長崎の細い坂道を、25年ものあいだ颯爽と駆け抜けてきたマツダ RX-7(FD3S型)。55歳の時に「頭文字D」を見て一目惚れした女性オーナーが人生の相棒として慈しみ、80歳での免許返納を機にマツダへ譲渡されたこの個体は、奇跡的なフルノーマル状態を維持する「動くタイムカプセル」です。 当時の深い艶を残す外観から、レーシングカーを彷彿とさせる機能的なコックピット、そして大切にメンテナンスされてきたロータリーエンジンまで、オーナーの深い愛情が宿るディテールをさっそくチェックしてみましょう。 この記事では、歴史を刻みながらもオリジナル状態を保つFD3Sの細部が気になる方に向け、厳選した写真を一気に見られるようにまとめました。 ※記事本文では全22枚、フォトギャラリーでは全30枚の写真を公開しています。 マツダ RX-7 Type RB S Package 外観マツダ RX-7の概要 マツダ「RX-7」は、世界で唯一マツダが量産化に成功した「ロータリーエンジン」を搭載するピュアスポーツカーです。 1991年にデビューした3代目(FD3S型)は、無駄を削ぎ落とした軽量な車体と曲面を多用した空力ボディにより、生産終了から年月が経過した現在でも、多くのスポーツカーファンから高い支持を集めています。 マツダ RX-7の主な特徴 特徴1:軽量・コンパクトなロータリーエンジン(13B-REW型)による、どこまでも吹け上がるような途切れのない加速感 特徴2:空力性能を追求した曲面主体のフォルムがもたらす、高速走行時の優れた安定性 特徴3:フロントミッドシップレイアウトと前後重量配分(50:50)が生み出す、ドライバーの意のままに操れるコーナリング性能 25年ワンオーナー・フルノーマルのRX-7を紹介 今回ご紹介するのは、長崎県にお住まいの女性オーナーである西本尚子さんが、25年もの間大切に乗り続けてきたワンオーナー車のRX-7(Type RB Sパッケージ)です。 55歳の時に息子さんとアニメ「頭文字D」を見たことで一目惚れし、新車を現金一括で購入。以来、5速MT(マニュアル)車を鮮やかに乗りこなしてきました。 80歳という節目での免許返納を機にマツダへ譲渡され、現在は同社の広報車として動態保存されています。 マツダ RX-7の外観 実車を目の前にすると、まるで室内で大切に保管されていたかのような深い艶を残す塗装状態に驚かされます。 ホイールまわりなども目立つキズはなく当時の光沢を保っており、25年という長い年月、車を労わりながら大切に乗られてきたことが随所から感じ取れます。 フロントビュー [1/22]マツダ RX-7 外観 フロント:低く構えたスポーティなフロントマスク[2/22]マツダ RX-7 外観 フロント:滑らかな曲線を描くフード形状[3/22]マツダ RX-7 外観 リトラクタブルヘッドライト:特徴的な開閉式のライトユニット[4/22]マツダ RX-7 外観 バンパー:すっきりとしたデザインのエアインテーク周辺サイドビュー [5/22]マツダ RX-7 外観 サイド:空力性能を追求した流線型のシルエット[6/22]マツダ RX-7 外観 フロントフェンダー:タイヤを覆う豊かな膨らみ[7/22]マツダ RX-7 外観 ホイール:キズがほとんど目立たず、依然として輝きを放つアルミホイール[8/22]マツダ RX-7 外観 ドアミラー:エアロダイナミクス重視のデザイン[9/22]マツダ RX-7 外観 ウインドウまわり:ボディの滑らかな曲面を際立たせるため、ガラス横にひっそりと設けられたドア開閉ノブリアビュー [10/22]マツダ RX-7 外観 リア:フェンダーの力強い張り出しが強調される造形[11/22]マツダ RX-7 外観 リア:グラマラスな曲線美とロー&ワイドな踏ん張り感を感じさせるスタイル[12/22]マツダ RX-7 外観 テールランプ:アイコニックな3連の丸型デザイン[13/22]マツダ RX-7 外観 リアウイング:流麗なボディラインを崩さず、テールエンドの曲線と自然に調和する意匠エンジンルーム [14/22]マツダ RX-7 エンジンルーム:大切にメンテナンスされてきたロータリーエンジンマツダ RX-7 Type RB S Package 内装マツダ RX-7の内装 ドライバーを中心に設計されたタイトなコックピットは、25年間乗っていたとは思えないほど、シートや樹脂パーツのやつれが少なく良好なコンディションを保っています。 また、チューニングベースとして人気を博したRX-7において、運転席まわりの純正パーツがこれほどしっかりと残っている個体は貴重な存在です。ステアリングやシフトノブに目立つ擦れやテカリがないことからも、いかに丁寧に扱われてきたかがひしひしと伝わってきます。 インパネまわり [15/22]マツダ RX-7 内装 運転席まわり:レーシングカーのコックピットを彷彿とさせる、すべての操作系がドライバーへ向けて配置された機能的な仕立て[16/22]マツダ RX-7 内装 メーターパネル:センターにタコメーターを大きく配置し、どこまでも吹け上がるロータリーエンジンの鼓動を視覚で感じられるアナログ式メーター[17/22]マツダ RX-7 内装 センターコンソール:操作スイッチ類が機能的に配置されたエリア[18/22]マツダ RX-7 内装 シフトノブ:手首の返しだけで決まるショートストロークが、ダイレクトな操作感を生むマニュアルトランスミッション[19/22]マツダ RX-7 内装 インパネ中央:当時の空気感をそのまま残す貴重な純正カセットデッキと空調スイッチ類シート・その他 [20/22]マツダ RX-7 内装 フロントシート:体をしっかりとサポートするバケット形状[21/22]マツダ RX-7 内装 ドアトリム:頻繁に手が触れるスイッチ類やアームレスト周辺も劣化が少なく、いかに丁寧に扱われてきたかがわかる美しいコンディション[22/22]マツダ RX-7 荷室:走りのためのタイトな設計を感じさせるラゲッジスペースまとめ:四半世紀の愛情が紡いだストーリーを感じる一台 25年という長い年月を共に歩み、ただ飾るだけでなく「生きたスポーツカー」として大切に乗られてきた愛車であるということが、実車の凛とした佇まいからよくわかりました。 前述の通り、西本さんが「頭文字D」をきっかけに55歳で手にした情熱は色褪せることなく、25年間一度も欠かさず施されたコーティングの効果もあり、今もなお当時の深い艶を保っています。 あえてそのままにされている細かなキズは、長崎の細い坂道や日常の風景を走り抜けてきた大切な思い出の証であり、ショールームで眠っていただけの展示車両にはない温もりを感じさせます。 また、目立ったキズのないホイールや深い艶を残すステアリングからは、クルマを労わりながら、まるで自分の一部のように大切に扱ってきたオーナーの姿が目に浮かぶようです。 市場に出回れば間違いなくプレミア価格となる希少なフルノーマル車ですが、愛車をただ手放すのではなく、後世に残すためにマツダの広報車として「第二の車生」を歩ませてくださった決断には、ひとりのクルマ好きとして深い感謝の念を抱きます。 これほど純正パーツが残り、歴史を刻みながらもオリジナル状態を維持したRX-7は、日本のスポーツカー史に残る大切な財産と言えるでしょう。 記事内では紹介しきれなかった細部のディテールもフォトギャラリー(全30枚)に掲載していますので、ぜひその「奇跡のコンディション」をチェックしてみてください。 【筆者:MOTA編集部 カメラマン:茂呂 幸正】 関連記事【専門家が厳選】スポーツカー国産・輸入車おすすめ人気20選! 選び方や購入時の注意点まで解説マツダ 新型ロータリースポーツカーの価格は1000万円前後? 外観や内装、サイズを解説ホンダの現行・歴代スポーツカー12選! シビックRSやプレリュードなど新型モデルも紹介