「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、2013年にビッグマイチェンされたメルセデス・ベンツ Eクラスだ。メルセデス・ベンツ Eクラス(2013年・4代目マイナーチェンジ)2009年にデビューした、4代目となるメルセデス・ベンツ Eクラスが、大がかりなマイナーチェンジを受けた。フロントマスクは最近のメルセデス ファミリーと共通のイメージでまとめられ、新開発の直噴リーンバーン ダウンサイジングターボ エンジンも搭載された。まずは日本導入を前にドイツ本国で行われた国際試乗会からレポートをお届けする。今回行われたリファインでは、現行Eクラスの残りのライフ中も高い商品力をキープすべく、新開発エンジンの導入や、次期Sクラスに採用予定のドライバーアシスト システムの、一部前倒しでの投入などが行われた。AMGモデルの「A」の字をモチーフにあしらったというフロント ロアグリルの造形(アバンギャルド仕様も同様のデザイン)も含め、また伝統の4灯式のイメージは継承しつつもカバーレンズが一体化されたヘッドランプや、より立体的化が進んだフロントバンパーを採用する新型のルックスは、正直なところ、これまでよりも好みが分かれるだろう。見る人によっては、繊細さが薄れたと感じられるかも知れないが、それゆえにフレッシュなイメージを漂わせているのもまた事実だ。今回、メインでテストドライブしたE250に搭載されるのは、新開発された2L 直噴の直列4気筒エンジン。その目玉は、ターボ付きとしては世界初を謳うリーンバーン ユニットであること。これによって、ヨーロッパでの審査値ではCO2排出量がわずか135g/kmに過ぎない。新開発の2L 直4ターボはリーンバーンを採用。EU総合燃費では16.4〜17.2km/Lを達成している。最新ディーゼルを彷彿とさせるリーンバーン ターボ乗り味は路面やスピードを問わず何ともしなやかで、同時に圧倒的なフラット感を演じることにまずは驚かされる。一方、この新エンジンが放つフィーリングは必要にして十二分に速く、日常シーンでもトルクフルだ。その走りは、同時に試乗したE350 ブルーテックのディーゼルエンジンにも引けをとらない、そんな印象だった。正直いって、回転の上昇に伴うパワーの伸び感やサウンドの心地良さという点では、さほど特筆すべき部分はない。だが一方、ごく低回転域からディーゼルのごとき太いトルク感が得られるので、なるほどこれならば燃費も優れているだろうと、アクセルペダルを踏みながらにしてそんな感覚を受けるのが印象的だった。セダンと同時にワゴンも発表された。どちらも従来型に比べてリアビューはフロントほど変わっていない。4WDシャシも選べるようになったE63 AMGにも試乗することができた。従来型よりもさらにパワーアップしたユニットを搭載することもあり、その速さは「もう手が付けられない」ほど。ウエットはもとより、ドライ路面でもより安心してアクセルペダルが踏み込めるのは、明らかに4WD仕様。左ハンドル仕様のみの生産というのが何とも惜しいところだが、EクラスのAMGモデルは、今後は4WDモデルが主流になっていくのかも知れない。また一歩、自動運転に近付いたかと思わせるさまざまなドライバーアシスト システムの充実ぶりは、とてもここには書ききれないほど内容が多彩。それも含め、どこをとっても「完璧主義のメルセデス」を、あらためて実感させられた。専用のフロントマスクが与えられたE63 AMG。駆動方式は4WDも選べるようになったが、左ハンドル仕様のみに設定される。●全長×全幅×全高:4880×1855×1470mm●ホイールベース:2875mm●車両重量:1700kg●エンジン:直4 DOHCターボ●総排気量:1991cc●最高出力:155kW(211ps)/5500rpm●最大トルク:350Nm(35.7kgm)/1200-4000rpm●トランスミッション:7速AT●駆動方式:FR●燃料・タンク容量:プレミアム・80L●JC08モード燃費:15.5km/L●タイヤサイズ:245/45R17●当時の車両価格(税込):595万円