日産の新型ルークスがクラス最長で勝負!! 熾烈な軽スーパーハイトワゴンクラスで日産はどうやって勝ち抜くの?

大人気カテゴリーの軽スーパーハイトワゴン界隈に新たな動きがあった。2025年8月、日産 ルークスの新型が先行公開された。登場は同年秋の予定となる。あわせて、三菱 デリカミニ&eKスペースも同時期に新型へと生まれ変わる!!
※本稿は2025年8月のものです
文:ベストカー編集部/写真:奥隅圭之(ルークス)、森山良雄(デリカミニ/eKスペース)、日産
初出:『ベストカー』2025年9月26日号
【画像ギャラリー】選ぶのが楽しくなる粒揃いの軽スーパーハイトワゴン!! 新型日産 ルークス/三菱 デリカミニ(32枚)
クラス最長の室内長と充実の安全装備で勝負!

ひと足先に公開された新型日産 ルークス。2025年秋発売予定(写真はハイウェイスター)
●新型日産 ルークス/三菱 デリカミニ&eKスペースの注目ポイント
・クラス最長の室内長&クラス最大のリアドア開口幅
・死角を見える化した、充実の先進安全装備
・見やすく、使いやすく。先進性と美しさを兼ね備えた統合型インターフェイスディスプレイ
・充実した前席収納・利便装備
・オシャレで上質感ある内装(ルークス)
・専用チューンの足など、走りにこだわる(デリカミニ)
現在の軽自動車市場において最も盛り上がりを見せているのが、ダイハツのタントが始祖となったスーパーハイトワゴンのカテゴリー。
当然、各メーカーとも魅力的なモデルを送り込み、さながら戦国時代といった様相を呈しているのだが、そこに日産と三菱がさらなる強力モデルを送りこむ。新型ルークスとデリカミニ&eKスペースだ。
先代同様、NMKV(日産と三菱が設立した軽自動車事業に関わる合併会社)のマネジメントのもと開発され、三菱の水島製作所で生産される両車。共通の特徴として、クラストップレベルの広さの室内空間と、充実した先進安全装備などが挙げられる。
ホイールベース2495mmは、このカテゴリーの王者・N-BOXの2520mmにはおよばないものの、2315mmの室内長は、ライバル勢を大きく上回るクラスナンバーワン。先代よりもAピラーを立てて細くすることで、斜め前方の見やすさも向上した。
もちろん後席スライドドアの開口幅も、先代同様クラストップとなる650mmを確保しており、優れた乗降性を誇っている。

ハイウェイスターのコックピットまわり。12.3インチのセンターディスプレイが目立つ
先進安全装備では前後左右に搭載された計4つのカメラを利用した3D機能付き「インテリジェント アラウンドビューモニター(三菱名:3Dマルチアラウンドモニター)」に注目。
4つのカメラ映像を曲線座標マップをもとに処理して3D画像に変換。車両周辺を8方向からとらえることで周囲の障害物を確認できたり、フロントカメラの映像を広角で映しだして、T字路や見通しの悪い交差点での運転席からの死角を確認できる。
白眉は通過した路面の映像とリアルタイムのカメラ映像を合成してエンジンルーム下の状況を映す「インビジブルフードビュー(三菱名:フロントアンダーフロアビュー)」。当然、軽初の装備であり、路面状況の悪いところのみならず、洗車機や立体駐車場への進入時にも活躍してくれるスグレモノだ。
そのほか多彩なシートアレンジ、豊富な収納スペース、高められた静粛性、スマホなしでグーグル機能を使えるインフォテイメントシステムなど、多くの魅力を備えた新型ルークス/デリカミニ&eKスペース。N-BOXの牙城を崩せるかに、注目だ。ちなみにデイズや、そのほかのeKシリーズは継続販売される。
早っ! 三菱 デリカミニも新型に!

「まだ出たばっかじゃん!」と思わず声が出る三菱 デリカミニ。登場からわずか2年あまりでモデルチェンジとなる
さて、日産のルークスにはスタンダードモデルとハイウェイスターがあり、三菱にはeKスペースとデリカミニがあるわけだが、ここからはわずか2年チョイで新型となるデリカミニについて話をしたい。
ボディのシルエットがN-BOXに近づいたことで、先代の親しみやすさが薄れるのではないかと危惧されたが、それはまったくの杞憂であったと断言できる。
先代より目(ヘッドライト)が大きくなり、フロントグリル内のセンサー部を鼻に見立ててデザインするなど、三菱は先代デリカミニのヒット要因を、よく理解している印象だ。
もちろんデリカを名乗るだけあって、走りのほうにも手が入っている。前後サスにカヤバの高摩擦低減衰特性ショック「プロスムース」を採用し、専用チューンを実施。高剛スタビリンク、ベアリング、ブッシュ位置も変更され、ふらつきを抑制している。
ドライブモードもeKに設定される「ノーマル」「エコ」「パワー」に加え、「グラベル」「スノー」を追加。三菱のこだわりが感じられるものとなっている。
新型となったデリカミニが人気を維持するのは間違いなさそうだ。対する日産の伝家の宝刀「ハイウェイスター」は? ぜひ試乗の記事もご覧いただきたい。
デリカの名に恥じぬ走破性

かわいい中にも、タフなモデルであることを視覚的に訴えてくる
先代も大径タイヤと専用開発のショックアブソーバー(4WD)、グリップコントロールなどにより不整地で頼もしい走りを見せたデリカミニだが、新型も先代以上のこだわりで走破性、そして不整地での乗り心地が高められている。
特に「グラベル」「スノー」モードを備えるダイヤル式ドライブモードセレクタは、他の軽スーパーハイトワゴンにはない装備。愛嬌たっぷりの外観だけじゃない、デリカミニだから乗りたいと思わせる性能を持つ。