米国では人気のコンパクトSUVだったが…
今から22年前の今日2003年(平成15年)4月16日、ホンダから「エレメント」が発表(発売は4月18日)されました。どんなクルマだったのでしょうか。
今から22年前の今日、2003年(平成15年)4月16日に発表されたホンダ「エレメント」
【画像】新車のときより中古車が人気上昇! ホンダ「エレメント」を写真で見る(19枚)
エレメントは、センターピラーレス構造で両側観音開きのサイドアクセスドアを採用した、ユニークなスタイルのクロスオーバーSUVでした。
2001年のデトロイトモーターショーに出品されたコンセプトカー「モデルX」を、ほぼそのまま市販化しました。
そのモチーフは、アメリカの若者にとって自由な生き方を象徴する憧れの対象「ライフガードステーション(ライフセーバーがスイマーやサーファーを見守る小屋)」とされています。
つまり北米市場を意識したモデルで、米国ホンダで開発と生産が行われました。まず米国で2002年に販売が開始し、人気を集めました。
じつは日本仕様も北米で生産されました。ボディサイズは全長4300mm×全幅1815mm×全高1790mm、ホイールベースは2575mmと、日本でも扱いやすい大きさの1台でした。
特徴的な両側観音開きのサイドドアは、前側を開けないと後ろ側は開かない構造になっていました。
しかもセンターピラーレスながら、部材の大断面化や各ジョイント部の結合強化などにより、高剛性を実現していました。
また、万が一の側面衝突時にドアがキャビンに侵入しないようなシステムも採用し、高い衝突安全性能を実現していました。
パワートレーンは、最高出力160psと最大トルク22.2kgmを発生する2.4リッターのDOHC i-VTECエンジンと4速ATを組み合わせ、駆動方式は4WD(北米仕様にはFFもあり)でした。
インテリアは、3つの独立したメーターや扱いやすいインターフェースが特徴的でした。
室内は防水性に優れた素材を採用し、10フィート(約3m)のロングサーフボードを積載できました。
前後バンパーやフェンダー、サイドシルは無塗装の樹脂素材を採用し、アウトドアテイストを強調していました。
日本仕様のエレメントはモノグレードで、発表当時の希望小売価格(消費税含まず)は259万円でした。
※ ※ ※
残念ながら日本市場では観音開きのドアはスライドドアより使い勝手が悪く、また無塗装の樹脂素材が安っぽいと、人気を得られませんでした。
そのため、日本登場からわずか3年、2005年(平成17年)には日本での販売を終了しました。
米国では引き続き人気を持続し、2011年モデルまで生産されました。
皮肉なことに、SUVブームが盛況の現在、中古車市場ではエレメントはユニークなクロスオーバーSUVとして人気を集めています。
Source: 時代がまだ追いついていなかった!? 今見れば四角いボディがカッコいい “悲運の”ホンダ・コンパクトSUVとは【22年前の今日・登場】