25/04/2025 · 5 ヶ月前

レースカーのようでいて快適!6496cc12気筒エンジンへのこだわりが光るフェラーリ「12チリンドリ・スパイダー」

レースカーのようでいて快適!6496cc12気筒エンジンへのこだわりが光るフェラーリ「12チリンドリ・スパイダー」

フェラーリが2024年5月に発表した「12チリンドリ・スパイダー」というオープンモデルに、25年2月に乗りました。12気筒エンジンをフロントに搭載していて、往年の名車「365GTS/4」からインスピレーションを受けたというボディデザインが魅力的です。

■12気筒エンジンにこだわるフェラーリの矜持

12(ドディチ)チリンドリという車名は、ちょっと耳慣れないですが、英語にすると12シリンダー、12気筒エンジンを意味します。

世の中が(ゆっくりとではありますが)EVへと向かう中で、「できる限り12気筒エンジンにこだわっていたい」とするフェラーリの矜持を感じさせる車名でもあります。

実際に、今回の6496cc12気筒エンジンは、このクルマのために、いろいろなところに手が入れられていて、今日び珍しい自然吸気型(ターボでない)でありながら、610kWの最高出力と678Nmの最大トルクを発生します。

とくに注目は、最高出力の発生回転数が9250rpmと、かなり高いこと。まるでレースカーのようです。加速していくと、ふつうのクルマなら危険域、レッドゾーンに入るところ、フェラーリの12気筒は実にスムーズに回るのです。自然吸気の良さを活かしたフェラーリならではの力作です。

■「いま乗っているのはほんとうにフェラーリか」という快適さ

私が12チリンドリ・スパイダーに乗ったのは、ポルトガルはリスボン郊外。きれいな景色が楽しめる海岸沿いの道を中心に、峠道や高速道路のミックスで走りました。

コーストラインを走るときは、当然、オープンです。このクルマはエンジンをフロントに載せた後輪駆動。ソフトトップでなく、電動格納式ハードトップを備えています。ウインドシールドが長めで、サイドウインドウを下ろしていても、風の巻き込みはかなり抑えられています。

さきに、エンジンはまるでレースカーのように高回転域まで回ると書きましたが、一方、低回転域でも十分にトルクが出て、低い速度でも扱いやすいのが特徴です。

サスペンションシステムは電子制御で、速度を上げてカーブが続く屈曲路を走るときは車体が傾くのを抑えて、ハンドルの動きに敏感にこたえて、じつに気持ち良く走ってくれます。

一方、海岸沿いの道や市街地では、車体が跳ねたり、路面からの衝撃を乗員に伝えることもなく、まことに快適。いま乗っているのはほんとうにフェラーリかな、なんてふと思ったりするほどです。

アクセルペダルをちょっと踏み込んでみたときのダッシュ力の鋭さや、そのときに地面に張り付くような、いわゆる“姿勢”のコントロール性の高さ、それに先に触れたとおり超をつけたいぐらい高回転型のエンジンの気持ち良いフィーリングなど、ほかではなかなか手に入らない要素がそろってます。

コクピットは、コクーン(まゆ)とかデュアルコクピットとか呼ばれる、ドライバーズシートとパセンジャーシートが同じようなかたちで独立して並んだようなデザイン。

シートの素材や内装材は、好みでオーダーできるので、ぜいたくにも、スポーティにも、仕上げられます。どちらに振っても、おかしくないのが、スーパーGTとも呼びたい12チリンドリ・スパイダーの魅力です。

【specifications】

Ferrari 12 Cilindri Spider

全長×全幅×全高:4733×2176×1292mm

ホイールベース:2700mm

エンジン:6496cc V型12気筒(NA)

駆動:後輪駆動

最高出力:610kW@9250rpm

最大トルク:678Nm@7250rpm

乗車定員:2名

燃費:15.9L@100km(WLTP)

価格: 6241万円~

>> フェラーリジャパン

<文/小川フミオ、写真/ミニ・ジャパン>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

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