1台は日本に生息中!? 幻のランボルギーニ「ディアブロGT2」米国で販売中! 2台しか制作されなかった“レーシング仕様”はどんなモデル?
ランボルギーニのフラッグシップがベースのレース仕様
アウトモビリ・ランボルギーニS.p.A.は、「ディアブロ」がランボルギーニブランドのフラッグシップモデルだった1997年に、GT2レギュレーションに準拠した「ディアブロGT2」を開発しました。
アメリカで販売中の「ディアブロGT2」(C)CURATED
【画像】「えっ…!」世界にわずか2台だけ! これが幻のランボルギーニ「ディアブロGT2」です(20枚)
同マシンには、640馬力以上を発生する改良型の6リッターV12エンジンが搭載され、レース参戦を目指したとされていますが、その本気度がどれほどのものだったのか、今となっては不明です。
「ディアブロGT2」は、車体にカーボンファイバーで補強されたフルレーシングシャシーを採用。主要な国際サーキットでおこなわれた新たな空力技術やエンジン技術の開発用テスト車両として活躍するとともに、後の「ディアブロGT」や「ディアブロVT6.0」など、市販モデルの誕生にも貢献しました。
「ディアブロGT2」のルックスは、「ディアブロSV-R」などに酷似しており、スライド式プレキシガラスを使ったサイドウインドウ、フルロールケージ、マルチポイントハーネスつき単一レーシングシートを特徴としていました。
「ディアブロGT2」は、「ボローニャモーターショー1998」でデビューし、その後「コペンハーゲンオートショー」にも登場。35万ドルというプライスタグを掲げていたものの、個人ユーザー向けの販売は計画されていませんでした。
また、生産された2台の「ディアブロGT2」は、「ディアブロGT」と「同GT1」のテスト車両として使われる際、さまざま改良が施されました。1998年に開催されたレース「フランス自動車スポーツ連盟(FFSA GT)選手権」では、DAMSレーシングから1台がエントリーし、エマニュエル・クレリコとルイジ・モッチアがスポット参戦しています。
その後、1台は2015年までランボルギーニ博物館に展示され、もう1台は日本の個人コレクターの手に渡ったといいます。
●レースでの活躍はなくとも後のモデル誕生に貢献
結局、「ディアブロGT2」は目立った戦績を残すことはなく、ランボルギーニがアウディ傘下となったことでプロジェクト自体が終了。
しかし、「ディアブロGT2」の開発などで得られたデータを元に、ランボルギーニは「ジュネーブオートショー1999」でより洗練された「ディアブロGT1」を発表します。
同じ6リッターのV12エンジンを搭載し、より劇的なボディワークを特徴とする「ディアブロGT1」はこちらも2台のみが制作され、主に日本のSuperGTで活躍しました。
本記事の主役である「ディアブロGT2」は、2017年9月にスイス・ヌーシャテルで開催された「第1回ランボルギーニ・コンクール・デレガンス」のワンオフ&カスタムビルトカークラスで3位を受賞。ちなみに、この世に2台が存在しているにもかかわらず、“ワンオフ”として扱われた点は興味深いところです。
そして現在、かつてランボルギーニ博物館に展示されていた「ディアブロGT2」が、アメリカのヴィンテージ・スーパーカー専門店「CURATED」で販売中です。気になる価格は非公開となっています。
「ディアブロGT2」は、市販車とレーシングカーの狭間に生まれた幻のランボルギーニといえる存在です。わずか2台しかつくられず、本格的なレース活動も限られていましたが、その後のランボルギーニのモータースポーツ活動や高性能モデル開発に多大な影響を与えました。
すでに1台は日本に存在しているので、当該車両をどなたかが購入して輸入すれば2台とも日本でコンプリート……なんて、また悪い想像をしてしまいます。