ステーションワゴンでありながらSUVのようにも使える。そんな独自の立ち位置で北米市場に深く根付いている、スバル「アウトバック」。レガシィのプラットフォームをベースに車高を上げ、アウトドアでの実用性を磨き続けてきたモデルとして長年親しまれています。【画像ギャラリー】ぜひ日本でもその雄姿を拝みたい!! 7代目となりさらなる熟成を遂げたスバル新型「アウトバック」(13枚) 日本では2025年3月に販売終了となりましたが、2025年4月に北米で発表された7代目は、ついにレガシィから完全に独立したモデルとして、その個性をさらに際立たせています。なぜアウトバックはこれほどまでに支持されるのか。そして気になる日本復活のタイミングについても考えてみましょう。文:立花義人、エムスリープロダクション/写真:SUBARUワゴンの利便性とSUVの走破性の「いいとこどり」 アウトバックが長年支持される理由 1994年に初代モデルが発売開始となったスバル「アウトバック」。日本ではその翌年となる1995年に「レガシィグランドワゴン」として発売されました。 「アウトバック」というモデルの最大の特徴は、そのパッケージングにあります。ステーションワゴンのような伸びやかなシルエットを持ちながら、車高を上げることでタフな印象を強め、ゆとりある最低地上高とスバル自慢のAWDシステムを組み合わせることで、本格的なSUVに匹敵する走破性を獲得。全高が抑えられているため、一般的なSUVに比べてルーフへの荷物の積み下ろしが容易で、低重心による安定した走りを楽しめるのも大きなメリットです。まさに「ワゴンの利便性」と「SUVの機動力」を高い次元で融合させています。 北米のように、日常とアウトドアがシームレスにつながる生活環境においては、このバランスは極めて合理的といえます。都市部ではスマートな日常の足として使い、週末にはそのままハイウェイを飛ばして郊外へ。ピックアップトラックほど大げさではなく、それでいて未舗装路や雪道もしっかりこなせる安心感がある。多くのユーザーにとって「これ一台あれば十分」と思わせる魅力があるのです。7代目となる新型「アウトバック」。ワゴン的な荷室の使いやすさとSUVの走破性を両立するパッケージが最大の特徴だ最低地上高は221mm(ウィルダネスは241mm)を確保。低めの荷室開口と両立しており、悪路走破性と日常での積み降ろしやすさを高次元で両立しているブラッシュアップされたメカニズムと、熟成の「アイサイト」 2025年4月のニューヨーク国際オートショーで発表された7代目では、この基本コンセプトを維持しながら、スタイリングがよりスクエアで力強いものへと刷新されました。 パワートレインは、2.5L NA(自然吸気)と2.4L ターボの2本立て。いずれもスバル伝統のシンメトリカルAWDとリニアトロニック(CVT)を組み合わせる構成を継承しています。 特筆すべきは足回りで、レヴォーグやWRXで定評のあるデュアルピニオン式電動パワーステアリングを採用。これにより、操舵時の応答性が向上し、よりリニアで質感の高いハンドリングを実現しています。 実用面も進化しており、開口部の拡大やフロア形状の最適化などにより、積み下ろしのしやすさが高められています。ステーションワゴンとしての使い勝手を重視してきたアウトバックらしい進化といえます。 最低地上高も約221mmを確保しており、オフロード志向の「ウィルダネス」では、最低地上高を約241mmまで高めるとともに、対地障害角(アプローチ・デパーチャー・ブレークオーバーアングル)の最適化や17インチのオールテレーンタイヤを採用。悪路走破性を一段と引き上げています。 インテリアの進化もユーザーフレンドリーです。大型センターディスプレイと12.3インチのフルデジタルメーターを標準化しつつも、エアコン操作の一部をあえて物理スイッチへと回帰させています。こうした実用性へのこだわりは、使い勝手を重視するユーザーからも高く評価されるポイントでしょう。 安全面でも最新世代のアイサイトを搭載。高速道路でのハンズフリー支援機能など、長距離移動の多い北米や、日本の高速道路環境においても安心感を高めるアップデートが施されています。北米仕様では荷室容量が先代比で約56リットル増加。フラットで奥行きのある形状により長尺物も積みやすく、ワゴン的な使い勝手のよさが際立つ進化したその雄姿を、ぜひ日本でも拝みたい!! 冒頭で触れたように、日本では2025年3月31日に6代目をもって販売終了となっており、北米で販売されている7代目は現時点投入されておらず、それに関するスバルからのリリースもありません。 7代目は、北米に続きオーストラリアでも2026年モデルとして投入されており、右ハンドル仕様の生産体制はすでに構築されています。群馬製作所で左右ハンドル車を並行生産している実績を考えれば、日本導入の土台は整っていると思われますが、国内ではステーションワゴンのシェアが縮小し、SUV全盛の時代。アウトバックのような「中間的なモデル」には支持が集まりづらく、販売台数は終売前の2024年年間で約6000台にとどまります。レヴォーグやフォレスターといった身内の主力モデルとの棲み分けも、メーカーとしては慎重にならざるを得ないポイントでしょう。 それでも、ワゴンの積載性とSUVの走破性を両立したこのパッケージは、再評価される余地が十分にあるはずです。現時点で日本導入の正式な発表はありませんが、これだけ完成度の高いモデルを放っておく手はない、というのがファンの本音ではないでしょうか。 待望の日本復活において、最大の武器となるのはストロングハイブリッド(S:HEV)でしょう。トヨタのTHSをベースに水平対向エンジンを組み合わせたこの新システムが、次期アウトバックに搭載されれば、燃費という弱点を克服した最強のツーリングワゴンが誕生することになります。 北米でさらなる熟成を遂げた7代目が持つ「多用途性」は、レヴォーグやフォレスターとはまた違う、アウトバックにしか出せない魅力です。進化したその雄姿を、ぜひ日本でも拝みたいものです。12.1インチセンターディスプレイと12.3インチメーターを標準装備、エアコン操作は物理スイッチを維持した。写真は豪州版アウトバック