新型C3ハイブリッドはデザインと快適性が大幅進化、その魅力とは?
ステランティスジャパンの仏ブランド、シトロエンは2025年10月5日、Bセグメントでブランドの中核モデルである「C3」の第4世代となる「C3ハイブリッド」を発表しました。
今回は日本で登場したばかりの新型C3ハイブリッドの公道試乗をレポートします。

フロントには新世代デザインを採用し、大型のシトロエンロゴと特徴的なLEDヘッドライトが存在感を放つ新型「C3ハイブリッド」
ステランティスのMH(マイルドハイブリッド)EV攻勢が、“スゴいこと”になっています。
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ステランティスはフランスとイタリアとアメリカの自動車メーカーを統合し、日本市場では7ブランドが展開中。2025年5月以来、5ブランドから7モデルのMHEVを続々と投入しています。
ところで、MHEVの「E」ってヘンじゃないのと思われた方が少なくないと思います。これまでMHVはモーターだけで走ことができなかったので、Eは入りませんでした。でも、ステランティスの48V MHEVはモーターだけで走ります。
C3ハイブリッドの場合は、1.2リッターの直列3気筒エンジンにモーター内蔵のデュアルクラッチ式6速DCTを組み合わせています。モーターの性能は20馬力/51Nmなので、それだけで走り続けることはできません。どんな場面でモーターの出番になるのか、そのメリットを含め後半の試乗で報告します。
まずは、C3ハイブリッドはシトロエンの新型なのでその解説から始めましょう。
ボディサイズは全長4015mm×全幅1755mm×全高1590mm、ホイールベース2540mmで、従来型と比べると全長と全幅はほぼ同じです。ただ、全高は95mm高くなり、日本車でいえばトヨタ「ヤリスクロス」に近いBセグメントのモデルになります。
デザインは、従来型の丸味を帯びたちょっとファニーな印象から一新。直線基調のデザインになり、SUVらしさを一段と際立たせています。フロント周りは、シトロエンの新世代デザインを採用。
中央には、リニューアルされた大きなエンブレムを配置。両サイドに伸びるブラック加飾には、エンブレムのダブルシェブロンと同調する斜めのラインが刻まれリア周りも同様です。サイド周りは、前後のフェンダーが強調された力強いデザインとなっています。

直線基調のインパネに10インチタッチスクリーンを備え、上質かつ機能的な室内空間を演出
インテリアも、直線基調のインストルメントパネル周りが特長です。ステアリングの上から見る正面のモニターは、視線移動が少ないヘッドアップディスプレイのような役割を果たします。中央には、10インチのタッチスクリーンを配置。Apple CarPlayとAndroid Autoにも対応しています。
インテリアは、全体としてBセグメントとしてはかなり上質な仕上がりになっています。ファブリックや柔らかなテップレザーを巧みに使い分け、硬質プラスチックも色調が明るいので素っ気なさを感じません。さらに、シートはサイズが大きめで体にフィット。
室内スペースは、大柄な男性が4名乗車しても窮屈感を覚えずに済みます。ラゲッジスペースは310リットルを確保し、Bセグメントでは広い方です。
街中でも体感できる“EV感覚”の走りに迫る
それでは、試乗を始めます。乗り込んで近年では珍しいイグニッションキーをひねり、スタートの準備。ところが、暖気が済んでいるはずなのにエンジンがアイドリングストップしません。
いろいろと試すと、エアコンをマニュアルモードにしたままだとエンジンはかかったままになるようです。

全長4015mm×全幅1755mm×全高1590mmと拡大したボディサイズでSUVらしさを強調
エアコンをオートモードにすると、エンジンはアイドリングストップ状態になる場面が増えます。セレクターをDレンジにしてブレーキを放すと、モーター走行を開始。緩加速なら、20km/hくらいまでその状態を維持します。
ただ、市街地で周囲の流れに合わせて加速すると、エンジンがすぐに始動。それでも、モーターとの連携は洗練されているので気になりません。むしろ、6速DCTの制御の方がスムーズさの物足りなさを感じることが稀にあります。
走行中にアクセルを戻すと、エンジンが停止する場面があります。そして、少しだけアクセルを踏むと40km/hくらいまではモーター走行に移ることも。その際のEV感覚は、これまでのMHVでは得られないウレしい体験になります。
さらに、モーターがエンジンをアシストする場面はMHVよりも多めです。101馬力を発揮するエンジンに20馬力を得るモーターの威力が上乗せされシステム最大出力110馬力に達するため、BセグメントのSUVとして加速の力強さはなかなかのもの。
エンジンは直列3気筒なので乾いた音を発しますが、騒がしさが気になることがなく吹け上がりもスムーズです。
ただ、リチウムイオンバッテリーの容量は0.9kWhなのでモーターの出番が多くなるとモニター上の充電量は見る間に減っていきます。ですが、逆に減速時のエネルギー回生が繰り返される場面では見る間に充電量が増えていきます。
いずれにしろ、燃費の面(CO2の削減でも)ではMHEVの実力は絶大です。同型エンジンを積む従来型「C3」のWLTCモード燃費は17.2km/L、モーターを組み合わせる新型は22.3km/Lですからメリットは十分以上といえます。
C3ハイブリッドは、新開発のスマートカー プラットフォームをステランティスでは初採用しています。ボディの剛性感が高く、ザラついた路面を通過する際に聞こえるゴーッというロードノイズを抑制。

今回の試乗車は364万円の上級グレード「C3 MAX HYBRID」
BセグメントのSUVでは、最高レベルと静粛性を実現しています。ステアリングの切れやサスペンションの動きがスムーズで、コーナリング中のロールはやや大きめ。そこがまた、シトロエンらしい乗り味になります。
乗り心地も快適であり、荒れた路面を通過してもフロアに余計な振動が残らず走りも上質なことがC3の魅力といえます。
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価格(消費税込)は「C3プラス ハイブリッド」が339万円、「C3マックス ハイブリッド」は364万円です。
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