新型RAV4について「知っておくべき重要事項」5つを紹介。北米目線で深堀りされた6代目の魅力とは?
北米トヨタはすでに新型RAV4(2026年モデル)について発表(2025年5月20日・現地時間)しているが、2025年8月27日(現地時間)には「新型RAV4について知っておくべき5つのこと」と題した新たなリリースを発表した。完全電動化された新型は、どんな魅力を秘めているのだろうか。

30年の伝統と最新テクノロジーが融合する6代目
北米の小型SUV市場で長年にわたりトップを走り続けたRAV4が、ついに第6世代へと進化し、2026年モデルとして登場する。
その新型は、プラットフォームからパワートレイン、デザイン、そしてソフトウェアに至るまで刷新され、まさに“完全電動化時代の基準車”として再登場した。ここでは、その5つの大きな魅力を掘り下げて紹介する。
①再設計された第6世代~刷新された骨格とデザイン~

最新のトヨタのデザイン手法を採り入れて生まれ変わった新型RAV4.
新型RAV4は、トヨタ新世代アーキテクチャーK(TNGA-K)プラットフォームを採用。ボディの接合部に高減衰接着剤を多用し、サスペンション取付部を補強することで、ハンドリングの俊敏さと乗り心地を同時に高めている。
エクステリアは新世代のハンマーヘッドフェイスを採用し、よりシャープなライン、新しいグリル デザインを備え、SUVらしい力強さを表現している。
インテリアでは12.3インチのデジタルメーターと最大12.3インチのタッチディスプレイを採用。薄型ベゼルにより視認性を高めつつ、センターコンソールにはカップホルダー一体型の新設計シフト、仕切り板でアレンジ可能なストレージを備え、利便性と先進性を両立した。
②3つの異なるスタイル「コア/ラギッド/スポーツ」を設定~多様なデザインで好みに対応~

フロントはトヨタの象徴であるハンマーヘッドフェイスを採用。シャープなボディパネルと上向きに伸びるベルトラインが、SUVらしいプロポーションを際立たせている。
新型RAV4のもう一つの特徴は、ライフスタイルに応じた3つのデザインを設定していることだ。
「Core(コア)」は日常での使い勝手と都会的なモダンさを融合させ、標準グレードとして幅広い層をカバーする。
「Rugged(ラギッド)」はアウトドア志向のユーザーに向けたタフな仕様で、専用パーツや機能を充実させている。
「Sport(スポーツ)」は走りの楽しさを重視し、スポーティでスタイリッシュ、かつダイナミックな造形が特徴だ。
この3パターンのデザインにより、RAV4ユーザーのライフスタイルや好みに合わせて選びやすくなっている。
③新世代のパワートレーンを設定~最新のHEVとPHEVを搭載~

新世代のPHEVモデルはDC急速充電にも対応。
新型RAV4は従来設定されていたガソリンエンジン車は完全に姿を消し、すべて電動パワートレインを採用。最新のハイブリッド(HEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)の2本立てに絞られた。
HEVには初めて前輪駆動(FWD)と全輪駆動(AWD)の選択肢が設定され、用途や嗜好に応じた選択が可能となった。
PHEVは第6世代システムを搭載し、駆動方式はAWDのみとなる。パワーアップを図ったほか、EV走行距離も伸びており、実用性を高めている。
多彩な技術革新によって、もっとも先進的なSUVとして再定義
④2つの新グレード「ウッドランド」と「GRスポーツ」を設定
2026年型では、新たに2つの独立グレードが加わった。
まず「ウッドランド」は、これまで特別仕様扱いだったオフロード志向の仕様を単独グレード化。ブラック仕上げの上下分割グリルに統合型LEDライトを備えたハンマーヘッドフェイス、ややリフトアップされたフロント、ルーフレール、リアのアクティビティマウントなど、アドベンチャーを想起させる装備を標準化した。
週末に林道を駆け抜けるのはもちろん、日常使いでも快適性を損なわず、スタイルと実用性を両立する一台である。

オフロード指向の「ウッドランド」を独立したグレードとして設定。
次に登場するのが、RAV4史上初の「GRスポーツ」だ。トヨタのモータースポーツ部門であるGAZOO Racingが手掛け、走行性能を徹底的に磨き上げた。
GR専用のサスペンションとパワーステアリング、強化ボディ、20インチ専用ホイールに履かせたサマータイヤを装備し、スポーツカーさながらのハンドリングを実現。
外観ではGRファンクショナルマトリクスグリルや前後のスポイラーを採用し、空力とスタイルを兼ね備える。パワートレインはPHEV専用で、環境性能と走りを高次元で融合したモデルである。

GRスポーツには専用のスポーツシートが装備される。
⑤初めての新境地~電動化とソフトウェアが導く新時代SUVの到達点~
新型RAV4は、モデル史における大きな転換点となる存在だ。数々の革新的な技術を取り込み、コンパクトSUV市場のなかで最も先進的な一台として再定義されている。
その進化の核となるのが、トヨタが誇る第6世代プラグインハイブリッドパワートレインである。新開発のPHEVシステムは、システム総合出力を最大320馬力にまで高め、従来比で18馬力の向上を実現。力強さと効率性を兼ね備えたこのシステムは、トヨタが進める電動化戦略の象徴とも言える。
さらに注目すべきは、車両のソフトウェア基盤に「Arene(アリーン)」開発プラットフォームを採用した点だ。これにより、最新のToyota Safety Sense 4.0や、新世代Toyota Audio Multimediaシステムが統合され、クルマ全体のユーザー体験が一段と進化した。

先進のトヨタAreneソフトウェア開発プラットフォームと統合し、インパネ周辺のデザインも大きく進化した。
ドライバーは、大型タッチスクリーンでのカスタマイズ可能なホーム画面、画面下部に常時表示されるHVACコントロール、そしてより俊敏に反応する「Hey Toyota」音声アシスタントを活用できる。加えて、ワイヤレスのApple CarPlayやAndroid Autに標準対応し、スマートフォンとの接続もシームレスに行うことができる。
安全性能においても、RAV4は妥協がない。Toyota Safety Sense 4.0は高度な検知能力と制御介入を組み合わせ、ドライバーを幅広いシーンでサポートする。予測不能な道路状況でも安心感を与える、包括的な運転支援テクノロジーのパッケージである。
2026年型RAV4は、日常の通勤をより快適で充実した時間に変え、ワインディングでは限界に挑む楽しさを提供する。まさに、あらゆるシーンでドライバーを鼓舞する新時代のクロスオーバーSUVに仕上がっている。