穏やかさと実用装備が光る“現実解”の3モデル
維持費を低く抑えながらもロングツーリングを楽しみたい、そんなニーズに応えてくれるのが250ccクラスのフルカウルスポーツツアラーです。
スズキ「GSX250R」
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今回は、スーパースポーツを思わせるスタイリングに加え、日常的な使いやすさを兼ね備えた、中古価格が手ごろな3車種を紹介します。
スズキ「GSX250R」
まずひとつ目の車種は、スズキ「GSX250R」です。
GSX250Rは、街乗りで多用する低中速域の扱いやすさを重視して開発されたロードスポーツです。
水冷並列2気筒248ccはフリクション低減と燃焼効率向上が図られ、最高出力24ps/8000rpm、最大トルク22Nm/6500rpmを発生します。定地燃費41.0km/L、WMTCモード32.8km/Lという数値が示すように、ツーリングでも好燃費が期待できる点が魅力です。
そして、外観は「アーバンアスリート」を掲げたシャープなフルカウルで、面発光LEDのポジションランプやV字型のテールランプが先進的な印象を与えます。
対して、機能面ではABS、花弁形状ディスク、視認性の高いフルデジタル多機能メーターを採用し、ギヤポジションやRPMインジケーターも装備。
セパレートハンドルながら快適なライディングポジションに配慮し、専用セッティングのサスペンションと7段階調整式リアサスで長距離も視野に入ります。
装備重量は181kg、シート高は790mm、燃料タンクは15Lで航続面も安心です。新車価格は63万5800円から64万7900円と安価で、中古車でも買いやすい価格になっています。
そして、フロントの吸気口や一本出しマフラーがスポーティさを補強し、落ち着いた出力特性と実用装備を組み合わせている形です。これが、スーパースポーツ「風」ツアラーとして評価される理由となっています。
カワサキ「ニンジャ 250」
ふたつ目の車種は、カワサキ「ニンジャ 250」です。
カワサキ「ニンジャ 250」
ニンジャ 250は、シャープなニンジャスタイルとライトウエイト志向を前面に出したフルカウルスポーツです。
248ccのDOHC並列2気筒は最高出力35ps/12500rpm、最大トルク22Nm/10500rpmを発生し、高回転の伸びと日常域の扱いやすさを両立。
また、軽量トレリスフレームとややアップライトなポジションによって、シティユースからロングツーリングまで幅広く対応します。
そして、電子制御・機能面ではアシスト&スリッパークラッチ、ABS、エコノミカルライディングインジケーター、ギヤポジション表示を標準装備。LEDヘッドライトや質感の高いボディワークも所有満足度につながります。
主要諸元はシート高795mm、車両重量166kg、燃料タンク14L。燃料消費率は定地32.3km/L、WMTC25.1km/Lです。カラーはKRTエディションの「ライムグリーン×エボニー」などが用意されています。
なお、新車価格は70万4000円で、中古も安く買うことが可能です。
高回転の爽快感を持ちながらも実用装備が充実しており、扱いやすいハンドリングで「ツーリングに使えるニンジャ」というキャラクターを確立しています。
3台目はヤマハRシリーズのDNAを継承したフルカウルモデル
ヤマハ「YZF-R25」
そして、3つ目の車種はヤマハ「YZF-R25」です。
ヤマハ「YZF-R25」
YZF-R25は、RシリーズのDNAを継承したフルカウルモデルで、「毎日乗れるスーパーバイク」をコンセプトに掲げています。
エンジンの直列2気筒249ccは高回転までスムーズに回り、軽快さと扱いやすさの好バランスが持ち味です。
また、新世代Rデザインを採用し、水平基調の造形軸やS字シルエットのカウル、インテグレート・ウイングレットやM字インテークなど、空力デバイスを効果的に配置。スピード感ある佇まいを演出します。
そして、2025年モデルではA&Sクラッチを新採用し、シフトダウン時の挙動を穏やかに保ちつつ、レバー操作荷重の低減で疲労を抑えます。
くわえて、フル液晶メーターのシフトインジケーターやギヤ表示、USB Type-A端子、スマホ連携の「Y-Connect」対応など、日常域の利便性を底上げする装備が充実しました。
シート高は780mm、車両重量は169kgで足つき性向上のためシートとサイドカバーをスリム化。
また、サスペンションは倒立式フロントとモノクロスリヤの組み合わせで、高剛性とクッション性のバランスを図ります。ブレーキは前後ディスクにABSを標準装備。燃料タンクは14Lで、燃料消費率は定地37.5km/L、WMTCでは26.5km/Lを掲げます。
なお、新車価格は69万800円で、中古でも比較的安価に入手することが可能です。
デザインの刷新と実用装備の拡充により、通勤から週末ツーリングまで“毎日使えるR”という価値を強めています。
総括すると、GSX250Rは穏やかな出力特性と視認性の高い計器類、15Lタンクなどツーリングの親和性が際立ちます。
ニンジャ 250は高回転域の爽快感と軽量な車体、アシスト&スリッパークラッチやABSといったスポーツと実用の装備が魅力です。
YZF-R25はA&Sクラッチやスマホ連携、USBといった最新の利便装備に加え、Rシリーズらしい空力デザインで所有感を満たします。
いずれも燃費面のアドバンテージがあり、日常からロングまで“ほどよく走れて疲れにくい”というスポーツツアラーの要件に合致します。
中古車選びでは外観だけでなく、メーター機能やクラッチ機構、ABSの有無など装備差を丁寧に確認することで、用途に合った一台に出会えるでしょう。年式や仕様により差異があるため、実車の状態と装備内容を基準に見極めていくのが得策です。
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扱いやすい出力特性と実用装備、そして良好な燃費性能を備えるこの3モデルは、日常とツーリングを無理なく橋渡しする選択肢です。
装備の違いを起点に用途へ合わせて選べば、維持しやすさと走る楽しさを両立できるのではないでしょうか。
Source: 維持費を抑えて長距離ツーリングだって楽しめる! 中古で狙いやすい「国産250ccスポーツツアラー」バイク3選