若さを証明するためのクルマはもういらない。でも、ハンドルを握る歓びは手放せない! 速すぎず・重すぎず・疲れない、それでいてちゃんと楽しい――円熟世代が“いま本気で乗るべきクルマ”を真面目に考えてみた。【画像ギャラリー】円熟世代だからこそ良さがわかる本名車を再チェック!(12枚)文:FK/写真:トヨタ、フォルクスワーゲン、ホンダ、マツダホンダのプレリュードは若かりし頃の思い出がよみがえる“大人のクーペ”電動化時代の“操る喜び”を体現する新たな価値をもったスペシャリティスポーツハイブリッドとして、24年ぶりに復活を遂げたプレリュード 2025年9月に24年ぶりの復活を遂げ、大きな話題を振りまいたプレリュード。 プレリュードといえばバブル期にデートカーとして名を馳せたモデルとしてあまりにも有名で、その恩恵を受けたという円熟世代も決して少なくないはず。それだけに、現代に復活したプレリュードに興味あり、という人もいるだろう。 環境性能や日常での使い勝手も追求した電動化時代の新しいスペシャルティスポーツの先駆けとして登場したプレリュード。 そのエクステリアデザインはグライダーで滑空するような高揚感を生み出す低くシャープなフロントノーズ、抑揚のあるなめらかなボディライン、低くワイドなスタンスがダイナミックな走りを想起させるデザインが採用されており、優雅さを感じさせる大人の雰囲気が漂っている。 インテリアにおいても滑空するような高揚感を感じさせるデザインが特徴で、運転席だけでなく助手席も快適な空間を目指しつつ、低くて水平基調の視界、Dシェイプデザインのステアリング、メタル製のパドル、専用のフルグラフィックメーターなどによって走りへの期待感を高めてくれる。 もちろん走行性能も高く、独自の2モーターハイブリッドシステムであるe:HEVにホンダ車として初となる制御技術のHonda S+ Shiftを採用することで、モーター駆動でありながら仮想の8段変速で加減速時に緻密にエンジン回転数をコントロール。 あたかも有段変速機があるかのようなダイレクトな駆動レスポンスと鋭いシフトフィールを実現している。 加えて、エンジン回転数と同期した迫力のある音をスピーカーから流してエンジンサウンドの音質を高めるアクティブサウンドコントロールシステムや、これと連動して俊敏に反応するメーターの採用などによって乗る人の五感を刺激する工夫も凝らされており、まさに円熟世代には魅力的な内容で仕上げられている。オープンは照れる。でも、マツダのロードスター RFなら落ち着きがある!ロードスターRFは電動で気軽に開閉でき、これまでにない美しいシルエットを持つルーフを備えたリトラクタブルハードトップモデルだ オープンカーに乗ってみたい。でも、“恥ずかしい”と思っている人がいたら、それはもったいなさすぎると言わざるを得ない。 頭上に流れる風を感じながらクルマを意のままに操ることは、クルマ好きにとって最高の瞬間。しかも、そのクルマの走りが良ければ、なおヨシ! だが、そんな人にこそ乗っていただきたいのがロードスターRFである。 その理由は、いかにもオープンカー然としていない電動格納式ルーフによるリトラクタブルハードトップの採用にある。 ルーフから車両後端までなだらかに傾斜するラインが特徴的なファストバックスタイルが印象的なロードスターRFは、2016年12月に発売を開始。 ルーフ後部の形状とルーフの開閉に応じて開閉するリアウィンドウによる新しいオープンエア感覚を実現している。 しかも、電動ルーフはスイッチ操作のみで開閉できる仕様へと進化しているのもうれしいポイントだ。 クローズとオープンがスマートに切り替わる一連の所作の美しさにもこだわり、それぞれのパーツの動きをオーバーラップさせることで流れるような開閉動作と約13秒という世界最短のルーフ開閉時間を実現しているのだ。 また、エンジンは1.5リッターのSKYACTIV-G 1.5を搭載するソフトトップモデルとは異なり、ロードスターRFでは発進から高速走行までさまざまなシーンで余裕のパフォーマンスを発揮する2.0リッターのSKYACTIV-G 2.0を採用。 それゆえに、どのギアでも気持ち良く加速することができ、その加速がどこまでも続いていくような伸び感を楽しめることも大きな特徴だ。 加えて、全域にわたる豊かなトルクや優れたアクセルレスポンスとコントロール性、さらにはエンジンサウンドにもこだわりを注ぎ、上質で楽しさに満ちた人馬一体の走りが追求されている。フォルクスワーゲンのゴルフVIIIは派手すぎない“大人のためのホットハッチ”2021年に日本へ導入されたゴルフの第8世代モデルは電動化、運転支援機能の強化、デジタル化の領域において飛躍的な進化を果たし、コンパクトカーセグメントを牽引 1980年代から1990年代にかけて“元気が良かった日本”を知る円熟世代にとって、ホットハッチは今なお記憶に残っているカテゴリーのひとつではないだろうか。 その一方で国産車の現行ラインナップをみると、ホットハッチと呼べるクルマはきわめて少なく、ましてや円熟世代が選べるモデルなどは皆無に等しい……というのが実情だが、輸入車まで選択肢を広げれば、忘れてはいけないホットハッチがあることに気づく。 そう、ゴルフである。 1975年3月にヤナセを通じて導入・発売された初代モデルがデビューして以来、ゴルフは日常ユースにおける高い実用性とクリーンで精度の高いデザインを常に融合させてきた。 現在発売されている現行モデルは2021年に国内発売が開始された“VIII”だが、VIIIでは先代モデルから“デジタル化”、“電動化”、“ドライバーアシスタンスシステム”が大幅に進化。 また、フォルクスワーゲンとして初めて 48V ベルト駆動式スタータージェネレーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムを1.0TSI エンジンと 1.5TSI エンジンに設定された。 同年12月には245psの最高出力と370N・mの最大トルクを発生するエンジンに、迅速なシフトチェンジを可能とした7 速DSG を組み合わせたGTIも登場。 ビークルダイナミクスマネージャーによる高次元なドライビングプレジャーの提供や、内外装に採用されたGTI専用アイテムによるスポーティな装いも大きな魅力となっている。 その後、2024年7月には内外装をブラッシュアップし、日本初採用のイルミネーション付きVWエンブレムが精悍なフロントデザインをよりいっそう際立たせたマイナーチェンジモデルが発表されている。日本での人気はイマイチなトヨタのカムリも世界的に見れば一級品のスポーツセダン走りを予感させるエモーショナルで美しいデザインが特徴のカムリ。低く構えたフードとフェンダーや低いベルトラインにより、タイヤの存在感を強調した低重心感も表現されている 国内向けの車両生産を2023年末に終了したカムリ。 日本での人気はいまひとつであったが、アメリカでは20年以上にわたって乗用車販売台数ナンバーワンを獲得していたことに加え、2016年には販売台数が世界累計1800万台超えを達成するなど、名実ともにグローバルモデルとしての地位を確立した1台であった。 そんなカムリの国内最終モデルはスタイリッシュなエクステリアデザイン、上質感に溢れるインテリア、さらには走りもスポーティという3拍子揃ったパッケージが自慢。 2017年7月のフルモデルチェンジでTNGAに基づくエンジンとプラットフォームの一新を受けたカムリ、その一番の魅力は磨き抜かれた美しいスタイリングにあった。 外観のデザインはエンジンと乗員レイアウトを下げることで低重心シルエットを実現し、フロントまわりもスリムなアッパーグリルと立体的なロワグリルを対比させてワイドなスタンスを際立たせていた。 また、インテリアも部品の小型化やレイアウトの見直しでインパネの厚みを抑えたほか、エンジンフード・カウル・ベルトラインを下げて視界を良くするなど、スポーティかつ広がり感のある空間を実現していた。 一方、走りの面では液体封入式エンジンマウントの最適配置による上質な乗り味、ボディのねじれ現象を抑制する環状骨格構造の採用による優れた操縦安定性、最大熱効率41%と高出力を両立したダイナミックフォースエンジン2.5と進化を続けるハイブリッドシステム(THSII)の組み合わせによる33.4km/Lの低燃費と優れた動力性能の両立など、特筆点は枚挙に暇がない。 2018年8月にラインナップに追加されたWSグレードもより応答性の高い操舵フィーリングとフラットな走りを追求したサスペンションチューニングが行われており、“走らせてもちゃんと楽しい”が実践されている。