月に2回刊行される紙のベストカー。編集部員のレビューの筆さばきはハードスケジュールの中で磨かれ、研ぎ澄まされていく。そんな野武士軍団の精鋭編集部員が、インド生まれの廉価SUV・ホンダ WR-Vをよってたかって評価する!!※本稿は2025年9月のものです文:ベストカー編集部、まるも亜希子/写真:田中和也、ホンダ初出:『ベストカー』2025年10月10日号【画像ギャラリー】シンプルで広い車内&ラゲッジで実用性じゅうぶん!! 大きめコンパクトSUV・ホンダ WR-V(16枚)ホンダ WR-Vってどんなクルマ?インド生産のメリットを活かした低価格が魅力のホンダ WR-V 2023年11月に発表されたWR-Vの魅力はなんといってもインド生産のメリットを活かした209万8800円という低価格(X)でデビューを飾ったこと(現在は214万9400円)。 ボディサイズは全長と全幅が兄貴分のヴェゼルとほぼ同じ(全長4326mm×全幅1790mm)で実に堂々。ラゲッジも458Lと大容量だ。パワートレーンは1.5L・NAガソリンのFFのみだ。編集長・飯嶋の視点廉価なコンパクトSUV……というわりには大きめで堂々とした外観。ラゲッジも大容量 型式名は変わってますが、同じ1.5Lのガソリンエンジンを積む、我が愛車の先代フリードとそっくりなエンジンフィールに、ほっこりします。正直、速くはないですが、街なかで不足を感じることはないでしょう。 ハンドリングは穏やかですね。これは先代フリードと比べても穏やかだと思います。機敏な走りはできませんが、SUVですからね、コレでいいんです。 ちなみにボンネットフードの左右の峰がけっこう目に入るので、慣れていないうちは車両左右直前を注意したほうがいいかも。 まぁ、いろいろ書きましたが、こういうクルマは好きですよ。穏やかなキャラクターは日常のよきパートナーとなってくれそうです。●飯嶋の評価・楽しさ:★★★・おすすめ度:★★★☆(3.5)・使い勝手:★★★★・ほっこり度:★★★★★編集委員・飯干の視点ブラックスタイルは内装と外装にブラック基調のパーツをふんだんに使っている どう結論づければいいのか難しい。性能、価格、立ち位置などすべてが「微妙」なのだ。価格の安さがウリのひとつだが、同価格帯にヤリスクロスハイブリッドがあるし、試乗車はオプション込み総額300万円コース。安い……のか? コンパクトでボディの見切りがいいのは最大の長所で、運転ビギナーにお薦め。1.5Lエンジンは加速時のフィールと音はそこそこだが、一定速度で走っている時の静粛性は上級クラス並み。乗り心地は固いけど、これから馴染んでよくなる可能性もある(試乗車の走行距離1500km少々)。 うーん、煮え切らない。安さが正義のWR-Vを選ぶなら最廉価(約215万円)の「X」一択だろう。●飯干の評価・楽しさ:★★★★・おすすめ度:★★★・使い勝手:★★★★・ほっこり度:★★★★★編集部員・古川の視点広々かつ多彩なアレンジが可能なラゲッジが最大の魅力ともいえる。スーツケースは21インチと25インチが2個ずつ載せられる コンパクトカーでもハイブリッド車がメインになっている今、初めて乗ったWR-Vは思っていた以上に“簡素”というのが全体の印象。搭載する1.5L直4エンジンの動力性能は必要にして充分だけれど、加速時などはそれなりにエンジンノイズが耳につく。 さらにパーキングブレーキが電動式ではなく、ACCが30km/h以下では作動しないなど最新車としてはやや物足りない点もある。走りはよくも悪くも普通で、内装もやっぱり簡素……。 とはいえ、250万円を切る価格を考えればそれも納得。シンプルなぶん使いやすさはあるし、後席やラゲッジのスペースはひとクラス上の広さ。実用性の高さと価格は魅力的だと思う。●古川の評価・楽しさ:★★・おすすめ度:★★★・使い勝手:★★★★・ほっこり度:★★アシスタント・福田の視点特別仕様車のブラックスタイルではインパネ下部にソフトパッドを使用して上質さを演出。またブラック加飾でスタイリッシュに 乗ってまず「広いなァ」と思いました。頭上の空間がとにかく広く、運転席周りも全体的にゆとりがあって快適です。後席は背もたれが起き気味で遠出には根性が要りそう。でも広さはバツグン。 乗り心地は55扁平のブ厚いタイヤもあってか思いのほかソフトで、動力性能も問題ナシ。手引きサイドやプラプラしい内装に価格を感じますが、ボクはむしろ心地よかったです。普段のアシやレジャーの相棒としては花丸ですね。 唯一の泣き所は価格。乗り出し300万以下は新車としては驚異的ですが、中古車であれば輸入車含めかなり選択肢があります。他人になら胸を張ってWR-Vをオススメしますが、自分なら…… 悩みますね。●福田の評価・楽しさ:★★★・おすすめ度:★★★★・使い勝手:★★★★★・ほっこり度:★★★★★ママさんライター・まるも亜希子氏の視点 フロントマスクどーん! なワイルド直線基調デザインはカッコいいし、250万円前後に抑えた価格のわりに装備はそこそこ充実していてコスパがいいし、個人的には超好みなコンパクトSUV。 ですが、販売台数でライズやヤリスクロスなどライバルにボロ負けなのは、ハイブリッドや4WDがないからという理由だけではないかも。 まずは「思ったよりデカイ」説。ライズくらいだと思って販売店に見にきて「エッ」となるケースが多い模様。そして「女心に響かない」説もあり、さすがにシートヒーターくらいは欲しいかなと。 ただ、リアシートの広さはコンパクトSUV随一だし、リアベンチレーションとセンターアームレストがあるのはエライ! 若いファミリーにもっと乗ってもらいたい一台です。