トヨタのbZ4Xが好調だが、それに「待った」をかけそうな電動SUVが登場する。それが中国から輸入されるホンダ インサイトだ。はたして今、SUVタイプのBEVを買うならどっちか。ボディサイズや航続距離を比べてみた!【画像ギャラリー】「インサイト」と「bZ4X」をじっくり見くらべて!!(15枚)文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ、ホンダ、ベストカーWeb編集部インサイトはbZ4Xよりも長く低いホンダ インサイト。東風本田が手がけるe:NS2の日本仕様といえる まず目を引くのは、両車のボディサイズの違いだ。トヨタのbZ4Xは全長4690mm、全幅1860mm、全高1650mm 。BEV専用プラットフォームを活かした2850mmという長いホイールベースが自慢で、SUVらしい力強く踏ん張りの効いたスタンスとスポーティさが同居している。「次世代のスタンダードSUV」といった王道の風格を漂わせている。 対するホンダの新型インサイト(e:NS2)は、全長4788mm、全幅1838mm、全高1570mmと、bZ4Xよりも長く、そして低い。ホイールベースは2735mmとなっており、bZ4Xに比べると取り回しの良さとスタイリングのバランスを重視した設計だ。SUVの力強さにセダンの洗練された美しさを融合させた「クーペスタイル」を採用しており、都会的なアスリートのような佇まいを見せている。インサイトはFFのみ。航続距離はbZ4Xに軍配か?2025年10月に大幅改良を実施したbZ4X。BEVの平均値を劇的に高めた1台 BEV選びで最も気になる航続距離とバッテリー容量についても、両車は独自の戦略をとる。bZ4Xは、Zグレードに74.69kWh、Gグレードに57.72kWhの総電力量を持つリチウムイオン電池を搭載。FWDのZグレードで最大746km(WLTCモード)という驚異的な数値を叩き出す。 4WDモデルでも687kmを確保しており、これなら東京から名古屋を往復してもお釣りがくる計算だ。長距離ツーリングを頻繁に楽しむユーザーにとって、このスタミナは大きな武器になるだろう。 一方のインサイト(e:NS2)は、68.8kWhのバッテリーを積み、中国CLTCモードが545km。日本仕様のWLTCモードはまだ不明だが、500km前後になると予想される。 両車のモーター出力だが、bZ4XはGグレード(FF)が124kW(約169ps)、4WDは252kW(約342ps)を発生する。 対するインサイトはFFのみで、150kW(約204ps)だが、ホンダは「数値以上の爽快感」をうたっており、310Nmの最大トルクを生むモーターと軽量な車体が、意のままに操れる軽快なハンドリングを実現しているという。居住性は互角か?インサイトのインテリア。ブラック基調で精悍なイメージ 車内の居住空間についても、両車は異なるアプローチを見せている。bZ4Xは、室内長1935mm、室内幅1500mmを確保し、「Dセグメント並みの足元空間」を実現。低い位置に配されたインストルメントパネルと、広いガラスエリアのおかげで、圧倒的な開放感を実現している。 後席に座っても膝周りにはたっぷりとした余裕があり、家族や友人とリラックスして移動できる「移動リビング」のような空間だ。リクライニング機能もあり。 インサイトも負けてはいない。「全席ゆとりある洗練空間」を標榜し、特に後席は足を組んで座れるほどの広大なスペースを実現している。インテリアは水平基調のデザインでまとめられ、助手席側からもスムーズに乗り降りできるサイドウォークスルー構造を採用。 さらに、後席にはリクライニング機構も備わっており、流麗なフォルムからは想像できない実用性が高いパッケージングとなっている。魅力装備bZ4Xのインテリア。センターディスプレイは14インチと巨大 装備面でも、両メーカーの個性が現れている。まずセンターディスプレイだが、bZ4Xは14インチのフルHDディスプレイを採用 。対するインサイトは12.8インチのディスプレイオーディオ・スマートスクリーンを搭載している 。 スマホのワイヤレス充電機能については、bZ4Xは「おくだけ充電」としてセンターコンソールに2つ配置、インサイトも隠しフロントおよびセンタートレイに充電機能を設けている。 bZ4Xの装備としては、独自の視界を生むトップマウントメーターやダイヤル式シフト、ナノイーX付空調システムのほか、冬場の電費悪化を防ぐ「輻射ヒーター(Zに標準)」や、屋根で発電して走行距離を延ばす「ソーラー充電システム(Zにオプション)」「9スピーカーJBLプレミアムサウンドシステム(Zに標準)」などが光る。 対するインサイトは、前後繋げてフラットにできるシートや輻射熱式インテリアヒーター+シート&ステアリングヒーター、プラズマ空気浄化機能付きで6種類の香りを選べる「アロマディフューザー」、12スピーカーの「BOSEプレミアムサウンドシステム」などを装備する。インサイトは400万円台に期待!仮に400万円前半で登場すればインサイトも相当な魅力を持つ(写真は中国仕様のe:NS2) 最後に、現実的な検討材料となる価格と補助金について触れておこう。トヨタbZ4Xは、エントリーモデルのG(FWD)が480万円、最上級のZ(4WD)が600万円という設定だ。bZ4Xは130万円という高額なCEV補助金が適用されるケースもあり、その実質価格の安さが大きな魅力となっている。 いっぽう新型インサイトの日本価格は未発表だが、中国での販売価格である15万9800元(約350万円)から17万9800元(約395万円)を目安に考えると、日本での販売価格も戦略的な設定が期待できる。仮にインサイトもbZ4Xと同程度の補助金額となれば、そのコスパは相当なもの。2026年春、国産BEV市場はこれまで以上に熱い戦いになりそうだ!