スバルファンに朗報です。ジャパンモビリティショー2025に出展された「パフォーマンスB STIコンセプト」の市販版が登場する可能性が浮上しました。 予想されるスペックは、多くのファンが待望する1.8Lターボエンジンと6速MTの組み合わせ。この記事では、新型スポーツモデルの予想価格をカーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが考察。戦略的な価格設定や詳細なスペック、登場の背景に迫ります。 スバル Performance-B STI concept ジャパンモビリティショー2025出品車両「新型スポーツモデル」は1.8Lターボ+6速MTで登場か ジャパンモビリティショー2025に出展された「スバル パフォーマンスB STIコンセプト」。この市販版と目される新型スポーツモデルが登場する可能性があります。 詳細は不明で、販売店も「メーカーから何も情報を得ていません」と言います。多くのスバルファンが期待しているのは、そのスペックでしょう。そこで筆者が以下のようにスペックを予想します。 パワーユニットは、十分な動力性能を確保しつつ価格を抑えるため、レヴォーグやフォレスターに採用されている水平対向4気筒1.8Lターボエンジンになると思われます。 動力性能は基本的にレヴォーグと共通で、最高出力は177馬力(5200〜5600回転)、最大トルクは30.6kg-m(1600〜3600回転)前後と想定されます。 実用回転域の駆動力に余裕があり、街中から高速道路まで優れた走行性能を発揮するでしょう。あるいは、新開発のターボエンジンを搭載する可能性もあります。 駆動方式は、ターボエンジンを搭載するスバル車なのでAWD(全輪駆動)です。トランスミッションは6速MT(マニュアルトランスミッション)を採用する可能性が高いです。 今のスバルで6速MTを搭載するのは2ドアスポーツカーのBRZのみなので、MTが欲しいユーザーには大切な選択肢になります。 スバル BRZサスペンションは、前輪がストラット式、後輪はダブルウィッシュボーン式の4輪独立懸架となるでしょう。ショックアブソーバーの減衰力を変化させる機能は装着せず、シンプルにすることでコスト低減を図ると考えられます。 「新型スポーツモデル」の予想ボディサイズ スバル パフォーマンスB STIコンセプト新型スポーツモデルのボディサイズはインプレッサに近いと予想されます。以下は新型スポーツモデルの予想とインプレッサのサイズを表にまとめたものです。 全長は4500mm前後、全幅はインプレッサより少し大きく1800mm前後となる可能性が高く、全高はインプレッサより少し低い1465mm程度でしょう。 スバル インプレッサまた、最小回転半径はタイヤサイズがインプレッサと異なり(市販版は18インチの225/45R18の可能性が高い)、ボディの造りもインプレッサとは少し変更されるため、5.5m前後となる可能性があります。 実用性も両立 参考:スバル インプレッサの後席なお、ボディサイズやホイールベースがインプレッサに近いため、居住空間やトランクスペースの広さも同程度と予想されます。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先には、握りこぶし2つ少々の余裕があります。 スポーツモデルでありながら、ファミリーカーとして使える実用性もメリットです。 「新型スポーツモデル」の予想価格は360〜390万円! 発売時期は2026年後半か 新型スポーツモデルの価格を予想する上で参考になるのがレヴォーグです。レヴォーグには、水平対向4気筒1.8Lターボと、2.4Lターボが用意されます。駆動方式はすべてAWDで、トランスミッションはCVT(無段変速AT)です。 価格帯は1.8Lターボが363万円から468万6000円、2.4Lターボは509万3000円から536万8000円です。 スバル レヴォーグ新型スポーツモデルは、レヴォーグの1.8Lターボに相当する5ドアハッチバックと考えれば良いでしょう。そうなると価格も予想できます。レヴォーグの1.8Lターボが363万円から販売されていること、そしてこの新型車が価格の安さに重点を置くことを考慮すると、予想価格は360〜390万円です。 予想発売時期は2026年後半 パフォーマンスB STIコンセプトは複数パーツを装着していますが、ベーシックなグレードはシンプルな構成となる予定ですパフォーマンスB STIコンセプトの開発者は「ベーシックなグレードの装備はシンプルに抑えます。その代わり購入後にもパーツを加えたりして、楽しめるクルマ造りを目指します」と述べています。 クルマの価格が高騰する時代に、新型スポーツモデルは新しい商品価値を提供する「走りの楽しい新型車」になりそうです。発売は2026年の後半と予想されます。 なぜ今「求めやすいスポーツモデル」が開発されるのか 新型スポーツモデルは、レヴォーグ1.8Lターボのハッチバック版であり、インプレッサとWRX S4の中間的な車種と見ることができます。なぜ今、このようなモデルが求められるのでしょうか。 現行WRX S4の「価格」という課題 スバル WRX S4スバルには伝統的なスポーツセダンとして「WRX S4」がありますが、価格がネックになっています。 水平対向4気筒2.4Lのターボエンジンと独自のAWDを組み合わせ、峠道やサーキットでも優れた走りを楽しめますが、最も安価なGT-H EXでも447万7000円、STIスポーツR EXになると502万7000円です。 高性能を考えれば割高ではありませんが、購入しやすいとはいえません。その影響もあり、WRX S4の販売は低迷しており、2025年の1か月平均登録台数は200台前後で推移しています。これはフォレスターと比較すると5〜10%程度の水準となっています。 スバルの社内でも「もう少し求めやすいスポーツモデルを用意することが、国内市場の活性化に繋がる」という意見があり、今回の新型車開発に繋がったと考えられます。 SUV全盛でもハッチバックやセダンにこだわるスバル スバル クロストレック, スバル フォレスター, スバル レヴォーグ レイバックスバル クロストレック, スバル フォレスター, スバル レヴォーグ レイバックスバル クロストレック, スバル フォレスター, スバル レヴォーグ レイバック最近のスバルは、クロストレック、フォレスター、レヴォーグ レイバックなどのSUVに力を入れています。今やSUVは売れ筋カテゴリーとなり、日本で新車として売られる小型/普通乗用車の30〜40%を占めます。スバルがSUVに注力するのは当然の流れです。 ただしスバルとしては、重心が低く走行安定性も優れたハッチバックやセダンも重要なカテゴリーだと考えています。そのために今回の新型スポーツモデルの開発に至りました。 まとめ 新型スポーツモデルでは、あえて装備をシンプルに抑え、購入後にユーザーが手を加える余地を残すという、新しい商品価値を提供する「走りの楽しい新型車」になりそうです。 発売は2026年の後半と予想されており、その登場が待たれます。 【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:茂呂 幸正 写真提供:SUBARU】 2025〜2026年登場予定の新型車18選! 価格や発売日を予想・解説【2025年】新車で買える国産マニュアル車(MT車)おすすめ16選! 中古車や外車のおすすめ車種も紹介スズキ 新型スイフトスポーツの価格は239万円〜と予想! 発売は2025年からの可能性も