提唱する「人馬一体」の俊敏な走り、環境性能と走行性能を高めるマツダ独自の「SKYACTIV(スカイアクティブ)」技術を採用した点が特徴です。 初代は、現在も続くデザインテーマ「魂動(こどう)― SOUL of MOTION」デザインを初採用したモデルでもあり、新技術の採用による走行性能や環境性能の追求だけでなく、デザイン面においてもマツダのラインナップを牽引していくモデルとなっています。 2017年には2代目へと切り替わり、デザイン変更や「SKYACTIV」テクノロジーによる低燃費化と走行性能の強化に加え、最新の先進運転支援システムを搭載するなど、進化しました。 初代の登場以来、世界100以上の国と地域で展開。グローバルでは年間33万台、累計500万台以上を販売するなど、マツダの現行ラインナップにおける最量販車種に成長し、ビジネスの屋台骨を支える主力商品となっています。 また日本国内においても、近年クロスオーバーSUVの人気が高まっており、デザインや走り、使い勝手の良さが支持されたことで、初代から好調な販売を記録。国内の乗用車販売の約4分の1を占めています。 2025年7月、9年ぶりのフルモデルチェンジを迎え、通算3代目となった新型が世界初公開され、すでに欧州や米国で販売を開始。 それに続き、今回日本で正式に発売されました。9年ぶりにフルモデルチェンジした新型「CX-5」 新型CX-5は開発コンセプトを「新世代エモーショナル・デイリーコンフォート」と定め、内外装のデザインを一新したほか、新開発のハイブリッドの搭載、通信・アプリケーションの拡充による最新のコネクティッド機能、先進運転支援機能の強化も図り、時代の変化に合わせ、全方位で進化しました。 最量販モデルとして重要なポジションを担っている新型CX-5ですが、2026年5月の決算説明会では、今後のビジネス成長戦略においても各市場での販売の中心となるモデルとして挙げられています。 新型の投入のねらいや進化したポイントについて、開発主査の山口 浩一郎氏に聞きました。「グローバルでマツダとして一番売れているクルマということもあり、これまで乗っていただいている顧客基盤(ユーザー数)が一番多いクルマとなっています。その既存のお客様にしっかりアプローチできるようにするという面がまずあります。 一方で、CX-5はいつの時代も、その時代における変革を求められるクルマでもあります。『前と同じものを作りました』では許されない。守っていかなければいけない領域と、攻めて変革しなければいけない領域、その両方があります。それを考えながら、どこにどう配置するかが悩んだところです。 具体的にどう実現したかというと、コンセプトで掲げた『エモーショナル』『デイリーコンフォート』『新世代価値』の3つに紐づいています。『エモーショナル』は、マツダとして他社に絶対に負けられないし、守らなければいけない領域(核)です。具体的にはスタイリングや、人馬一体の軽快でしっかりした走りです。 ここは今のお客様が認めてくださっている部分なので、絶対に守るべきポイントとして引き継いでいます。 それに対して『デイリーコンフォート』の領域は、これまでもマツダとして提供してきましたが、まだ不十分だからもっと頑張ろうと捉えた改善領域です。 エモーショナルな走りと快適性を両立させるのは難しいのですが、これまで小さかった室内空間や荷室を大きくし、静粛性や乗り心地も含めて両立させ、しっかりと向上させました。 その上で、上から重ね合わせた『新世代価値』は変革を求めた領域となります。HMI(ヒューマンマシンインターフェース)、先進安全技術、コネクティビティです。これまでは提供できなかったものを、新技術によって実現しました。 最大15.6インチの大画面を利用したGoogle音声システムや、詳細なパーソナライズ設定など、業界最先端のものを入れています。そのために、電子プラットフォームを全部刷新し、『MAZDA E/E ARCHITECTURE+』を新たに採用しています」「330万円スタート」 詳細スペックは? では、9年ぶりのフルモデルチェンジで具体的にどのように進化したのか、デザインやパワートレイン、先進運転支援システムなどを見てみます。 2代目(先代)CX-5の登場時、上質さを追求した内外装デザインを採用したことでさらなる支持を獲得しましたが、そのいっぽうで、「街でも着られるアウトドアウェア」を提供した初代のように、ラフに使いづらくなったという意見が寄せられたといいます。 新型では、「Wearable Gear(ウェアラブルギア)」をコンセプトとし、「会社帰りに山登りに行けるタウンウェア」をキーワードに、日常で使いやすい都会派SUVでありながら、スポーティなプロポーションと快適な居住性の両立を図り、行きたいところに行けるようなデザインとしました。新型「CX-5」の新色「ネイビーブルーマイカ」 エクステリアでは、シルエットを相似形的に拡大させ、CX-5らしいスポーティなスタイルと広い室内空間を両立しました。 フロントはボンネットの先端を高くし、厚みをもたせるとともに、ロアグリルを左右に広げることでワイド感を演出。レッドの加飾を組み込んだ特徴的な灯体のヘッドライトとあわせ、堂々としたフェイスを表現しました。 リアはキャラクターラインを廃した造形と、ボディ色塗装部を上下に圧縮し、スポーティでワイドなデザインとしました。加えて、マツダ新採用となる「MAZDA」バラ文字のエンブレム、近年トレンドの水平基調のランプを装備し、力強さを与えています。 ボディカラーは新色となる「ネイビーブルーマイカ」をはじめ、7色を用意しました。 ボディサイズは全長4690mm×全幅1860mm×全高1695mm、ホイールベース2815mmです。2代目(全長4575mm×全幅1845mm×全高1690mm)よりも、115mm長く、15mm幅広く、5mm高くなっています。 またホイールベースは115mm延長し、延長部をすべて前席以後に用いることで、居住性の大幅な向上を図りました。先進的なデザインになった新型「CX-5」のインテリア インテリアはマツダらしいモダンで上質なデザインをベースに、水平要素を取り入れて車両姿勢を把握しやすいものとしました。ステアリングにもMAZDAのバラ文字ロゴを取り入れるとともに、最大15.6インチの大画面インフォテイメントや段差のないステアリングスイッチを搭載し、先進的な印象ももたせています。 ロングホイールベース化により、リアの居住性は大幅に引き上げられ、後席のニースペースやヘッドルームが大幅に拡大。バックドア開口部や開口角度も広げ、乗降性も高められています。 ラゲッジスペースはラゲッジ開口部の高さの低減と奥行きの拡大により、スーツケースの4個積み、ベビーカーの縦方向の積載も可能としています。 また、開口部の大きいパノラマサンルーフを設定し、開放感のある明るい室内としています。 パワートレインは2.5リッターガソリン自然吸気直噴エンジンとマイルドハイブリッドを組み合わせる「e-SKYACTIV G2.5」を国内初搭載。エンジンのみで最高出力178馬力・最大トルク237Nmを発揮します。組み合わせるトランスミッションは6速ATのみです。 エンジンはミラーサイクルやアイドリングストップ、可変バルブタイミング、気筒休止などを搭載。マイルドハイブリッドと合わせて、燃費性能はWLTCモードで15.2km/L(4WD車は14.2km/L)をマークしました。駆動方式はFFをベースに4WDも設定しています。 なお2027年以降は次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-Z」と独自の新開発ハイブリッドシステムを組み合わせたモデルも登場する予定です。 走行性能ではこのほか、新たな開発手法「モデルベース開発」を取り入れた新ダンパーの採用とバネレートを低めにしたサスペンションにより、突き上げを抑えた乗り心地を実現。 パワーステアリングも操舵力を軽くしつつも、フィードバックを感じ取れる制御とし、人馬一体の走りを追求しています。 運転支援システムでは、衝突被害軽減ブレーキや「マツダレーダークルーズコントロール(MRCC・全車速追従)」、360度モニター、車線逸脱防止支援などを全車に標準装備。 新たにドライバー異常時対応システム(DEA)を進化させたほか、マツダ初採用となる運転状況の先読みアシストを行う「プロアクティブドライビングアシスト」、渋滞時ハンズオフアシスト機能などを設定し、安全性の向上と疲労の軽減を実現しました。 また先進のコネクティッド機能として、インフォテイメントシステムにマツダ初となるGoogleを搭載。手持ちのスマートフォンなどとシームレスにGoogleサービスを利用できるとともに、音声によるエアコンなどの操作も可能としています。 グレード構成はベーシックな「S」、中級モデルの「G」、シートベンチレーション付き本革シートやBOSEサウンドシステム、15.6インチモニターなどを装備する最上級モデル「L」の3タイプを用意します。 新型CX-5の価格(消費税込)は330万円から447万1500円です。 価格について、先出の開発主査 山口氏は、「300万円台の中盤あたりが一番購入を検討されるボリュームゾーンですので、そこにはちゃんとアプローチする」とし、「単に安いではなく欲しい機能が詰まっていて、適正な価格で買えるという納得感を持っていただけると思います」と話しています。 新型CX-5はSUVの定番モデルとなるべく、マツダ車の魅力であるエモーショナルを高めつつ、快適性能や、最新インフォテイメントの採用によって新型モデルらしい価値を高め、既存オーナーの乗り換え需要を含め、長く愛されるSUVを目指して進化しました。 2026年5月の決算発表の場では、2026年度(2027年3月末まで)の事業の取り組みとして、日本、北米、欧州の各市場で新型CX-5の販売を加速させると示しており、販売の促進による利益の向上も見込んでいます。 今後の販売台数の推移にも注目が集まります。【画像ギャラリー】9年ぶり全面刷新! これがマツダ「新型CX-5」です! 画像で見る【画像ギャラリー】これが新型CX-5も「インテリア」です!新車172万円! マツダ「マツダ2」生産終了で問合せ“増加”! 「デミオ」から続く30年の歴史に幕で「駆け込み需要」も? 終売の「お手頃コンパクトカー」が販売店でも話題に