マツダが新型電動SUV「MAZDA EZ-60」を上海モーターショーで公開。日本発売はどうなる?
マツダは2025年4月23日、マツダが出資する現地法人「長安マツダ汽車有限公司(以下、長安マツダ)」が、新型電動クロスオーバーSUV「MAZDA EZ-60(マツダ・イージーシックスティ)」を、第21回上海国際モーターショーにおいて公開したことを、同日発表した。
BEV&PHEVの新SUVが2025年中に誕生予定
「MAZDA EZ-60」は、マツダと合弁事業のパートナーである重慶長安汽車股份有限公司(以下、長安汽車)との協業を通じて、長安マツダが開発・製造を行う電動車(新エネルギー車)の第2弾となる。

サイドビューは分厚いドア断面と4つのタイヤにしっかりとトラクションがかかる立体構成とし、魂動デザインらしい力強いダイナミックな造形を表現。
第1弾は昨年10月に中国で発売を開始した「MAZDA EZ-6(マツダ・イージーシックス)」。MAZDA EZ-6は2024年4月の北京モーターショーで発表されたが、その時、同時に「MAZDA 創 ARATA(マツダ・アラタ)」という電動SUVのコンセプトカーも発表されていた。その量産車がMAZDA EZ-60となる。
第2弾の新型電動車となるMAZDA EZ-60は2025年中に量産化して、中国市場に導入予定。急速に電動化が進む中国において、電動化商品のラインアップを拡充していく。

ボディサイズは全長4850×全幅1935mm×全高1620mmとして、全長はCX-60(全長 4740mm)とCX-80(全長4990mm)の中間としながら、よりワイド&ローなフォルムとしている。
「MAZDA EZ-60」は、エレガントかつモダンなスタイリング、毎日の運転が楽しい人馬一体の走行性能、車内外の生活をシームレスにするスマート機能を備えたクロスオーバーSUVだ。
EZ-6と同様に電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の2機種を設定し、中国のユーザーニーズに幅広く対応する。
デザインテーマは“FUTURE + SOUL x MODERN”。マツダデザインが追求するエレガントなスタイリングを、新しい生活様式をイメージさせるモダンな造形と融合させたデザインを実現している。
PHEVモデルの日本発売に期待

ボンネット先端部などに、空気の通り道を備えることにより、近未来的な印象を醸成するとともに、優れた空力特性、高速走行時の電力消費効率の向上に貢献している。
メカニズム面では、50:50の前後重量配分としたほか、サスペンションはフロントをストラット式、リアをマルチリンク式(リア)を採用。これに多様な運転シーンに対応する電子制御ダンパーを組み合わせながら後輪駆動(RWD)とすることで、マツダが掲げる“人馬一体”の走りを提供する。
航続距離については、BEVモデルは約600km、PHEVモデルは1回の給油で1,000km以上を想定している。

コクピットでは26.45インチの5K一体薄型センターディスプレイが目を惹く。

オットマンを装備したフロントシート。
また電動車ならではの先進のスマート機能も充実している。インパネ上部には26.45インチの5K一体薄型センターディスプレイと3Dヘッズアップディスプレイを装備。
さらに音声、タッチ、ジェスチャーと、様々な方法での操作が可能なスマートキャビンを実現しながら、車外からでも音声操作が可能なインテリジェントパーキングを可能とするなど、安全および利便性を高めるスマート機能を大きく進化させている。
マツダの代表取締役社長兼CEOの毛籠 勝弘(もろ・まさひろ)は、次のように述べている。
「長安マツダ設立から20年となる今年、マツダと長安汽車の力を集結させた電動車の第2弾をお披露目できたことを大変嬉しく思います。『MAZDA EZ-60』は、クルマ本来の魅力と、進取の気性に富んだ中国のお客様に向けた先進性を備えた電動SUVです。昨年、中国に導入されご好評をいただいている『MAZDA EZ-6』とともに、競争の激しい中国市場で、マツダ中国ビジネスの新境地を切り拓くことに挑戦してまいります」
日本での発売については明言されておらず、現状での日本の電気自動車マーケットを考慮すれば、早期の発売は難しいものと思われる。ただ、MAZDA EZ-60にはPHEVモデルが設定されるということで、こちらは逆輸入される可能性がないとは言えない。アウトランダーPHEVのライバルとして、ぜひ日本導入を期待したい。