日産が新型「エルグランド」を発表 「プレミアムミニバンを再創出」と意気込む【ジャパンモビリティショー2025】 日産自動車は2025年10月29日、「ジャパンモビリティショー2025」(会期:11月9日まで)でミニバン「エルグランド」の新型を発表した。発売は2026年夏の予定。 デザインコンセプトはリニアモーターカー 日産エルグランドは1997年に初代がデビュー。プレミアムミニバンの歴史はすなわちエルグランドの歴史であり、このジャンルのパイオニアとのことである。 実に16年ぶりのフルモデルチェンジで生まれる新型は4代目にあたる。プレミアムミニバンを創出したのが初代なら、4代目は「プレミアムミニバンを再創出」すると、日産の鼻息はすこぶる荒い。内外装を刷新しただけでなく、この16年の間に大きく拡大したフォーマル/ビジネスユースのニーズにも対応。新たなパワートレインとシャシーによって、このカテゴリーにはまだ存在しない「運転する楽しさ」も追求したという。 新型のボディーサイズは全長×全幅×全高=4995×1895×1965mm(日産による測定値)。先代は4975×1850×1815mmだったので、横には45mm、上には160mmも拡大し、今や市場を席巻する国産プレミアムミニバンのライバルをサイズの上では圧倒している(長さは同じ)。 デザインのコンセプトは「The private MAGLEV(ザ・プライベート・マグレブ)」。マグレブはリニアモーターカーを意味しており、ハイスピードでありながらスムーズで静かな印象をエクステリアで表現。「ノート」や「アリア」と共通のデザインランゲージ「タイムレスジャパニーズフューチャリズム」を採用し、フロントグリルは日本の伝統工芸である「組子」をモチーフとしたほか、大きな面構成と緻密なディテールを組み合わせたサイドパネルは日本庭園をイメージしたという。 プライベートラウンジのような空間を目指したというインテリアは、広がりのあるインストゥルメントパネルとワイドかつ位置を高く設定したコンソールが特徴。高いアイポイントによる前方視界のよさも見逃せない。表皮や木目調パネルを広範囲に使用したほか、ドアトリムにはエクステリアの組子とパターンを合わせたキルティングを採用。センターおよびメーター用ディスプレイは国内向けモデルでは初の14.3インチを搭載している。3Dサラウンド再生も可能なBOSEの22スピーカープレミアムサウンドシステムは映画館にいるような臨場感あふれるサウンドが楽しめるという。 パワートレインは発電専用のZR15DDTe型1.5リッターエンジンに、モーターとインバーター、ジェネレーター、減速機、増速機をモジュール化した5-in-1ユニットを組み合わせた第3世代の「e-POWER」を搭載。現時点で諸元は未公表ながら、加速時の騒音レベルや燃費、力強く滑らかな加速などで現行モデルから大きな進化を遂げているという。 シャシーには日産独自の電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を採用(現時点で2WD車の有無は不明)。モーターとブレーキの統合制御で各輪の駆動力を緻密にコントロールし、あらゆるシーンでフラットな乗り心地を提供するとともに、コーナリングでは後輪側の駆動力を上げ、思いどおりに曲がれるという。 足まわりには電子制御で減衰力を可変する「インテリジェントダイナミックサスペンション」を採用。第3世代のe-POWERおよびe-4ORCEと同時に搭載されるのは世界初とされており、3つの統合制御によって計6つのドライブモードを設定。高い快適性だけでなく優れたドライバビリティーも味わえるという。 先進運転支援システムは「プロパイロット」または「プロパイロット2.0」によって高速道路でのドライブをサポート。前者は渋滞時に50km/h以下でのハンズオフ走行ができるようになったほか、ウインカー操作後に車線変更の支援も可能になっている。 (webCG)