VFR750R/RC30に代わるスーパーバイクのホモロゲモデルとしてRVF/RC45を作り上げたホンダはこれと並行して新たな400ccレプリカを開発。RVFと命名されたモデルにはレーシングマシンの開発で培った多くの技術を投入。この分野の最後発車だけに、技術的にも走りにおいても高い完成度を誇った。まとめ:岡本 渉/協力:バイカーズステーション、佐藤康郎、H&L PLANNING※本記事は2025年7月2日に発売された『レーサーレプリカ伝 4ストローク編』の内容を一部編集して掲載しています。ホンダ「RVF(NC35)」(1994年)の概要Honda RVF 1994年総排気量:399cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型4気筒 シート高:765mm 車両重量:183kg発売当時価格:78万円VFR400R/NC30は1990年2月に前後ショックを高機能化するなどマイナーチェンジし、以降はカラーリング変更のみで年式を重ねた。1992年7月に発売されたスペシャルカラーの特別車(OKI HONDA RACING RVF750カラー)が最終型となったが、90度V型4気筒を積む400ccレプリカはそれで終わりではなかった。1994年1月、ホンダは2台の新しいV4レーサーレプリカを投入する。1台は750ccのレースがTTF-1からスーパーバイクに代わり、そのホモロゲーションモデルとしてのRVF/RC45。ベース車の性能が高いことが求められ、そこに合わせたモデル。もう1台は、その縮小版と考えていい400ccのRVF/NC35だ。1994年と言えば、レーサーレプリカブームは既に勢いを失っていたが、その時期にあえてニューモデルを発売するあたりにホンダのV型4気筒に対する強いこだわりが感じられる。価格は78万円(税抜き)で、前年の1993年12月に発売されたCBR400RRの最終モデルが73万9000円(同)だったことを考えると、極端に高かったわけではない。しかも内容は充実度を深めていた。RVF/NC35の日本での年間販売計画は5000台で、1996年に塗色変更を実施した後に生産を終えた。ホンダ「RVF(NC35)」(1994年)の各部装備・ディテール解説▶アウトフォルム&ディメンション画像1: ホンダ「RVF(NC35)」(1994年)の各部装備・ディテール解説ボディワークはワークスRVFを手本としており、同様な方針で作られたRVF/RC45と相似形となる。アッパーカウルをスラント化、フロントフェンダーをフォークを覆う形状へと改めて空力特性を高めている。全長/全幅/全高は、NC30の1985/705/1075mmに対し、全長は同値、20mm狭く、10mm低い。シート高は+10mmの765mm。乾燥重量は1kg増の165kgを公称。ホイールはNC30の3.50-17/4.50-18からNC35ではリヤを1インチ小径な17インチとして約1.2kgを軽減。前後17インチとなり、ホイールサイズは3.50-17/4.50-17インチだ。▶フレーム画像2: ホンダ「RVF(NC35)」(1994年)の各部装備・ディテール解説左右のメインレールに五角断面材を使うアルミツインスパーフレームは新設計で、下方に向かって伸びるエンジンハンガー部の構造を改めたのが最大の相違点。NC30は前側シリンダーの中央部を懸架したが、NC35ではヘッドとロアクランクケース前方の2点で支持。ワークスレーサーに倣った構造だ。軸距は-10mmの1335mmに短縮、キャスター/トレールは25度20分/96mm→25度/92mmと20分立って4mm短くなった。乗車姿勢も改められ、グリップを10mm上方に移動するとともに24mmライダー側に引き寄せ、下げ角を1度増加、幅を10mm短縮。着座およびステップ位置は不変で、上半身がわずかに起きる体勢となった。画像3: ホンダ「RVF(NC35)」(1994年)の各部装備・ディテール解説アルミの片持ち式スイングアームも新設計で、ピボットシャフトをφ20→φ17mmに小径化、左右ベアリングの外幅を202→192mmに短縮するなどで車体との剛性バランスを調整しており、しなやかな路面追従性を得ている。▶メーターまわり画像4: ホンダ「RVF(NC35)」(1994年)の各部装備・ディテール解説3連メーターの配置はNC30とおおむね同じだが、文字盤のデザインや回転計や水温計の周囲を覆うスポンジの形状が変化。新採用のΦ41mm倒立フロントフォークは上端部にプリロードと伸び側減衰力の調整部を備える。▶エンジン画像5: ホンダ「RVF(NC35)」(1994年)の各部装備・ディテール解説399.1ccの90度V4エンジンはNC30用を元に各部を見直している。新たな自主規制により最高出力は59→53PSに下げられ、4.0kgf・mだった最大トルク3.7kgf・mへと減るが、吸排気系や駆動系の見直しで操る楽しさを高めたという。▶シリンダーヘッド画像6: ホンダ「RVF(NC35)」(1994年)の各部装備・ディテール解説ダイレクトロッカーアームを備えるシリンダーヘッドの基本はNC30に通じるが、吸気ポートをΦ20→Φ19mmに絞り吸気流速を高める。▶キャブレター画像7: ホンダ「RVF(NC35)」(1994年)の各部装備・ディテール解説キャブレターは、メインボアがΦ32mmで円柱形バキュームピストンを持つVD型から、Φ30mmでT字断面ピストンのVP型に変更、スロットルレスポンスを高めた。アルミ製エアファンネルは前側気筒を長く、後ろ側気筒を短くしてトルク特性を改善している。▶マフラー画像8: ホンダ「RVF(NC35)」(1994年)の各部装備・ディテール解説エキパイの構造は4-2-1から不変だが取り回しを変更、サイレンサーはステンレスからアルミに材質を変えて重量を削減。内部を2室から3室にして効率向上と騒音低減を両立。▶ステップまわり画像9: ホンダ「RVF(NC35)」(1994年)の各部装備・ディテール解説ペダルとステップバーを同軸で固定する左右ステップは、NC30の構造やデザインを踏襲。▶フロント&リアブレーキフロントが対向異径4ピストン、リヤが片押し2ピストンのキャリパー形式や前Φ296mm・後Φ220mmのディスク径などはNC30と同じだが、各部品とも仕様を改めて制動力を向上。なおフロントキャリパーはRVF/RC45と同一で、ブレーキホースの一部を鋼管としている。▶SPレース用マシン画像10: ホンダ「RVF(NC35)」(1994年)の各部装備・ディテール解説RVFをベースとしたSPレース用マシン。HRCから多くのキットパーツが販売された。ホンダ「RVF(NC35)」(1994年)の主なスペック・当時価格まとめ:岡本 渉/協力:バイカーズステーション、佐藤康郎、H&L PLANNING※本記事は2025年7月2日に発売された『レーサーレプリカ伝 4ストローク編』の内容を一部編集して掲載しています。関連のおすすめ記事ワークスマシンの名を与えられた特別な1台!「HONDA RVF/RC45」【名車図鑑】 - webオートバイ【絶版名車解説】「RVF」(1994年) - webオートバイ絶版名車 関連の記事一覧- webオートバイ