2009年09月25日乗車JR北海道は2026年4月、北海道新幹線の開業10周年を記念し、青函トンネルなど通常は立ち入れない施設を巡る有料イベントを複数開催すると発表しました。ツアーは8月から10月にかけて開催予定で、鉄道設備の裏側や運用現場を体験できる複数の特別プログラムが用意されます。すでに各旅行会社より詳細発表や販売が開始されています。 中でも注目は、青函トンネルに潜入するツアー。トンネル内を歩いて構造や設備について学ぶことができるだけでなく、火災時などに列車を停止させ、避難や消火活動を行うための重要設備である吉岡定点(北海道松前郡福島町)と竜飛定点(青森県東津軽郡外ヶ浜町)の見学も可能です。 【関連記事:青函トンネルで風圧体験?!北海道新幹線開業10周年で人車移動&徒歩見学“濃密ツアー”】 吉岡定点・竜飛定点は、1988年の青函トンネル開通とともに「駅」として開業し、かつては青函トンネル内の駅として有名な存在でしたが、2014年3月をもって廃止。現在では保守・避難施設としてのみ使用されている「青函トンネル幻の廃駅」と言える存在です。そこで今回は、「青函トンネル幻の廃駅」である吉岡海底駅・竜飛海底駅の歴史を振り返ります。 789系 2015年06月14日撮影 ©レイルラボ Tomo-Papaさん ◾️かつては「世界一低い位置にある鉄道駅」 青函トンネル内にあった吉岡海底・竜飛海底駅 吉岡海底駅・竜飛海底駅は、1988年3月の津軽海峡線開通とともに誕生。青函トンネルにおける非常時の旅客避難所および保線基地、トンネルの維持に必要な各種機械類の設置を目的として、吉岡海底駅が北海道側、竜飛海底駅が青森県側の海底部に設置されました。中でも、吉岡海底駅は海面下149.5mに位置し、廃止前は「世界一低い場所にある鉄道駅」だったほか、青函トンネル内にある駅として鉄道ファンの間で知られた存在です。 吉岡海底駅・竜飛海底駅は非常時向けの駅ですが、開業当初は一部列車で旅客営業を実施。青森〜函館間を結んだ快速「海峡」の一部が停車し、見学整理券を持った乗客のみが同駅で降車することができました。また、1990年には当時の天皇皇后両陛下が竜飛海底駅を見学した歴史も持ちます。 ED79形 1990年05月18日撮影 ©レイルラボ takaaqui520さん ◾️あの“人気キャラクター”とコラボ! 海底の世界観を活かした「海底ワールド」とは? 1998年には、津軽海峡線の10周年を記念し人気キャラクター「ドラえもん」とタイアップ企画を実施。海底の世界観を活かした展示スペース「ドラえもん海底ワールド」が吉岡海底駅に設置されました。合わせて、同駅に停車する快速「海峡」を「ドラえもん海底列車」として運行し、使用されていたED79形電気機関車や50系客車の一部もドラえもんが描かれたデザインに。その奇抜な姿は人々に大きな印象を与えました。 ED79形 2000年12月29日撮影 ©レイルラボ ナカシマさん 50系 2000年04月06日撮影 ©レイルラボ 総武本線沿線民さん 2002年の快速「海峡」廃止後は、特急「白鳥」「スーパー白鳥」が吉岡海底駅に停車したほか、2003年からは781系を使用した臨時特急「ドラえもん海底列車」も運行開始。2006年の見学コース中止まで、ドラえもん海底ワールドの案内人としての役割を果たしました。 485系 2015年12月19日撮影 ©レイルラボ ちゃぽんさん 吉岡海底駅は2006年に定期列車の停車がなくなり臨時駅に。竜飛海底駅も2013年から休止され、2014年3月のダイヤ改正をもって廃止されました。両駅はその後も「定点」として緊急用の避難施設などの役割を持ちますが、原則としてかつてホームだった場所などへ立ち入る機会はありません。 また竜飛定点については、青森県東津軽郡外ヶ浜町に位置する「青函トンネル記念館」の青函トンネルの体験坑道と接続。かつては竜飛海底駅で下車し、体験坑道から青函トンネル記念館を訪れることができました。しかし青函トンネル記念館から竜飛海底駅へ向かうことはできず、現在も駅の廃止に伴い竜飛定点へ立ち入ることはできません。 セイカン1形 2024年09月29日撮影 ©レイルラボ plonkさん 以上、北海道新幹線10周年ツアーで訪問可能な青函トンネル内の廃駅、吉岡海底・竜飛海底駅についてご紹介しました。両駅の廃止前は「青函トンネルの中にある駅」として有名な存在でしたが、廃止から約12年が経過した現在ではその印象も薄れつつあります。懐かしの「海底駅」に想いを馳せながら、ツアーへの参加や両駅の歴史を振り返ってみてはいかがでしょうか。 関連記事みなとみらい「旧臨港鉄道」遺構の上を歩ける!出土状態のレール・枕木公開、ライトアップもNHK Eテレ ザ・バックヤード、「京都鉄道博物館」5月5日アンコール放送日本初の連接車 京阪電鉄60型「びわこ号」を特集 BSフジ 鉄道伝説 5月3日